さまよえるオランダ人(神奈川県民ホール)

2016-03-19 | オペラ

びわ湖等との制作のオペラ今年は、「さまよえるオランダ人」。12年の「タンホイザー」と同じくハンペの演出。
プロジェクションマッピングによる舞台は眼を瞠るが、そこまで。「タンホイザー」同様いたって真っ当なものだったと思う。
幽霊船の船員はお愛嬌といったところか(サヴァリッシュの映画を思い出した)?
冒頭からわかりやすく、ありふれたオチはいただけない。

作品の好みということもおおいに影響しているのだが、声楽陣、オケともにどこかしっくこない。
エリックと舵手は逆だと思い込んでいたが違和感はあまり感じられなかった。


ツァグロゼク/読響

2016-03-17 | コンサート

なんでツァグロゼクでこのプロなんだ!
というのが発表時の印象。しかし、演奏会後はベートーヴェンが聴けて本当によかった。
ベートーヴェンしかも3番でこれだけ刺激的だったことはない。
ベンジャミン作品では、その指揮ぶりに圧倒?され耳が留守になりがち。コダーイでは、やはり管が優勢だったが、後半では弦が俄然雄弁となる。といっても音量だけではなく冒頭の低弦など一気に引き付けられた。
現音楽監督は独・墺系では今一つと感じることが多かっただけに充足感が高い。

来週昨年演奏された「トリスタン」が放送されるようだが、2回にわけて抜粋というのはいただけない。


クイケン:マタイ(3/6)

2016-03-06 | コンサート

会場を変えてよりシャープな仕上がり。どうやらこちらがオペラシティの音響になれていないらしい。

最近のバッハ演奏は本当に難しくなってしまっていてるがどう演奏されてもバッハはバッハなのであるがOVPPの録音を聴くことが多いようだ。この編成が正しいかどうかは専門家の判断にまかせるが美しさみたいなものはより際立つきがする。バッハが「死」を扱った際の音楽がどこか、甘美で仁和な微笑みをもつ大きな歩みのようなものを感じさせる状況を作り出せる技術が演奏者にも聴衆側にも整ってきたのだろうか?
古楽をほとんど聴かない時期があったのだが、その時期は奏者のみが楽しんでいるようにしか思われなかったこと、西欧流の合理主義と古楽復興が結びつかないこと、西洋の一地方の民族音楽を共通言語としての音楽的な扱いに対する疑問などが大きな理由だったと思うのだが。

最後の疑問と実際に演奏する音楽としてのバッハについては折り合いをつけられないでいる。