回転

夜空に赤い三日月がいた夜に、満開の優しい花が喜んでいたような



橋を渡って
ビルは高く窓は一つ一つが小さく、あの中に
何人の人がいてどんな物語が潜んでいるのだろうと見上げた街
多分、君も、僕も、町行く人も、ビルの中の人も
それぞれの物語の一人であって
主人公であり脇役であり、サウンドトラックのレコードが廻る
落とした針の先の世界を瞬き紡いでる



夜空に小さな星が輝いていた夜に、僕は僕だけの合図で願いを掛けた

聴きたいんだその音を
願うのだ、その世界を
胸が躍動する様な、光の回転を