アートの周辺 around the art

美術館、展覧会、作品、アーティスト… 私のアンテナに
引っかかるアートにまつわるもろもろを記してまいります。

『KATAGAMI Style』 @京都国立近代美術館

2012-08-05 | 展覧会
東京での開催から大注目していた展覧会に、暑い最中行ってまいりましたよ!
サブタイトルは
「世界が恋した日本のデザイン もうひとつのジャポニズム」

すごく興味を惹かれたのですが、正直どんな展覧会か、ちょっと想像つきにくかったんですよね~。
「KATAGAMI」とは、江戸時代を中心に、着物の生地を染めるのに模様のパターンを彫り込んだ文字通り型紙のことで、江戸小紋などの細かい模様を染める「伊勢型紙」などが有名だ。
厚い紙に精緻に模様が刻まれた型紙の技術力には、舌を巻くばかり。

展覧会は、この型紙が、明治以降、大量にヨーロッパやアメリカで収集され、新しい表現を模索していた欧米の芸術家やデザイナーに強い影響をもたらした様子を紹介するものでした。
展示方法は、日本の型紙とそれにインスパイアされて作られた工芸品やテキスタイル、家具等々が一緒に展示されているというもの。
いや~、このデザインそのまま使ってるやん!ってのもけっこうあって、まさにアール・ヌーヴォーを始めとする欧米の新しいデザインの潮流に、この型紙が果たした役割の大きさを思い知りました。
そしてまた、比べてみると、いくら参考にしていても、やっぱり日本の型紙のデザインの方が繊細で斬新で、ホント「えっへん」って鼻が高くなってしまうほど。日本のデザイン力って素晴らしいわ~!!
その影響は各国におよびます。イギリスのアーツ・アンド・クラフツ、フランスのアール・ヌーヴォー、オーストリアのユーゲントシュティール…。ウィーンのマジョリカ・ハウスも素敵!と思ってたけど実は型紙の影響?
ジャポニズムをもたらしたのは、「浮世絵」だと思っていたのだけど実はこの「型紙」の方がずっと有力なんじゃあないだろうか…。

大変興味深く楽しい展覧会ではありましたが、もう少し鑑賞の手引きが欲しかったところ。この頃展覧会ではよくある作品リストなどもあったらよかったなあ、と思いますし、少し趣旨がちがうかもしれませんが、これらの素晴らしい「型紙」が、どのような刷りあがりになるのか、染色の様子などををもっと見たかった気がするのです。(ビデオがありましたが、ほんの少しでわかりにくかったので)
「型紙」、すごく興味が湧いたので、機会があれば鈴鹿市の資料館なども訪ねてみたいものです。

さて、ここで加齢による「展覧会視力問題」が発覚!展来会に行く時は、よく見えるように(例えばガラスケースに入っていたりすると目を近づけられないので)コンタクトレンズを入れていくのですが、今回の型紙の彫りの細かさを目を近づけて見るのには難儀してしまいました…。むむむ、いったいいかなる矯正ツールを用いるべきなのか…?ホント、哀しい問題です(泣)。

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