アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

藝大生協では、指揮棒もガスマスクも売っている。

2016年10月31日 | 生活
待ち合わせよりちょい早く駅についたときに時間つぶしで本屋さんに寄ると…

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こういうの危ないんだよね。はい、予定になく何の必要性もないものお買い上げ~
今回は
「最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常」(二宮敦人)
となりました。やっちまったぜ。

でもものすごくおもしろかったんで後悔はしてないよ。まだ読み切ってないけど。

私もそうだけどピアノ好きな人は、東京藝大の卒業生を何人か知っててもそれがみんな音楽の人だったりしませんか? けどあそこは音楽と美術が合わさっているところがミソで、そういう場って日本全国の中でもそんなに多いわけじゃないですよね…あぁでも私も藝大祭行ったとき、美術のエリアに入らずに帰ってきちゃった。

右側(音楽)キャンパスと左側(美術)キャンパスに入るのと、ぜんぜん雰囲気も違えば人種も違う。ちょっと考えるだけでも
金持ち度: 高い vs 低い
おしゃれ度: 高い vs 低い
浪人: 少ない vs 多い
DIY度: 低い vs 高い
セキュリティ: 高い vs 低い

どっちがどっちかは解説不要ですね。幼いころから親が本気でなければなかなかいけないのが音楽。途中から本人がなんだかそうなっちゃうのが美術。

この本の著者は、奥さんが藝大生(の美術のほう)で、そのびっくりな生態に触れるうちにこんな本を書きたくなってしまったらしいのだけど、そうすると「いい板もらった」→「テーブル作っちゃう」みたいな感じで。ちなみにタイトルに入れた「ガスマスク」ってのは、有毒ガスが出る樹脂系製作とかに欠かせない物品(しかも消耗品)なのでもちろん生協に売ってるというわけです。(指揮棒も消耗品?)

一方、ピアノの人は「洗い物はしたことがありません」とか「仕送りは月50万(!)」とかすげー
…もちろんそんな人ばっかりではないでしょうけどね。

藝大が、東大もまっつぁおな超難関大(たぶん日本一?)なのは言うまでもありませんが、そんなところなのに入ったからといって一生の職業が安泰なわけでもなんでもないところが。。ところで音楽と美術とどっちが経済的にヤバイんでしょうか。

入るのが難しいんで、美術のほうは何年も浪人してる人が珍しくないし、別の美大にいったん入る仮面浪人もあります。一方、音楽はそんなに浪人する人はいませんね。しても一年とか。音楽のほうは何年も浪人すれば入れるとも限らない(ほんとに実力ある人ならよほどの失敗がない限り初回で入れる)でしょう。美術のほうがもう少し運や経験にも左右され、何年も浪人する意味があるのかもしれません。

本の中には、入試の模様なんかも出てきて、「人を描きなさい。(時間: 二日間)」とか、そこには東大入試にはもちろん藝大の音楽入試にもない過酷な世界が(一方、5分の演奏で自分をアピールしなきゃいけないのも過酷か?)

著者の奥さんが美術系なのでそっちに偏った内容なのかと思ったらそうではなくて、かなりいろんな人のインタビューで構成されてます。

それを読んでるうちに、音楽と美術が違う人種なだけではなくて、その中にさらに細かく分かれて別世界が展開されていること、そしてそのうえで全体がゆるくつながって…変人の世界が構成されている…あいや…

税金投入してこんな魑魅魍魎の巣を維持している間は日本大丈夫なんとかなるんじゃね? って気がしました。

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「指が回らないから弾けない」のか?

2016年10月30日 | ピアノ
24調縛りで担当することになった変ロ短調、弾こうと思っている
ショパン マズルカ第17番変ロ短調 Op.24-4
はもちろん名曲中の名曲ですが…

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もう一個組み合わせる短めの曲を何にするか考えたときに、同じくショパンの24の前奏曲集から変ロ短調!! 16番を弾けたら素敵だなと。

