アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

楽譜「白い系」と「黒い系」の曲

2016年08月31日 | ピアノ
レイトスターターだったり、再開組だったり、とかく「お指の都合」がありすぎる場合は楽譜まっくろ系の(音符密度が高い)曲は嘘にでも弾いてみることができず、白い系の曲をあれこれ探すことになりますが…

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白けりゃ白いで簡単ともいえず、たとえばトロイメライとか(-_-;;
間がもたないっていうかサマにならないっていうか。

まぁお指の都合がつく範囲でなるべくタカタカ音符が並んでいるような曲が無難っちゃ無難なんですよね。

アマチュアが集うピアノサークルでも、それぞれのレベルにおいて、黒い系が得意な人と白い系が得意な人に分かれるような気がします。

プロならばどちらが好きとかしのごの言ってないでどっちも弾けなきゃいけないでしょうけど(^^;; でも、ある程度好き嫌いはあるものなのかな? 昨日行ったコンサートでも、黒い系に自信のありそうな選曲をした方と、白い系に自信のありそうな選曲をした方がいました。

でも、お目当てのMegumiさんはトリで登場して、リスト二曲…ゆったり(白い)系の「愛の夢-3つの夜想曲」より第三番と、巡礼の年第一年「スイス」より嵐(夕立)とのことで、

これは白黒がっつり両方並べて真っ向聞いてもらおうという選曲です。よく知られている(耳タコ)曲、あまり知られていない曲という対比でもあります。

最初は「白」から始まって、それですぐ思ったのが、旋律の歌い方です。旋律がくっきり聞こえていないともごもごしちゃうし、かといって叩いたら(この甘くやさしい曲が)台無しなんですけど、とても深みのある音色でしっかり聞こえて、心に伝わる旋律でした。

ただおそらく常ならぬ緊張をされていたようで、「えっそこで?」というミスがあり、私は別にふだんあら捜しをするような鑑賞をしていませんけど、昨日はどうしたわけだか(初めてお会いするのに!!)とてもとてもMegumiさんを応援する気持ちで聴いていたもので、逆に心臓がばくばくしてしまって、表現に十分入り込む前に曲が終わってしまいました。あっ、なんだかとても素敵なところもあったのに、しまった、みたいな。
(Megumiさんのブログについたコメントを見るに、ふつーに聞いてりゃ気づかずに済んだようです。流れを止めたわけじゃないので)

次の曲「嵐」は知らない曲で(予習していこうと思っていたけどバタバタしていてそのまま)、でもリストだけに音符てんこもりの真っ黒系。黒い曲は弾くだけでもエライとは思いますが(私には一生弾けないしね)、実は私、黒い系の曲を聞くのあんまり好きというか得意ではないんです。ごちゃごちゃしていてわかりにくいとかなんかすごいとは思うけど心に響かないとか、うるさいとか。

でもMegumiさんの弾き方が、なんというか「黒つぶれ」していなくてクリアで立体的で、はっとするほど「休符」が美しい…休みってそりゃ無音部分なんでそれが美しいとか変な話ですがなんかそう思ったんです。休みって音楽は続いているのだしいろんな休符があるんですよね(と、前回のレッスンで言われたばっかり) 後半さらにノッてきて迫力をもって弾ききったときは客席大興奮でした。

というわけでやっぱり聞きに行ってよかった(^-^) (黒い系の曲を私好みに弾いてくれる人はそんなに多くない)


とは思うんだけど、こういうコンサートのフォーマット(業者さんが参加者を複数募って参加費とチケ代の両方で成り立つコンサート)というものについてはやっぱりちょっと思うところもあります(正直かなりビミョーな演奏もあったし)。その話は別記事で。

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「やっぱりグランド」までの横道あれこれ

2016年08月30日 | ピアノ
ピアノ貯金を始めたときのイメージは、アップライトピアノの置き換え(ヤマハ→ベヒシュタイン)だったので、問題点は金銭的なことだけであって、非常にシンプル。

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近いうちに問題なく実現できるものと思われたが、コトはそう単純には運ばなかった。

家にはヤマハアップライトのほかにクラビノーバがあって、これは元々うちの子たちにピアノを教えにきてくれる先生が、レッスンをする条件としてデジピ導入を提示したため。我が家には子どもが三人もいるのに、ちゃんと練習してクラシックを弾く人材はひとりもおらず(^^;; リズム遊びやコード奏、弾きたいアニソンがあればそれにつきあったりというレッスンだったので、クラビノーバは大活躍。

