KAAT:カーリュー・リヴァー

2013-03-22 | オペラ

カンブルラン/読響のマーラーの興奮冷め遣らぬなか、カーリュー・リヴァー。
隅田川に由来するこのオペラは、これまで何度も観る機会があったがそのほとんどが
能、歌舞伎、日本舞踊との対比の公演であった。今回も日本舞踊との公演。
さらに公演チケット購入後に気がついたのだがオペラは篠井英介と大沢健らによる舞踊がつく
(歌手は演技をしない)。
異なるジャンルの競演は興味深くはあるものの結果は概して芳しくない。結局折衷ということか。今回も演技を伴わないため歌手の負担は少なく充実した歌唱を聴くことができたと思うがだったら演奏会でいい。
舞踊は言語を伴わない。そのため身体表現のみに頼るのだが、若杉弘による定訳と言ってよさそうな(格調高いが古臭い)訳詩とともに観るといかにもくどいのである。作曲者がマスクとしていることからそうした具象的な舞台は望んでいたのかどうか。作曲の事情から仕方がないが教会3部作での公演を望む。

KAATははじめてであったが、基本PAを使うホールということをホール関係者から聞いていたが思ったよりはよかった(PAの使用は未確認)。


ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家

2013-03-16 | アート・文化

先週のラファエロ、グレコ展に続き横浜美術館へ。
キャパの展覧会は何度か観てきたが人気は衰えない。
スクープ写真の謎の解明などの要因が大きいのだろう。
これまで「ゲルダの作品」が展示された事はない(たぶん)。
キャパとは二人で一人だったというのが真相だろうと思うのだが、

ゲルダの死により一人になってしまい、有名になりすぎた戦場カメラマンは引っ込みがつかなかったということだろうか。
一人になってからのキャパや「失業中」の写真や『ちょっとピンボケ』から受ける印象は二人の時代とは温度差があった。
戦場カメラマンというより子供写真家といったところだろうか。

朱色の壁に展示されたゲルダの写真のうちスペイン内戦時の写真は正方形の写真が並ぶ。
これはゲルダの使用カメラが二眼レフだったことによるらしいのだが正方形の写真が妙に新鮮。
ブローニーは仕事で使ったことがあるが、6x4.5、6x7、6x9だけだ。
ローライを手に入れるか。でも銀塩に戻るのか?フレーミングできるか?

ゲルダの展示そのものは興味深いものであったが、会場で販売されていた図録が図録というには物足りない。

Dsc_3119


オペラ研修所:カルディヤック

2013-03-02 | オペラ

カルディヤックが大変見事に上演された。
研修所公演ということで学芸会的雰囲気を想像される向きもあろうが、どこにも手抜きのない誠に立派な上演であった。在京のオペラ・カンパニーでもここまでの興行は困難であろう。歌手もこの日のメンバーに関しては最近の日本人歌手のレベルを感じさせるに十分。
最大の懸念は演出にあったが、今回も若干妄想中学生的部分もあったようにも感じたが回り舞台を使ってスピーディーな展開によって処理していた。途中休憩が入ったのが残念。

躊躇されている方は、是非新国へ足を運ばれることをお勧めします。
(当日券があることを確認してください)