「緩急」でバランスも良いですし、短くて飽きないし、単独の曲でたまたま(?)変ロ短調だったものからひとつ、全調コンプリート曲集からひとつというところも良い。


私はしばしば、実力オーバー曲に挑戦しますが、たとえばフォーレのノクターン四番とか、今やってるブラームスのバイオリンソナタ第一番一楽章とかね、それらは確かに難しい曲ではあるけど、楽譜真っ黒系ではない。「ちょっぱや」ではないですね。曲調としてはむしろゆったりしている。けど立て込んでいてややこしく、指をそのように動かすのは難しいんだけど、指を動かす速さが追い付かないのではなくて、音の幅に合わせて指を開く(あるいは飛ぶ)ことの難しさというか。

それで、速すぎて指が回らないから難しいというような曲は今までほとんど挑戦したことがないのですが。

そういえば、ショパンエチュードのエオリアンハープ。あれは、弾く前、「速すぎて指が回らない曲」なのかと思っていたら、弾いてみたらば案外そうじゃなかったです。難しいのはそこじゃない。どのくらいの速さで弾きたいかにもよりますが、私の好みからいえば、練習したあとの自分の演奏で不満な部分は「速さ」ではありませんでした。

それに対して、ショパン24の前奏曲集で「8の倍数は無理」とよく言われる8番、16番、24番はもっと純粋に「速すぎるから指が回らなくて弾けない」というものであるように見えます。

でもほんとうに、問題なのは指の運動神経なんでしょうか?

前奏曲16番の冒頭はこんなですが:

試しに、16分音符の一拍分(四個)の音をよく見て、何度か弾いてみて一番無理のない手のポジションや指の動きを確かめ、その四つだけ速く弾いてみますと、ふだん自分が曲を弾いてるときにはありえないくらい速く弾けます。音符四個だけ。これは簡単です。

次の四個も同じように弾いてみます。簡単です。

次に、さっきの四個に続けて、次の四個の一個目をつなげるようにして弾いてみます。音符五個。
一群目の四個目に続けて、二群目の四個を続けるのもやってみましょうか。音符五個。

それでは最後に音符八個をつなげてみましょう。

こんな調子で、一小節だけ練習してみますと、(右手だけですが)ずいぶんな速さで弾けます。プロがこの曲弾いてるのと比べるとやっぱりやや遅いような気がしますが(私の場合は、です)、まぁこの速さを維持して最後まで行けるんなら十分聞ける演奏になりそうです。

つまり何をいいたいかというと、この曲が弾けないのは、純粋に「指の回り方」の問題ではなくてもうちょっとアタマの…
どちらかというと頭の回転とか、記憶力とか、要するにこれだけの音符の分を頭の中によーく整理された状態で取り込んで
超速で再生・維持できるかどうかという、
脳トレの問題だと思います。

「指がよく回る」って話だと、よく言われるように11歳~15歳くらいに指の体操をしていたかというのが効きますから、このトシになってというのはかなり望み薄ですが、脳トレの話であれば、まぁ若い子のようなスピードで向上はしないにしても、やれば徐々に進歩しますね。

だから、いわゆる「指が回らなくて弾けない曲」だからといって、絶対あきらめなきゃいけないってことでもないかもしれません。

とはいえ、その「脳トレ(?)」にえらく手間と時間がかかりそうですし、それを押して「楽譜が黒い」ジャンルに取り組みたいのかどうか…すべては自分次第ということなのでしょう。私は~…どうするのかな(^^;;

(ところでこの曲、さすがに「暗譜してなきゃ弾けない曲」ですね。楽譜をおいとくかどうかはともかく)

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心をこめて刻みます(弦楽四重奏2ndVn)

2016年10月28日 | バイオリン
昨日はボロディン弦楽四重奏の練習でした。

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前にやったことのある弦楽四重奏というと、モーツァルトのアイネクライネナハトムジーク。それとボロディンの違いはというと、美しい(そして難しい)旋律でチェロ・ヴィオラが主役になるところがけっこうあること、そして転調やらなんやらややこしいこと。

