無線室

無線通信、特に受信に関する考察、実験、感想などを‥‥。

3号線区デジタル化‥‥ではなかった?!

2009-05-14 08:51:19 | 鉄道無線
 前回、一時停波していた3号線区のデジタル波が復活したことをお知らせしました。しかし、これが間違いであることが発覚したのです。
 きっかけは、前回の記事にコメントをいただいたspsさんからの情報。これによると、西国分寺駅でデジタル波を受信したそうです。その周波数は、以下の3波となります。
352.56250
352.65000
352.66875
※周波数はMHz。

 いずれも基地局の周波数です。spsさんは、西国分寺駅そばにある武蔵野線の小平トンネルに入るとデジタル波が受信できなくなったことから、中央線の電波と推察したようです。そこで、私も裏を取るべく別の場所で受信を試みました。
 私が最初に受信したのは、水道橋。ここでは、以下の周波数でデジタル波をキャッチできました。
352.56250
352.65000
352.66250
※周波数はMHz。

 これもすべて基地局の周波数ですが、352.65000MHzだけは0.7秒に1回電波が途切れます。その後、飯田橋、中野、荻窪と移動しましたが、やはり水道橋で受信できた周波数でデジタル波を確認しました。
 spsさんは352.66875MHzで受信できたようですが、これはどうも352.66250MHzのようです。ナローFMでの受信だと、6.25kHzステップでの周波数の確定が困難に。spsさん自身も、隣接周波数にかぶりまくりで不正確であることをおっしゃっています。いずれにせよ、これら周波数は中央快速線のデジタル波だったようです。

 ただ、中央快速線は4号線区。ちなみに、4号線区はA/Bタイプ2ch区間のうち、以下の区間が該当します。

宇都宮線上野~黒磯
中央快速線東京~甲府
総武線千葉~佐倉
成田線佐倉~成田空港
我孫子~成田
武蔵野線新鶴見~府中本町
新松戸~西船橋
東海道貨物線鶴見~大船

 前回「3号線区デジタル波復活」としてお伝えした電波は巣鴨付近で受信していたので、本当は宇都宮線のデジタル波を受信していたのです。実は、巣鴨には山手線と山手貨物線の基地局が設置されているのですが、その割には電波が弱かったのが気になっていました。これに加えspsさんからの情報、さら私自身の受信報告にを総合すると、上記周波数は4号線区の試験電波と結論づけられるのです。

 ただし、気になるのは「3号線区よりも先に4号線区がデジタル化するのか?」ということ。結論からすると、それはあり得ないでしょう。
 今回の4号線区のデジタル波は、本来のスケジュールでは予定通りなのかもしれません。というのも、元々5月は3号線区がデジタル化しているので、設置が終わった基地局の調整のため試験電波を発射してしかるべき時期なのです。
 ところが、3号線区のデジタル運用開始直前に免許申請の不備が発覚。予定なら4月26日にはデジタル化していたはずなのに、今もってデジタル運用を開始することができないのです。
 それでも、4号線区以降のスケジュールに影響を与えないようにしなければなりません。周波数の捻出ができないため、4号線区の基地局は予定していた周波数ではなく、3号線区の周波数でとりあえず試験電波を発射していると考えられます。

 今後も、デジタル化の動向に注意を払う必要がありそうですね。