摂州合邦辻

2007-11-04 | アート・文化

先週は、コジで板の上だったのだが、今日は10数年ぶりに新の付かない国立劇場へ。
木曜だったかの新聞を見てそういえば、歌舞伎もしばらく観てないなあ、ということで、
ネットで調べたら、いとも容易くチケットを入手。
チケットの発券はもっと簡単。
ネット予約した際のカードを券売機につっこむだけで発券終了。
今やこんなことになっていたのか…。

その昔、半蔵門で仕事をしていたもあるので、勝手知ったるところではあるが、
改札から外へ出るまでの薄暗い階段も明るく塗り替えられ、
ミュージック・バードのショー・ルーム?は掃除機のそれ替わられていたが、
当然、威厳のある劇場はそのまま。立地からして「新」とは違う。黛がゴネタのも一理ある。
内装は以前と変わらないはずだが、若干狭く感じた。足の長い人にはやや窮屈だろう。

幕が上がると下座の音楽が想像以上に大きな音で聴こえる。以前もそうだのだろうか?
藤十郎の声は非常に聴き辛くほとんど何をいっているのかわからない。
その一方で、藤十郎の台詞を受ける形で、場内が沸くことがある。これは、音声ガイドによるものだろう。
舞台を楽しむのためには借りた方が良いのだろうが、あまりに音楽を軽視していると思えてならないので利用したことがない(実はただのケチなのだが。
一度、FMラジオを持ち込んでみよう思ったんだっけ)。
字幕装置の設置を切に願う。

舞台は書割が中心となるが、一場終わると幕を引き大道具さんが舞台を作る音が聞こえる。
何時の頃からか、オペラは舞台機構が優秀になったからか、
はたまた、予算削減で全幕を同じセットで観せることが増えたのでなんとも懐かしく感じる。

筋は、血の繋がらない息子に恋心を抱く玉御前のお話。
どこかで、聞いたストーリーだよなあ、と思って見ていたのだが、劇場でもらったきたチラシによると、
インドの説話が東に流れて、歌舞伎になったように、西にいって、ラシーヌの「フェードル」になったとのこと。
勿論、ラシーヌなんてのは、フォーレくらいでしか馴染みはないが、ブリテンの「フェードラ(パイドラ)」なら。隅田川ではなく、摂州合邦辻を観ていたらとか考えていたのだが、観ていなくても書いていた。

来月は季節がら忠臣蔵なので、時間があったら、行ってもいいかなあ。