夏服と

夏服
梅雨入り
歩く小雨の道


染まる階段
傘はささずに
六月の雨は綺麗だから濡れて歩く


降り注ぐ光のシャワー
いつもの笑顔
ずっと在るものは、えにし


降り立ったら風が吹いて
そよそよ吹いて
夏服はひらめいて
細かな雨は、小さな隙間に溶けてった
僕の瞳も何処かの国へ溶けてった


夏服と
初夏の祝福
いつもの数倍それはやっぱり
不思議な宇宙
僕にとって、大切な

六月

綴りたいなら綴った方がいい
衝動というものは、思ってもいない時にふっとやってきて
六月の雨のように零れ出す


振り向いたら小さく振り上げて
頷いたら、波打つように緩やかに流れていく
僕らまだまだ足りてない
君は、もっともっと昇って行ける


この世界は、感謝するべきもので溢れているから
幸せが滴るその音に
静かな部屋で、たった今を書き記す
それを見届けるまで
永遠の赤い鳥が、幸せの青い鳥と一緒に
あの気高い雲に辿り着くまで