私自身はクラビノーバにたいして興味はないんだけれど、夜間の練習には使っていた。

ところがだんだん、そのあまりにもピアノと違うタッチに不満を感じるようになってしまって…

夜間のピアノを少しでも快適に弾くには、ヤマハアップライトに消音ユニット!?
という案が急浮上。これはベヒが遠のくだけに大きな決断だったが、まだ定年は遠く(今よりも)、平日に生ピアノはほとんど弾けず(今よりも)、消音ユニットがあるピアノのほうが活用度が高いと思い切っての方向転換だった。

この決断は正しかったとは思うし、今に至るまでほんとによく使っているけれど、でもね。

消音ユニットをせっかくつけちゃったヤマハアップライトは捨てない、ってことになると、良いピアノを買うには追加の置き場所が必要になる。これは、消音ユニットを買うのに20万円くらい使っちゃったという問題よりもずっと解決しにくい問題なわけで。

しかしその後、方向転換して長年の夢のひとつであったバイオリンを習い始め(弓、ケースまでセットで6万円のスズキバイオリン)、半年後に出会いがあってチョビくん購入。よいバイオリン+消音ユニット付きのヤマハアップライトという体勢は趣味のピアノ&バイオリンとしてなかなかバランスの取れた布陣かと思われたが…予想どおり進まないのが人生(などと他人事のように)。

バイオリンを習うためにピアノレッスンをやめたので、その代わりにピアノサークルに出入りするようになったらば、がぜんピアノのほうがおもしろくなってしまって、比重はいつの間にか「ピアノ>>バイオリン」に。なんだこの捻じれた進行は~!!

しかもピアノつながりがどっと豊富になると、あちこちの良いピアノに触る機会も増えて、どんどん贅沢になってくる。ピアノの種類もいろいろあるけれど、「ピアノには個性がある」ということに気づくともうその引力たるや半端なく抗しがたい。

…やっぱりグランド。

もうさ、これはグランド買うよね生きてるうちに。それも、グランドならいいということじゃなくて、たとえば実家にあるようなふつうのグランドじゃなくて、素敵なグランドピアノ(^^) もうそれで弾いてると幸せっていう楽器。私に相性ぴったりなその一台。

と、話がここまで来ると、当初の予算(230万円)なんかはどこかへふっとんでいるし、そもそも消音ユニットとかチョビくんとかにもお金かかってるんですけど(爆) それにしても私が気に入るピアノのどれも高いこと(o_o) それと置く場所。

置く場所はモロ家族全員の問題なので、自分の中で割り切りをつければいいというわけにもいかず。

そんな悩みの中で、一時は「クラビコードを買う」というまさかの展開になりかけたこともあったが(笑) 結局それには踏み切れず(だって、クラビコードを買ってもぜったいグラピもほしくなる自信があったから)、この迷走に決着をつけたのは、

「やっぱりグランド」を実現する機会を虎視眈々とうかがい、クラビノーバを捨てマッサージ椅子を捨て棚を捨て、リビングに広い床を作って「ここならグラピ置けるよね」アピを地味に続けた私の執念(というかピアノ好きはもう止まらないらしいな、との諦念をもたらす行動)と、

めるちゃんとの運命の出会い、だったのです。当初の話からすると、アップライトからグランドに変わった割には値段は跳ね上がってなくて、230万(諸経費入れれば240万とか?)→280万(椅子・運搬費など込み)で済んでいるけど…けど…

途中の横道でお金かかってますよ(^^;; でもその結果、

やまちゃん(消音可)+めるちゃん+チョビくん
の体勢で充実の音楽ライフ、これで文句いったらバチが当たるよね。文句…ってほら、もっと天井が高いといいとか、扉を閉めれば夜中も弾ける防音室になり開ければサロンコンサートができるようになってるといいなぁとか、二台ピアノはやっぱりグランド+グランドがいいとか。(#°A°)/(๑・∀・๑)ぐはっっ

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ピアノ貯金を始めた日のこと

2016年08月29日 | ピアノ
私がこの世に生を受けた日には既に、家にはピアノがあった。ヤマハのアップライト。

   にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ←ピアノを買うには、お金の問題と場所の問題と音の問題をクリアしないと

