カンブルラン/読響 グレの歌

2019-03-15 | コンサート
カンブルランが任期最後の定期にグレを取り上げた。
精緻で流麗なグレを期待していたのだが美しさとともに力強さを備えたものだった。
管楽器はいつになくパワフルに響いたようにも思ったが音の洪水・カオスに陥ることはない。
特に3部は最後に女声合唱が入るだけの男声優位な曲ではあるのだが
女声陣の印象が強いというのがこの日の特徴だったのかもしれない。
硬く細いが決して弱くニコルズ、切々と紡いていくマーンケ。。。
とは言え強靭なオケを見事にかわすディーン・スミス。バッハなどで聴くのとは趣を異にするヘンシェル!
新国立劇場合唱団は3組12声の男声合唱はあの人数で演奏可能なことを実証した。

9年間に感謝。

一晩たってしまったがいまだに冷静になれていないらしい。。。

静と義経(3/2)

2019-03-02 | オペラ
花粉症なのか聴覚には不安があって午前中に耳鼻科へ行ってからの鑑賞。
初演から25年。それ程多くの三木作品を観てきたわけではないが再演を待ち望んでいた。


大船撮影所の総力を結集した(?)初演時と類似した舞台のようだが何せん間隔が開きすぎて判然としない。
凌辱の場を含め上品ですっきりとした観客の想像力を奪わない演出は最近の説明過多な演出とは一線を画す。
このオペラ最大(?)の謎、bad endなのかhappy endなのか今回の公演でも謎のまま残った。

敢えて古い言い回しを使っているであろう部分と現代的表現が混在しているように思えてならないのだが。。。


2幕冒頭にあった児童合唱と神楽(?)はカット。公演として納得であるが作風といった面はから残念な気がする。
静は3幕で静はの痛切な感情表出させたが、このアリアを含めて早口言葉となっていたように思うが気のせいだろうか。
清経は出番こそ少ないが人間性を求められる難しい役だと思うが初演時を彷彿とさせる秀演。
オーケストラは琴とチェロが会場を圧しての開幕から最後まで雄弁で明晰な演奏だったと思うが歌手が概して弱く感させたかもしれない。
日本オペラ協会の公演はおそらく初めてだと思う。聴き馴染んだ声はあまりないが日本語に対する不安はなかった。
また、オペラ合唱というと最近では初台の評判がいいがこの協会の合唱団も他所でも聴いてみたいと思った。

客層も新国立劇場や二期会とも異なっているようなのは興味深い。

再演が困難な状況はこれからもかわらないのだろうか。