だいたい、素人が弦楽四重奏をやるというのはほんとうに至難の業で、まず、メンバーを探さないといけないでしょ…
・バイオリン二人、ヴィオラ一人、チェロ一人。そこそこ実力の釣り合う(少なくとも、折り合う)メンバーを揃えるところがまず第一の難関。
・練習の確保。だいたい、弦楽四重奏やろうなんて人は相当積極的に趣味の音楽に関わってる人なので、アマオケやらオフ会やらランチやら飲み会やら(笑)そりゃあ忙しい。その、それぞれバラバラに忙しい中を縫って、都合合わせるのがたいへん。
・相性。四人が、選曲やら練習頻度やら練習内容やら、表現の方針やらそこそこ合意していくためには、性格的な相性ももちろん、音楽の好み的にも合ってないと成立しない。
・ある程度リーダーシップを取る人がいないと、練習日時と場所の設定から練習の進行から、うまくいかないわけだけど、リーダーシップを取りたい人が複数いてその方針がバラバラだとそれも困る。

ということで、弦楽四重奏を楽しめるってのはほぼ奇跡に近いんですよ。今回は、きーちゃんさんが絶妙な人選センスを持ってこの奇跡のボロディン弦楽四重奏団(?)を成り立たせてくれたわけです。

といっても、楽器としては明らかに私が一番下手なんで、危ういバランスですけど…

前にボロディン一回やってますから(そのときは指導者ありのレッスン形式で)、曲が把握できてて、明白に足をひっぱってしまうシーン(要するに、「落ちる」)ことが少ないのと、音を並べるということについて一番簡単なのが2ndバイオリンであることで、なんとかかんとか!?

そうなんです、2ndバイオリンというのは、表に出るところが一番少なくて、いわゆる「刻んでる」ことが多いんです。音の並びとしては単純で、同音連打が果てしなーく続いたりするんです。これはこれで危険(^^;;で、数えるのが飛んじゃうと「私はどこ」になりますけどね…数えなくても周囲を聞いて把握できるようになっておけばだいたい安心です(そしてきっかけとしてあてにしてたパートがコケると一緒にコケる-笑)

ただ、この「刻む」というシーン、音が簡単だからといって甘くみると痛い目にあいます。

昨日は、録音をしてみんなで聞いてみるってのをやったので、これはいろんな発見があります…

「刻む」パートは、主役ではないんですが全体の響きや進行を支える役目がありますので案外重要です。
刻む人が「とりあえず合ってるからいいっしょ」って感じでテキトーに弾いてると響きもまとまりません(^^;;

刻むときに、
正確な音程とリズム、テンポ、そして最適な音量
を細心の注意を持って守りつつ、全体の響きを聴きつつ、心をこめて弾ければ、全体の響きもぐっと良くなります。

「おぉ、なかなかいいじゃん」という瞬間が生まれるんです。素人四重奏団でも。

ただ、私の場合、そういう集中力が続かないとか、技術不足とか、もろもろの問題からときどきしかそれができてないので、んーーーなんだかなという感じになります。

特にここしばらくは、そもそもバイオリンをほとんど弾いていませんから、バイオリンを弾くときに必要な筋肉が衰えているようで、すぐくたびれてしまうんです。筋肉の問題だけではなくて、まともな音を出そうとする気持ちを保持するところもやっぱりふだんやってないと錆びつくらしく、それも含めて持続力がなくなるようです。

一方、重音をパッと取るとか、音階を弾くとか、そういう「左手で弦のどこを押さえるか」ということに関しては、間があいたから下手になるというものでもないようです。むしろ、一か月に一回しかバイオリンを触らなくても、微妙に向上していきます。ボロディンの中では、重音の刻みが多くて、これはけっこう悩みのタネだったのですが、昨日はあまり迷わずに取れることが多く(といってもまだ下手だけどね)、自分でもちょっと驚きました。

で、そういうことは良くても、やはり継続して弾いていないと、一曲ずっと自分のベストを維持することができないというわけです。

この四重奏団、12月のエスプリ発表会で演奏する予定なので、とりあえず宣言…11月の「ばんたの」が済んだらバイオリン弾く!! 奇跡のメンバーに恵まれた幸せを活かさないとね。

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あの曲どの調!? の選曲祭り

2016年10月27日 | ピアノ
ふだん聞く曲や弾く曲、何調なのかそんなに意識してないから、いざ選曲のときけっこう焦りましたよ~

   にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ←全調並ぶ大練習会。楽しみです(^^)

テーマ限定イベント、ふだんはたとえば「寒い」とか「ベトソナ」とか「日本」とか、そうやって制限をつけてそれに縛られて(笑)選曲するのを楽しむ会なわけですが、先日募集があったのはなんと「24調縛り」。なにそれ? どの曲も24の調のどれかなんだから何でもよくって、それ、縛ってないんじゃ??