側面に、マル「免」(免税)マークが入っていたので今から思えば母が学生時代に買ったものだろう。

ピアノがあるのは当たり前で、特に有難味を感じたこともないけど、逆にいえば特に不満を感じたこともない。

ピアノにいろいろあるとか(種類)、同じ種類でも状態でいろいろあるなんてことにはまったく思い至らなかった。母もそんな話はしてなかったと思う。

私が中学生くらいになったとき、どういう心境の変化か、あるいは単に生活にゆとりが(ある程度)できたからなのかもしれないけど、家のアップライトは処分されグランドピアノに買い替えられた。我が家のピアノは商売道具という面もあったので、むしろグランドがあることは当然なのかもしれないけれど、しかし実はそのころから母の生徒は激減していて、しかも母は自分の趣味(や研鑽)でピアノを弾くわけではなくてレッスンのときに使うだけだったので、いまいち有難味がわからないしろものだった。

そのころ私は基本、ピアノを弾いていなかったのでグランドが家に来てうれしいというふうにはそんなにおもわなかった。見た目はグランドのほうがかっこいいと思った(^^) けど置物にしちゃでかいよね。たまに弾いたこともあるんだけど、アップライトを弾くより特別幸せだって感触もなかった。ヤマハのグランドで当時100万くらい? たぶん小さいやつ。

さらに時は流れて結婚して家を出たとき、タンスも何もいらないからということで嫁入り道具的にヤマハのアップライトを買ってもらった。60万円台だったと思う。これが今あるヤマハのやまちゃん。タンスは古道具屋で自腹購入(確か4000円)

家にはピアノがあるもんだというのが固定観念で、弾きもしないのに何はさておきピアノを買ってもらうんだからおかしな話だが…いやほんと変だよね?? 何考えてるんだかわからない。実際、そのあとアパートに住んでた二年間はピアノを置くことができなくてよしぞう実家に預かってもらってた。

やまちゃんを買うときは音色とかそんなにこだわりはなくて、見た目で買った。木目の猫足(^^;;

それでも同機種が三台くらいあるところへ行って私と母でちょっと弾いてみて選んで買ったような気がする。詳細は記憶にない(私と母のチョイスが一致したのかどうかとか)。

ピアノをほとんど弾いてなかったころも、年一回の調律だけはきちんとしていて(それはそういうものだと思っていた。固定観念)、そのたびに「もうちょっと弾いてあげてくださいね~」とか言われたり(^^;; そんな状態なので調律師さんはこういう人でなきゃ、とかのこだわりもなかったのだけど、よしぞう実家経由で紹介されて途中から(たぶんやまちゃん6歳くらいから?)お願いしていた調律師さんは今から考えてもかなりうまい人で、そういう意味では当たりだった。

こじろう年長さんのときにいっしょにピアノを習い始めて、ヤマハ教室にあるピアノは当然ヤマハ。それはまぁいいとして、ピアノを習うのにグランドじゃなくてアップライト。しかも状態悪くてかなり狂っていてぼこぼこ。

世の中には状態のいいピアノと悪いピアノがあって、弾き心地がだいぶ違うことを学んだ(-_-;;

それから四年くらい経って、ずいぶんしょっちゅうピアノを弾くようになったころ、こじろうのクラスメイトのうちで新しいピアノを買ったという話を聞いて触らせてもらいにいった。それがベヒシュタインのアップライト。

衝撃だった(o_o)

状態のいい悪いじゃなくて、音色が全然違うピアノ。これまで弾いたことのあるどのピアノとも違う。
「どのピアノ」ったって、どこへ行ってもヤマハだったものね。
弾き方に応じて、いろいろと表情が変化して、飽きない。いや、やまちゃんだって別に弾いてて飽きることはないけど。

その後、実力者ではあった調律師さんとトラブルがあり(*) 別の調律師さん(凄腕)を紹介してもらった。

この方の紹介で知ったイベントというのが、ヤマハ・ベーゼン・ベヒ・スタインウェイの四台のグランドが置いてある防音室で45分閉じこもって(誰もいない状態で)弾き放題という夢のようなもので、ここでまたさらなる衝撃。

ヤマハとぜんぜん違うピアノ、というのがいくつもあって、それがそれぞれ魅力的で、迷っちゃうくらいであるという事実。

そこに並んでいたピアノは、グランドの中でも上位機種というか高くてでかいものだったので、まかり間違って衝動買いしてしまう危険は(たぶん)なかったのだけど、それでもピアノ熱を高めるには十分だった。

いいピアノ買おう。幸せ度が違うから。

時間貧乏はお金で(幸せを)稼がないと!! と思ったのもあって、目標額を(とりあえず)こじろう友人宅のベヒシュタインに定めた。ベヒシュタインを買う、と決めたわけではないけれど、新品のベヒを買える金額をまず確保して、その予算内で他社のピアノや中古も含めて探そうと思ったのだ。そのおうちにあったベヒは、230万円(当時)。 (つづく)


(*) ある年にその調律師さんといつものように電話で日程を決めて、ピンポンが鳴ってドアを開けたら知らない人が立っていた(実はその調律師さんの息子)という事件。そんでその息子の調律がめっちゃ下手だった。

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ガツンとエッジの効いた音がほしいこともある

2016年08月28日 | ピアノ
レクチャーコンサート企画ですが、コンサート前には30分レッスン枠を6枠設けて…

   にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ←ポピュラー、たまに弾くと新鮮。けどイメージよりずっと難しい

ハードワークですね(^^;;
朝はバイオリン練習の伴奏させられ(笑)、レッスン6枠やって、重量感溢れる曲のレクチャーコンサートですからさすがのartomr先生もかなり夜はお疲れの様子でした。

私はKinki Kidsの「フラワー」をみてもらったのですが、お知らせしたとき最初すごく驚かれて、でも
「まぁ楽譜があるものならなんでもやります」
とのことでしたのでそのままお願いしました。もちろん楽譜はありますよー私が耳コピとかアドリブとかできるわけないじゃないですか

ピアノソロ 加羽沢美濃 ピアノピュア メモリーオブ1999 (ピアノ・ソロ)
(古い…「だんご三兄弟」とかの年です)

でも事前にコピーを渡すのは忘れたので予習なしで来ていて、だからどんな曲か知らなくて、「なんでアンダンテさんいきなりKinki Kids???」…私が弾いたのを聞いてようやく
「あーほんとにピアノの曲になってる」
って感じ(^^;; 素敵なアレンジでしょ。

ポピュラーだしさらっと弾いて楽しむつもりがぜんぜんさらっといかなかった難物です。

この編曲は、
・ゆったりイントロ的な何か
・歌い出したっぽい部分
・ビートの効いた中間部
・賑やかに歌うところ
・ゆったりした締めくくり

ってな構成になってるのですが、「ゆったりイントロ的な何か」のところは「音色、響きがきれい、ときどきあるテンポの揺れや『間』もいい雰囲気」ということで褒められました(^-^)

ただ、全体におとなしいというか「性格ゆえかなんだか奥ゆかしい」(←笑)
いやそれさすがに無理あるよ先生、私のこと奥ゆかしいっていう人はいない

…性格はともかく、何がひっかかるかというと、もっとガツンと来てほしい「ビートの効いた中間部」あたりで
「リズムのエッジが効いてない」
ということで

はい。というか、自分でもまさにそれが気になって、これのレッスンをお願いしようと思い立ったんですけどね。

かっこいい編曲のところがかっこよく弾けてないわけは、
まずひとつにはリズムの刻み方というか、付点とか、きちっと鋭く。
スタッカートちゃんと切る。

ということと、あと大きいのがタッチ。

おゆき先生のレッスンにバッハとかモーツァルトとかシベリウスとか持って行くと、ほとんどの場合、
「どすんとしないで」
「(鍵盤さわってから)丁寧に音を出して」
「打鍵の遅いフォルテで」
という方面の注意ばかりになりますが

もっと手も固めた感じで、打鍵スピード速めに。がつんと。

「七海さんが千本桜弾いたときみたいに」…おぉ、わかりやすい例示
(一般的にいえば「まらしぃ」さんみたいにといえばいいか)

別に、クラシックでは使わないタッチかというとそんなことはなくて、ベートーベンとかでもそういうふうに鳴らすべきときはある。片方しかできないんじゃなくて、両方使い分けられれば表現の幅がぐっと広がるよね。

