死の都@新国

2014-03-24 | オペラ

お気に入りのオペラはなるべく複数回観るようにしている。生モノなので毎回同じことはあり得ないが、1度観ただけではわからないことが多すぎるからだ(何回観てもわからんものはわからんが)。
「死の都」は15日と24日。この2公演で最も異なったのが、オーケストラの出来。
15日は各パートの主張が強すぎてコルゴルトのオーケストレーションを堪能とまでは至らなかったように思う。24日についてはゴージャス感を出しつつも声をマスクすることも少なかったように思う。要するにオケの慣れの問題か?
パウルとマリエッタについても15日には聴こえない部分も散見されたように思うがその辺もクリアされていたようだ。
演出は白を基調としたすっきりしてもので、ゲッツ・フリードリヒの秀逸ではあるが、暗く、黴臭い映像に慣れた目には眩しいほど。黙役でマリーを終始舞台上に載せたのは賛否分かれると思うが、その立ち姿の美しさに目を奪われたのも事実。


K,ヤルヴィ/読響

2014-03-22 | コンサート

コルンゴルト月間。個人的には楽日が残っているとは言え、少々残念な感じの「死の都」。そのモヤモヤ感を素っ飛ばしたのが、K,ヤルヴィ/読響。コルンゴルトの演奏に求めているのはこういった音響だったの知れない。
独奏者は細く美しい音ではあったが、装飾なのか音程が不安定なのかよくわからない部分が聴かれたのと、一つのフレーズの中で抜けているかのように音が弱くなるのが気になった。
メインはひょっとすると最近4つの交響曲より演奏頻度の高いのではと感じる「ブラ5」。こちらもヤルヴィはテンポを柔軟に操り煌びやかに仕上げていたように思う。
1曲目のプリッツカーは、かなり派手にやっていたようだが完全に落ちていた。


下野/読響ドヴォルザーク:レクイエム

2014-03-12 | コンサート

前半と後半で対比の激しい曲とされるが全般的に流麗な演奏。
奉献唱のフーガもテーマを強調させることもなく壮麗になりすぎず爽やかに鳴り響く。
この曲は旋律線に隠れて特徴的なパッセーシを歌うことが多く、作曲年代が19世紀末であることをほのかに感じさせる。下野にはその辺りに光をあててくれることを期待していたのだが…

怒りの日の再現部では鐘が鳴らされたが楽器のせいか座った位置悪かったかあまり効果的とはならなかったのが残念。
中嶋は好みの声ではないが曲にマッチしていたように思う。藤村は見せ場こそ少いが流石の存在感。この曲はテノールがキーだと思っているが十分責任をはたしたと思う。ピンチヒッターのバスはもう少し艶があれば…。
合唱はバランスも良かったがどうしても深みに欠ける。

中継のカメラが入っていたが、近所のカメラマンは譜めくり(台本?)の音がやや気になる。
それにしても、全曲放送ほしいものだ。