ところがですね、確かに会全体としては何でもありといえますが、24人が参加してそれぞれの担当調の曲を弾く会なんです。だから担当調を決めるところが大問題で…参加決めた人が第一~第三希望まで調を宣言して早いもの勝ちで決めていくことになっていたんですが、

たまたまその宣言解禁の時刻に、電車の中にいたもんですから、スマホであたふたやってるうちに、おそらくですが「2秒」くらい逃して、10番くらいになってしまいました。

ちなみに、私の出した希望はこんな感じ:
希望調:①イ短調  ②嬰ハ短調 ③変ロ短調

これはそれぞれ
モーツァルト ロンド イ短調 K.511
ブラームス 3つの間奏曲第三番嬰ハ短調 Op.117-3
ショパン マズルカ第17番変ロ短調 Op.24-4
を想定したものです。なんでモーツァルトのロンドが真っ先に浮かんだかといいますと、半音階と転調が多用される不思議な一曲が、「調」をテーマにしたこの会にふさわしいかなという思いつきです。

でも私より前の人ですぐイ短調は埋まったのが見えまして、それから嬰ハ短調も変ロ短調も書いてる人が前にいるのは見えたんですが、それは第一志望に書かれたものではなかったのでことによっては「無事」かも? 狭いスマホ画面と混んでる電車と記憶力の弱い頭では第三希望が通ってるのかどうかよくわからず…

というか、通ってないとしたら次の希望を出したいのですが、現状どこの調が空いてるのかわからないし、それがわかっててもさっとその調の曲が思いつかない(^^;;

ということでそのまま家に帰って落ち着いてみたら第三希望OKでした(^^) なのでショパンですよ。変ロ短調ってショパンな感じしません?? ピアノソナタ2番とかノクターン1番とか。それにしても、イ短調はともかく嬰ハ短調とか変ロ短調とかなるべく変な(?)調書いたのにけっこうみんな書いてたわ~

ちなみに、最後まで残った調は「変ホ短調(or嬰ニ短調)」でした。確かに曲が少ないような…

でもラフマニノフのエレジーがこれでした。昔弾いたのに記憶になかったわ。

ところで、調といえば「全調コンプリート」ものの曲集ってあるじゃないですか。あの中にはどの調であれ曲が入ってることは確定なんだから、詰まったらそこから探せばよさそうなもんだけど、これが…アルカンのエスキス、バッハ平均律、ショパン24の前奏曲、いずれも難しすぎる曲が含まれてるもんだから全調有効なわけじゃないのよね。

ショパン マズルカ第17番変ロ短調 Op.24-4

は5分ちょっとの曲だから、これと何か短い曲を組み合わせたいなと思ってショパン24の前奏曲の楽譜を見たら…!!

変ロ短調は16番だったorz
(この曲集、8の倍数はどもならんという、あの噂の16番)

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ソリスト同士、丁々発止のブラームスバイオリンソナタ

2016年10月26日 | ピアノ
神尾真由子さんを最初に見かけたのはテレビ番組で特集されたとき(過去記事:「曲の流れと「パン食い競争」」)。

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そのときから、おもしろいバイオリニストだなと思ってたんだけど、昨日初めてコンサートを聞きに行きました。

いつの間にかすっかり大人になってた神尾さんは、チャイコフスキーコンクールの同期(?)、神尾さんがバイオリン部門一位になったときに、ピアノ部門で最高位(一位なし)をとったミロスラフ・クルティシェフさんと結婚していて、夫婦デュオをやってるのだった。

ミロスラフ・クルティシェフ…何度聞いてもこの名前覚えられないよ(^^;; 日本人には(名前で)ウケが悪いかも…

いやそんなことはどうでもいいのだが、この方はもちろんだけど「伴奏ピアニスト」を目指していたわけではなくてばりばりソリスト志向だっただろうし、根っからソリストの二人がいっしょになっていきなり夫婦だからデュオをしようったってうまくいったりいかなかったりするだろうねぇ。

