Catch the words

from Shizuoka/name is "slide"

二人

2007-06-30 | Weblog
許されるなら、一ヶ月ぐらいフラリと、一人でどっか遠くまで
行きたいよな。
行く前と行った後では、何が変わってるんだろうな?

一人で行っても、
たぶん、一人じゃないのかもしれない。
知らない町で、知らない景色を目にしても
君の影が、僕のどこかで一緒に景色を見てるような
そんな気がしてしまうんだろう。

でもまあ、その間、何かが変わってくれることを願う旅に
同行してるってことだから
君の影も
行く前と行った後で、影は形を変えてるかもしれない。

だから、一緒に行くかい?
どこでもいいから、僕の鞄でもポケットでも
好きなバショ選んで
ついておいで。

切符の代金は一人分。
旅の許可証は二人分。

遠い町へ行こう。

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あじさい

2007-06-30 | Weblog
紫の紫陽花が、暗い道端うつむいている。
そんな処でいいのかい?
せっかく咲いてるのにな。

と言って手を引いてやりたいが
この先ずっと、そこにいるんだろうな。
それが、紫と紫陽花のルール。

だから、とりあえず
その道を通る時は、気にしてみよう。
まだ咲いているか、葉は元気だろうか。
枯れていないか。

気にしていたら、紫も暗い道端で光り出す。

きっと誰か見てる。
だから、暗い場所でも、咲いていたらいいよ。

なんて、思いながら
信号が青になるのを待っていた。

信号は優しく、青に変わった。
そうか、信号は見てるかもな。
紫陽花のこと、気にしてるかもよ。

いろんな人生があるよな。

道端に、遠慮がちに紫色が、うつむいていた。



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一瞬

2007-06-30 | Weblog
僕はまだ、この椅子の上に。


半年というものは、長いのだろうか短いのだろうか。
まだ戸惑う僕は、正しいのだろうか、間違っているのだろうか。
当たり前のものがなくなるということは、世の常なのだろうか。
常なんだろうな。
多分、そう。

いつまでもある。
永遠というものは、あるようでいてないし、
ないようでいて、ある。
手を伸ばせば、永遠にもなっている。
その手は、自分にしか分からない。
僕自身にしか分からない。
手を伸ばし続ければ、そこに永遠はある?

何とか、順調に忘れていたと思っていたが、人の記憶というものは
なかなか精巧にできているらしい。
それは思ったより速くて、一瞬で通り過ぎる。
僕の記憶の中、走馬灯は長閑にまわって鮮明な映像を見せつける。
プラズマ並みだ。

もう、いいや。
急がなくても、時間は平等に僕らの中通っていくから
一瞬の映像だって、時間と一緒に行ってくれるよ。
肝心なのは、その瞬間を
『しょうがないなあ』って、すごすごと受け取ることかな。

少々、苦しいかもしれないけどね。
時間ってものは、結構気が利くんだ。
気さくなヤツ。

永遠ってのは、いつの間にか掌に乗っかってんのさ。
それを見ようとするかしないかは、僕次第。
半年なんてのは、一瞬だ。

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思い出

2007-06-30 | Weblog
思い出というものは、どんなタイミングでやって来るんだろう。
何の合図もなく、一瞬でやって来る。
『何で、今来る?』と、不可解な記憶の作動に、戸惑う。

まだなんだよな。
そう簡単には、おさまらない。
そよ風どころでなく、疾風のような思い出。
まだ生暖かくて、居心地がわるいらしく、しまわれる場所を
うねりながら探しているらしい。

うねってることを、愚鈍な僕は僕でまるで分かってないから
戸惑ってしまった。
そんな事態になってしまって、とりあえず
じっとしていた。
もしくは、そんな自分に眉を寄せる。

きょうだいは満月がきらいだと言う。
僕は、相変わらず、好きである。
だって、満月の思い出はひとつだけではない。
僕らの哀しい日は、そりゃ確かに満月の夜だったけど。

月をみると思い出すのは
哀しい記憶と、君の姿。

今日は、月を見て哀しかったのではない。
ただ、合図もせずにやって来た不作法な思い出のせいだ。
だって、月はいつだって、綺麗だろ?

思い出はいつも、突然だ。


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2007-06-30 | Weblog
ここ数年、この時期は何かしら、考えごとばかりしている。
春から夏・・・秋もかな。(一年中に近いね)
桜が咲き、若葉が茂って、山々の緑は濃く輝いていき、海は青く活気づいていく。
そんな頃に、僕はこっそりと空ばかり見て、堂々巡りの世の沙汰に
無駄に振り回されている。

桜の花は、散れば散るほど哀しいのだが
人に気付かれない様に平気なフリをしていたし、
町の花火大会はベランダで、はじける花を、じっと見送っていた。
歩道の赤い落ち葉は、かさかさと賑やかに音をたてるから
すぐにやってくる冬の気配ばかり、先取りさせた。

今年もまた濃い緑が、ますます濃くなって
僕はまだ空を見ている。
気付けば、携帯の中は空の写真でいっぱいで、
君宛のメールに使った空は、そのまま消さずにおいてある。

冬は、いつもなにごともなく平穏にすぎる。
君に会ったのも、冬だっけ。
冬は、何から何まで、白いんだな。
未来はいつも白いものだ。

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