Catch the words

from Shizuoka/name is "slide"

夏空

2008-08-26 | Weblog
夕立を見つめて思うのは
初恋の頃 休み時間の静かな廊下

夏草を見て思うのは
幼い頃の 真っ昼間の古い小路

花火を見て思うのは
橋桁で一人見ている 僕の雨

夏の空を見て思うのは
入り江に浮かぶ 僕の唄舟




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2008-08-21 | Weblog
世界中の、この星の住民の中
一人に一つずつ火が灯っていて

意識することもなく、気付くこともなく、触れることもなく
見ることもなく、聞くこともなく、吸うこともないけれど

生まれた瞬間から灯り続けて今そこで燃えてる小さな炎を
消さないように君自身もまだ知らない
目的のような使命のような苦しさにも似た
君だけの聖火

変わらず灯り続けていく永遠なのだから
君を君で信じて

そうしたら僕は君を信じてるし
ずっと君の炎を強い風で消えてしまわないようにと

今夜の月と一緒に
この手で包みたい





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僕ら

2008-08-15 | Weblog
昨日生まれた赤ん坊の名前も知らずに
赤ん坊の寝顔も見られずに

恋人の微笑み、柔らかい匂いも確かめられずに

母親の優しい言葉も聞けずに
太陽のような笑顔にも安心できずに

流れる雲を目で追って
追った先にその全てがあるんだと思い浮かべた兵隊たちがいたことを
忘れないで

極限の中で消えていった、僕らと変わらない
雲を眺めた、唄をうたった、冗談に笑った、人を好きになった
普通の男たちが いたってことをさ







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おばあちゃんのいえ

2008-08-09 | Weblog
に行くと、元々農家だったから敷地内には大きな納屋があり
中位の納屋があり、小さな小屋があり

どの中にも今は使われていない物たちがシーンと静まり返って
巨人の満員電車のようにひしめき
外は暑いのに、中は日も届かず別世界のようにヒンヤリしていた

小屋の向こうには手造りの池があり、中には金魚をはじめ
夏が近付くとオタマジャクシが生まれ蛙となって旅立っていった


秋田犬によく似た大きな犬がいて
池のそばには一本の夏蜜柑の木が立っていて
犬は夏になると、蜜柑の木の陰が『いつもの場所』になった
兎が飼われていたこともあったな


不思議と、今日のような戦争に関した日には
『おばあちゃんのいえ』を思い出すんだ

あの平和な映像のあっち側に
祖母に聞かされた悲しい出来事が転がっていると知ったからだと
思うんだ







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Can you ?

2008-08-06 | Weblog
天から降りて 大地から昇って
交わった地点からこの星を一周して


小さな国に巨大なきのこが立ちのぼった

おどけて舌を出す陽気な彼は、二通の手紙を書いた
きっと、深く長く苦しんだに違いない

科学者も化学者も、文学者も芸術家も
ブルジョアな人々も、僕をはじめ健やかなる市井の人々も

あの時代の悲しみを知っている人も
知らない人も

皆 同じ
背負ってる罪も
同じかもしれない


深く苦しんだかもしれない人々を
救ってあげられるのは
多分、若い僕らだ


明日を作れるのなら、昨日だって作れるのかもしれない
昨日が作れるのなら、今日は絶好の創造の日だ


天から降りてきた光を、濁すことなく空へ還して
閃光のように交わった地点からこの星を一周する間に

深く長く苦しんだ人々を
少しでも思おう

思うことから始まる
出来ないことはない







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