というか、結婚してからのテレビ番組で見たときには二人がずいぶんと喧々諤々やりあっている(というよりどちらかというと神尾さんが一方的に主張している?)ようなところが写っていた。まぁテレビのまとめ方がどんだけ実態に合ってるかなんてアヤシイもんだけど、それにしたってそんな簡単な話じゃないやね。

というわけでどんなデュオなんだろ~と興味津々で聞いてましたが、ほんと!! 両者一歩も譲らずガチンコのデュオでした。

元々、バイオリンソナタってのは、「バイオリン」とついてるけれどもそれはもう一方はピアノがデフォだからいちいち言っていないだけで、立場は対等で掛け合い(それも複雑なやつ)をやるってことですよね。それでも実際は、バイオリニストが有名でピアニストがさほどでない、という組み合わせはよくあるだろうし(その逆はあんまりなさそう)、バイオリンが表に立ってピアノが支えてるように聞こえることも多いと思うんだけど(別にそういう立場のピアノの価値が低いとか簡単だとかいう話ではまったくない)、この場合はいろんな意味でほんとに対等。

しかも遠慮なし。そしてお互いイイタイコト全部言ったあげくに息はぴったり。

ということでたいへん魅力的なデュオでした。

曲目は、ブラームスのバイオリンソナタ第一番から第三番までコンプリート。

なにしろその「とっぱな」が今練習中の!! 「雨の歌」一楽章だから息をするのも忘れて食い入るように聞きましたよ。

…めちゃくちゃよかったぁ(*^o^*)
ふだん聞いてる、パールマン+バレンボイム(←おじさんコンビ)もいいんだけど、もっと細部まで生き生きしてメリハリがある感じ。

それにしても、ブラームス、聴けば聴くほど名曲です。複雑にひっからまっててどこをとっても美しくって。

こんな曲を、「なんちゃって」ではあってもとにもかくにも演奏させてもらえるというのはなんと幸せなことか…と思うともっと練習してなんとかしなくちゃーマズルカばっかりにかまけてる場合ではない。

それで神尾さんのバイオリンだけど、音色がなんか独特で引き込まれる。千住真理子さんの音も「ざらざら」感があって気持ちに入り込んでくる音だけど、神尾さんの音も純粋ではなくいろんな混じり物があってそれが何かを伝えている感じ。でも二人ぜんぜん違うのよ。

ピアノだって、同じ楽器を同じ日に二人のピアニストが弾いても違う音色になるわけだけど、
バイオリンの音色の違いというのはそれよりずっと大きい。もちろんこの場合楽器も違うんだけどそれだけの問題ではない。

「どんなバイオリニストか」ということの中で音色が占めている割合というのはかなり大きい。
「どんなピアニストか」ということの中で音色が占めている割合というのも決して小さくないんだけど…たぶんバイオリンの場合はそれよりも大きい。

コンサートきてよかった!! 曲も演奏も素晴らしい!!
こってりたっぷりブラームスのバイオリンソナタ、三曲とも弾くなんて大変なことだと思いますが…

そのあとさらにアンコール。なんと三曲!! しかもそのラインナップが


さらにブラームス~しかも難曲

余力ありすぎでしょ!! と思ったところへ
妖精のナントカはさらにすごくて、超絶技巧ぜんぶ(*)盛りましたオレすげ~みたいな曲で(バッジーニ?? 誰それ)
それをまた軽々とクリアに弾きまくり、

仕上げはしっとりとアンコール三曲目。

拍手にこたえながら仲良さそうな二人(^^) 若いってすばらしい(何)


(*)弓飛ばし、超高音、重音、左手ピチカート、フラジオなど。ウィキペディアによれば「主題は冒頭の16分音符4つと8分音符6つのものだけであり、最後まで使い回され他の内容は全くない。ピアノ伴奏は至って単純でひたすらヴァイオリン演奏技巧を見せ付けるためだけの作品である。それだけに演奏効果は抜群である。」(笑)バッジーニさんの作曲でほかに知られてるものは残ってないらしい。パールマンによる演奏動画

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