荒川三歩

東京下町を自転車で散策しています。

30年振りのお初天神

2014年11月01日 | 散文
大阪への出張ついでにお初天神を訪ねてみた。
30年位前、この近くで仕事をしていた時期があって懐かしい。
この通りをちょっと左に入った所に職場があった。

お初天神への入り口は沢山あって、右手にあるのもその一つである。

正面からの入り口には「露天神」との記載がある。
こちらの名前が正式名称である。

「お初天神」の呼び名の由来は後ほど分かります。

厳かに佇む本殿がある。

ちょっと大阪らしくない静かさである。

ここは近松門左衛門作「曽根崎心中」の舞台である。

だからか?
「恋人の聖地」との幟がある。

徳兵衛お初の絵もあって、芝居小屋の入り口の雰囲気がある。

この色使いは、やっぱり大阪らしい。
よく見ると、絵馬がハート型だ。

さて、本殿に向かって右手にも出入り口と言うか通路があって、呑み屋街に続いている。
よく呑み歩いた街である。

当然入って行く。

狭い場所に呑み屋がぎっしり並んでいる。

この近くで働いていた頃に聞いた話しだけど、戦争で焼け出された人が露天神の境内に住み着いたのが始まりとか。
その後ずっと住み着いて、居住権を勝ち得たらしい。

右手は、昔よく行った小料理屋である。

入口の戸が少し空いていたので覗いてみると適度に混んでいた。

この右手にあるのが夕霧そば瓢亭。
柚子の表皮を細かくおろし、石臼で挽いたそば粉に混ぜた香り豊かな変わりそばを出す。
生卵入りのつゆで食べる。

昔よく行った店であり、当然今回も入った。

洋食店やスナックも並んでいる。
ラブホテルもキャバレーも、何でもある呑み屋街である。

余り人出が無いように見えるが、まだ21時過ぎなので、今は店内で盛り上がっている時間である。
もう少しするとはしご酒が始まって、帰宅する人と混み合う。

昔よく行ったスナックへ行ってみたら、店があったビルそのものが無くなっていた。

30年振りだから想定の範囲内ではあるが、ちょっと寂しい。

露天神の境内は抜け道であり、通勤の近道でもある。

ビルの間の小さな通路を抜けると、

先ほどのお初天神通りに出る。


帰りを急ぐ人と、そぞろにもう一軒呑み所を探す人が居る。

今夜の宿泊先はこの先の左手、昔の職場の隣である。
まだ寝るには早いので、もう少し歩いてみる。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする