カンブルラン/読響のマーラーの興奮冷め遣らぬなか、カーリュー・リヴァー。
隅田川に由来するこのオペラは、これまで何度も観る機会があったがそのほとんどが
能、歌舞伎、日本舞踊との対比の公演であった。今回も日本舞踊との公演。
さらに公演チケット購入後に気がついたのだがオペラは篠井英介と大沢健らによる舞踊がつく
(歌手は演技をしない)。
異なるジャンルの競演は興味深くはあるものの結果は概して芳しくない。結局折衷ということか。今回も演技を伴わないため歌手の負担は少なく充実した歌唱を聴くことができたと思うがだったら演奏会でいい。
舞踊は言語を伴わない。そのため身体表現のみに頼るのだが、若杉弘による定訳と言ってよさそうな(格調高いが古臭い)訳詩とともに観るといかにもくどいのである。作曲者がマスクとしていることからそうした具象的な舞台は望んでいたのかどうか。作曲の事情から仕方がないが教会3部作での公演を望む。
KAATははじめてであったが、基本PAを使うホールということをホール関係者から聞いていたが思ったよりはよかった(PAの使用は未確認)。