アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

「源氏物語」本当の面白さ

2019年12月20日 | 生活
ここんとこしばらく、通勤電車内では田辺聖子版の源氏物語を読んでいて、それはそれは昔よりずっとわくわくおもしろくて、

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特に後半ですね。若いころはダレたあたり(笑) 須磨から京に戻ってきて大きな屋敷に女人たち集めて、地位といい経済力といい盤石な光源氏がいて、暇だからいろんなイベントやってる…屋敷内を流れる川に船を浮かべて美しい女房たちを乗せて、中宮エリアから紫の上エリアに遊びに来させるとか、お香の調合させて比べるとか、優れた絵を集めてとか、もろもろ。

そういうゴージャスで、かつ恋愛的にはどうでもいいようなところ、なんかいいんだよね今読むと。

で、なぜいきなり今、源氏がマイブームになったのかというと、
「誰も教えてくれなかった『源氏物語』本当の面白さ(林真理子×山本淳子)」
という本が「発掘」されたから。

前に、買ってたぶん冒頭くらい読んだらしいけどストップしちゃって、そのまま埋もれていたものが、例のこんまり流片づけをしたときの地殻変動で表に現れてきた。化石というほど古くはないけど2008年の本です。

これは、マリコさんが源氏を元ネタにした小説書くために、平安文学研究者の山本さんにいろいろ教えてもらっていたところ、これは面白いから対談も本にしちゃえみたいな、そういう本です。

源氏物語がエポックメーキングな傑作だということは聞き知っていても、どう新しかったのかはよくわかってなかった。この本を読んで改めて「おぉ!!」と思ったので、田辺源氏を読み返してさらに「おぉ~!!」と思ったということなのです(←今ココ)。

「物語」というものが源氏より前になかったわけではない、たとえば竹取物語とかね。でも、源氏物語がそれまでのものと一線を画しているのはまず、始まりが
「今は昔…」
じゃないということ。
「いづれの御時にか…」
つまり、過去に実際あったことの書き方になっている。そして中身も、月に飛んでいくようなファンタジーではなくて、あくまでリアルな出来事を書いていく。

それと、作者の存在。「源氏物語」を書いたのは誰? って「紫式部」。これは、読んだことなくてもみんな知ってる。もちろん、これは名前ではないけれど、とにかくそういう作者がいたということですね。なんとなく語り継がれてきて自然発生的にいろんなバージョンがあるとかではなくて。

物語はそれまで、くだらない、女子供が楽しむものというポジションだったところ、トップの地位にある男性(藤原公任、一条天皇、藤原道長とか)も熱心な読者になった(というようなことが紫式部日記には記されている)。

もちろん長さもそれまでの物語から考えたら破格であった。ワープロが使える時代の小説で考えてもかなり長いほうだけど、当時は紙も貴重品なので考えてみればすごいことである。だから、無名だった紫式部がいきなり全巻書き上げたのではなくて、一部を短編として書いたものが、評判になったあと、長編小説として構想しなおしたっぽい。

「源氏物語」の前に(このように本格的な)物語なく、「源氏物語」の後にこれの影響を受けない物語はない。

バッハが「音楽の父」といわれるくらいの節目といってもいい。

「誰も教えてくれなかった『源氏物語』本当の面白さ(林真理子×山本淳子)」には、そういった「源氏物語」の位置づけと、読むにあたって役立つもろもろ(社会階層、男女のお付き合い、など)が詰まっていて、これを読んでから源氏物語を読むとずっとおもしろくなる。

しかしそうやっておもしろく読んだのは真理子源氏じゃないのだが…真理子さんのも読んでみるか…
(えっまだ続くの!?) ←そのうちね

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コメント (2)
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