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コットがマルチネスを降し4階級制覇

2014年06月22日 | ボクシング
6月7日 米ニューヨーク
マディソン・スクウェア・ガーデン(観衆21090人)
【WBC世界ミドル級タイトル戦】

ミゲール・コット 10ラウンドTKO セルヒオ・マルチネス

留守録していたWOWOWエキサイトマッチ、やっと見れましたわ。
試合前は体格に勝るマルチネス有利という声が多かった一戦。

私はコットも終わったかな・・・と思っていたので、驚きの快勝でした。

キャリアを調べてみると
そもそもコットが最初に世界タイトルを手にしたのが2004年9月。
空位のWBO世界スーパーライト級王座決定戦でケルソン・ピント(ブラジル)に
6回TKO勝利。

6度防衛した後の2006年12月、
空位のWBA世界ウェルター級王座決定戦でカルロス・キンタナ(プエルトリコ)に
5回終了TKO勝利して2階級制覇。

4度防衛した後、
2008年7月、元IBF世界同級王者(返上)のアントニオ・マルガリート(メキシコ)の
挑戦を受け、有利の下馬評の中での対戦となったが、マルガリートの驚異的
打たれ強さとスタミナの前に徐々にスローダウンして11回TKO負け。

2009年2月WBO世界ウェルター級王座決定戦でマイケル・ジェニングス(イングランド)に
5回TKO勝ちで王座獲得。
2度目の防衛戦でマニー・パッキャオ(フィリピン)の挑戦を受けて12回TKO負け。

2010年6月、WBA世界スーパーウェルター級王者ユーリ・フォアマン(イスラエル)に
挑戦し、第9RでTKO勝ちして3階級制覇。
2度目の防衛戦でA・マルガリートに雪辱。

2012年5月、フロイド・メイウェザーjr(米)とSウェルター級レギュラー
ならびにスーパー王座を賭けて戦い、12回判定負け。

復帰戦で、同級レギュラー王者のオースティン・トラウト(米国)に挑み、
12回判定負け。

スーパーウェルター級で復帰戦をこなし、好調の勝利と言う話だったが
ミドル級でのテストマッチなく、マルチネス戦に臨んだというから
そりゃ不利の予想は仕方ないでしょう。
※同級1位は優遇されすぎ?

一方、王者マルチネスは
ヒザを痛めて1年1ヶ月のブランクあるとはいえ、WBA同級王者ゴロフキン
(カザフスタン)と並ぶミドル級の実力者。

しかし、試合は初回から
いきなり大きく動く!

リードの交換からコットの左フックがマルチネスにヒットすると、王者は
上半身がよろめき、足元が怪しくなってしまう。

一気に攻勢に出るコット、また左フックを浴びてグラつくマルチネス、
コットの左フックを後頭部に巻かれ、顔から前に倒れこむダウン!

立って試合再開に応じた王者だったが、明らかに効いており、
この回2度のダウンを追加され10-6!(そっか今は「6」点けるんだ)
WBCはフリーノックダウンゆえ、試合は続行。

2回以降もダメージが抜けず、機敏に動けないマルチネス。
それでもジャブを突き、コーナー・ロープに詰まっても上体を振り、
横に足を使ってエスケープ。
コットの重厚な立体攻撃を躱すんだから、さすがだ。
コットも落ち着いて、左フック、左アッパー、右アッパーで、
ボディ・顎・内・外と狙う。

普通の選手なら立ち直れずに試合が終わるトコロだろうが、マルチネスは
途中でジャブの切れが戻るんだからサスガだ。

コットは右ガードの低いマルチネスに左フックを狙い打ってる感じ。
速い相手に順応したシェーン・モズリー戦を思い起こす。

そして試合は第9R
終盤、コットの左ジャブがヒットし、膝が折れるマルチネス。

レフェリーは、ダウンと見做してカウントを数える。
「ロープが無ければ倒れていた」みたいな場合もレフェリーはダウンを
取る事があるが、今回は「相手に寄りかかってダウンを間逃れた」と
見做したのか?
※つ~か、やっぱり「ヒザがついた」と思ったんだろうな。
 でも浜田vsレネ第一戦は最初の右フックでレネがヒザを
 着いたように見えたが、レフェリーは続行させたもんなぁ。
 結局、主審の判断なんだよなぁ・・・。

マルチネスは納得いかない様子だったが、コーナーに帰る足取りは怪しい。
9R終了で赤コーナーにはゾロゾロとドクターらが入り込み、10R開始後
セコンドが棄権を申し出た。

コット、10RでTKO勝ち。プエルトリコ初の4階級制覇に成功した。
33歳の新王者は43戦39勝(32KO)4敗。

無理にリミット一杯に増量せずにミドル級に挑んだのが、
結果的に功奏したんだろうな。

前戦から組んだフレディ・ローチ氏がトレーナーとして上手く導いたのでしょう。
※まぁ、パッキャオの対戦相手として一度は研究し尽くした選手だからねぇ。
 この辺のセコンド切替えは、さすがの米国ボクシング界だ。

試合後のインタビューも良かった。
コットは謙虚に勝利を語ったし、マルチネスはヒザの故障を敗因に挙げず
「いまはコットにおめでとうと言いたい」とコメント。
インタビュアーを感動させていた。

「勝てないだろう」と言われた試合で勝つと商品価値上がるよね。
あと、やっぱり、そういう試合は見てて感動する。

価値ある4冠です。
プエルトリコ最高の選手は、私にとってウィルフレド・ゴメスだったが
それは最高に輝いていた時期のインパクトが大きいんですよね。

ゴメスは晩年は輝きを失い、3階級制覇を成し遂げても、ご褒美判定で
これまでの功績を考慮した加点あり・・みたいな戴冠だったしなぁ。

この期に及んで全盛の輝きを取り戻して4冠を果たしたコットの
株が大きく上がった事は間違いないですな。

まぁ、プエルトリカン歴代王者が集まってもゴメス氏はコットと並んで
可愛がってる風だったから、
ゴメス氏も今回コットが成し遂げた偉業を喜んでいるでしょうけどね。