長くない中で変化に富んだ曲なので、ちゃんとシーンチェンジをして弾くとキマります。


タッチのほかにも、イントロから歌い出しに入ったらちゃんとテンポキープで行くとかいろんな提案をしてもらって、なるほどちょっとめりはりがついてきました。

あと、ここの松葉ではちゃんとクレッシェンドして~とか、まるっと楽譜読み落とししてたところも指摘され、
まぁ編曲ものなのですべて楽譜どおり、書いてあることしかしちゃいけないかというとそうでもないんだけど
やっぱり単に読み落としてるのはダメ(笑)

ちゃんと楽譜に書かれたことをやったうえで、でも楽譜に書かれていない「ここからはちょっとゆっくりして終わろう」とかそういうのはかまわない、ということで。

レッスンの間にもそんなこんなでちょっといい感じになってきたと思うのですが、

ガツンのところはあまりその場ではうまくいかなかった…

弾き方はしばらくやってみないと実現できません。


artomr先生はガツンていくところもしっとりいくところも両方ほんとうまいんだよなぁ~

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ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番を読みとく

2016年08月27日 | ピアノ
今日はartomr氏のレクチャーコンサート「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番を読みとく」@めるちゃん、でした。

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どうしてそんなナイスな企画が生まれたかというと…
udurannさんちでおゆき先生が平行弦のプレイエルを弾いたコンサートのあと、artomrくんがプレイエルでベトソナ30を弾きながらその和声の解説とか微に入り細に渡ってしゃべっていたのですが、そんな雑談ベースで未整理の話じゃこちらは予備知識なさすぎでまったくわからないし、まぁ私一人で詳しく話してもらうのももったいないんで、

「わかったわかった(←何が?)。好きなだけしゃべっていいから、めるちゃんでレクチャーコンサートして」
と言ってみたら実現したわけです。

レクチャーコンサートの企画が立ってからけっこう期間があったのでそこからまた考えたり調べたりして、だいぶ深まりもして、考えの変わった部分もあったと言ってました。

今日集まった「聞く側」は私を入れて11人。うちのリビングのキャパからいってこのへんがまぁいいとこか…贅沢な濃い時間になりました。

ベトソナ30番も、ソナタなんだからソナタのフォーマットに従って作っているはずなんだけれども、たとえば「和声と楽式のアナリーゼ」で説明されているようなものとはずいぶん違っています。

それは、各パーツのサイズもずいぶん伸び縮みしていたり、
転調のお約束にも従っていなかったり、
対比になるようにというセオリーにも合ってなかったり、

そんな感じで、ソナタ形式というものを限界近くまでびろーんと発展させている。

ベトソナも、初期のものならば、わりとお約束系のソナタだったんだと思うんだけど、
ベトソナ32曲分の発展はそのままピアノの歴史みたいなもんで、
ピアノという楽器のキャパが進歩するのに合わせて、
というよりそれをムリムリに先行して?
常にそれまでの限界を打ち破ってきたみたいな…

それは、音域が広がってきたということでもあるし、
ピアノの頑丈さとか(^^;;
音量とかも(ベトソナって、強弱が突然で極端だったりするよね)。

今日の話では、構成の話やピアノ(とベトソナ)の発展ということもあったのだけど、中心はむしろ「動機(モチーフ)」の扱い。

ふつう、「音階」とかいったら、「つなぎ」とかの、たいして意味ないカンジの部分なのだけど、
このベトソナでは「音階」や「連打」や「三度」「四度」とかほとんどパーツともいいにくいようなものが組み合わされ発展され、動機として意味を持ったものとして聞こえてくる。

その中で、聞いてる側は不意打ちをくわされたり、すかされたり、変な転調とか(どこへ行くんだ)、乱暴に引きまわされたり。

…上記はartomr氏がこうしゃべったということではなくて、私の(あやふやな)理解を雑な表現でまとめたものなのであまり信用しないでほしいんだけど(-_-;; でもなんというか、このソナタとか(その他の後期ソナタも)一生弾くことはないだろうけど聞くときには楽しみが増えたと思うわけです。

次のレクチャーコンサートのテーマは何? とartomr氏にふってみたらば、「ソナタならベートーベンのソナタの次はベルクかな」ってことで、えっ、その間はナシ? ショパンとかは? というと、ショパンはカタチとかむしろ後期ベトソナより昔風なんだって。じゃあリストは? って聞いたらリストは確かに新しいけれどアレ弾くのたいへん、誰か弾いてくれればしゃべってもいいみたいな。artomrくん弾かないで誰が弾くんだよ(-_-#

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