sakura

近所の小さな公園の夕暮れ空
随分成長した、歩道沿いの桜

すれ違うジョギングの男性は
黙々と公園を廻る

夕暮れの空が夕暮れの空でなくなる頃
点り始めた外灯の下を

男性も僕を気にしつつ
公園をあとにする

あの子供達はまだ 家に帰らないのだろうか？

何台かの自転車を照らす外灯は
徐々に光を増していく

夕暮れ空が夜空にかわった
夜空は子供達を家に送り届けて

明日、朝の空を平等に与える

ある。

アルデンテの中に詰め込んだ幸

アルペジオの向こうに架かった虹

アルカディアの彼方に広がる海


ある夜に浮かべた、恋の泡

歩きながら数えた、君との空

桜

桜が咲くと
僕は必ず思い出す景色がある

まだ影も形もない
新しい季節の中に入っていくその入り口で

声も名前も顔もよく知らない人々の隣で
使い古された机と椅子を確かめて

窓の外の、儚げで華やかな姿と一緒に
これから始まる一年を

眺めていた景色
あの頃の僕が見た
桜

Sweet

You smile.
The setting sun is surrounding us.


Where do you go to ?

風光

陽の光に当たっていたい
雨に打たれていたい

流れにまかせていたい
波にたゆたっていたい

過剰な自己主張はしたくない

雲と一緒に空の向こうまで飛んでいきたい
君と一緒に空の向こうで、風に吹かれていたい