五月もあと一日
2,850g、姉たちより大きく生まれ
名前は幾つかの候補の中から祖母が選んだと
子供の頃に幾度となく母が言っていた
生まれた日の思い出
梅雨入りして数日間、雨の日は続き
思い出は日一日と増えていく
昨日の雨が今日の花を生んで
今日の花は明日の葉を青々と茂らせる
生まれる前のその頃に
覚えていない筈の記憶の何処かで
もしかして会っていたのかも
なんて雨の中で思ったのは
雨が続く日がいつもより繊細に感じたから
出会いはいつもゆっくりのようで、
かと思えば突然で
目の前に現れる景色の、繰り返される綺麗な色彩に
揺れてばかり奪われてばかり
六月まであと一日
祖母に選んで貰った名前と一緒に
恵みの雨を受けるように
出会いを大事に、享受していきたい