Catch the words

from Shizuoka/name is "slide"

2850

2013-05-31 | Weblog






五月もあと一日

2,850g、姉たちより大きく生まれ
名前は幾つかの候補の中から祖母が選んだと
子供の頃に幾度となく母が言っていた
生まれた日の思い出


梅雨入りして数日間、雨の日は続き
思い出は日一日と増えていく

昨日の雨が今日の花を生んで
今日の花は明日の葉を青々と茂らせる

生まれる前のその頃に
覚えていない筈の記憶の何処かで
もしかして会っていたのかも

なんて雨の中で思ったのは
雨が続く日がいつもより繊細に感じたから

出会いはいつもゆっくりのようで、
かと思えば突然で
目の前に現れる景色の、繰り返される綺麗な色彩に
揺れてばかり奪われてばかり

六月まであと一日

祖母に選んで貰った名前と一緒に
恵みの雨を受けるように
出会いを大事に、享受していきたい




















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星花畑

2013-05-28 | Weblog





与えるものもない
自慢できるものもない
これといって秀でるものものない
出来ることといえば、ただ傍にいることくらい
そんな、つまらないボク

泣いていたら寄り添って
笑っていたら一緒に笑う

目の前のことに精一杯で
時計の針に付いていけないこの身だけど

いつもの坂から見る星空と、星空に寄り添う街の灯りは
小さなダイヤモンドの振りをして優しく
『お疲れさま』と言っているみたい
もしかしたら、星光る花畑


そんな星たちの世界と一緒に
想っているよ、と微笑むのだ



















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肩越しの糸

2013-05-25 | Weblog






細い糸だったとしても
太い糸だったとしても
確かにそこに糸はある

きみの糸は強く熱い糸
紡ぐ音に喜びの揺らぎ
ぼくの糸は右の肩越し

昨日、今日と、幾つか嬉しいことが舞い降りて
心は街の中で望月前夜と一緒に夢を見た

目には見えない糸が
見上げた先にあった気がした
きみの肩に今日も幸せそうな光
乗っかっているように



















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to yourself

2013-05-23 | Weblog





制御することも難しいくらい綺麗な風景
紫蘭が咲いて思い出の花が咲いて
栴檀の群れは風と共に

姪っ子の涙が笑顔に変わる
何もしてやれなくて申し訳ない夜のこと
ゆっくり行けばいいんだよ
言ってあげられる程の甲斐性もないのだけれど


綺麗な風景を見渡したい階段の踊り場で
思い出の花は小さな太陽
若しくは、真昼の星空

きみの世界はきっと特別
その指の間からは、光の粒子が湧き出でて
背中に太陽背負ってる
そんな気がするから

だいじょうぶ、だいじょうぶ



















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音のよう

2013-05-22 | Weblog






やっと、水曜日
一週間で一番好きな曜日には友人に会う

火曜日の夜に、月下の茶畑でメールを打つ
会う約束をする
今日も疲れたとか失敗して落ち込んだとか
そんな大した内容でもないことをぼやいてから、月を見る

月はいつでも優しい姿
白い真珠の光の音のよう


似たような境遇、同じ頃に悲しんで、同じ頃にテレパシー
同じ服を選び申し合わせたようにバッタリと会う
自慢できないが、もちろん独身、そんなところまで一緒
もたれ合うこともないそんな友人

やっと、水曜日
いつもの場所でまた会っていつもの笑顔でホッとする
『あぁ、疲れた』
何だか僕ら滑稽だね、でも、これもまた喜びかも
そう言っていつもの場所で僕らの小さな日常を称えよう

茶畑の中を行く
音楽を聴きながら家路に着く
緑の波は夜の中で静かで何も言わず、やっぱりホッとする
家族と友人と音楽と同じくらい

君の存在もきっとそう














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