荒川三歩

東京下町を自転車で散策しています。

今年の酉の市

2014年11月22日 | 散文
今年は二の酉迄である。
好天に誘われて、今年も出掛けた。

大変な人出である。向こうが見えない。
昨年は三の酉まであったので、人出が分散されていたのだが。

善男善女の列に並ばない。
お参りしない。

並んだら1時間以上は掛かりそう。
行列の脇をすり抜ける。

お守りは買わない。
店頭をすり抜ける。
信心深くない。

じゃあ、何しに来たの?とツッコミが入りそう。

目的は熊手屋である。

参道脇には有名どころ御用達の店があるが、目的地は1本裏の路地である。

路地といっても普段は何もない広っぱに屋台を並べて通路を作ったものであるが、奥の方がよりごちゃごちゃしていて、裸電球が灯って、お祭りらしく断然楽しい。
あちこちで、熊手お買い上げの客に対して、商売繁盛の口上と手拍子が賑々しく行われている。

熊手はそれぞれの店が趣向を凝らしているが、この熊手が今年一番の迫力だと思う。

お多福熊手の脇をすり抜ける。

輪の中心で、口上と手拍子の音頭を取っているのが、10数年来の馴染の店の若旦那である。
親父さんはここ数年、屋台の上にじっと座っているだけである。
若旦那は今日の0時からずっと立ちっぱなしで商売しているのだろう、随分疲れた顔をしている。

「どう、今年は?」
「天気がいい事もあってか、人出がいいね。景気が良くなったのか、会社関係の熊手がよく出るね」
「儲かっているの?」
「うん、去年より良いよ!」

お互い元気に過ごして、また来年会いましょう。

江戸の年末を呼ぶ風物詩酉の市が終わると、年末行事が本格的に始まる。
再来週はもう忘年会第一弾だ。
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