アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

統計で嘘をつく人たち

2017年07月31日 | 生活
NHKで「AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン」という番組があったそうで、番組は見てないんだけど、公式ページにこうある。

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AIの分析結果から読み解いた提言
01 健康になりたければ病院を減らせ
02 少子化を食い止めるには結婚よりもクルマを買え
03 ラブホテルが多いと女性が活躍する
04 男の人生のカギは女子中学生のぽっちゃり度
05 40代ひとり暮らしが日本を滅ぼす

なかなか聞き捨てならない提言であるが…「40代ひとり暮らしが日本を滅ぼす」とか…いったいなんでそんなことが言えちゃったのかというと、AIくんは膨大なデータをインプットされ、
「見えてきたのは、思いもよらないデータどうしが連動し、日本を動かしていたという事実。」
要するに人間が気がつかないようなところにも相関関係を見出すことができるということ。

しかし、相関関係と因果関係は違うってのが統計を扱うときのイロハのイであって、たとえば
「ある病気の死亡者数と、その年のアイスクリームの売り上げに相関関係があった」という場合に
じゃ、アイスクリームの製造販売を禁止したらその病気を防げるのでは!?
とか思うと、単に夏が暑い年はアイスクリームも売れるしその病気も流行る、なんてことであればアイスクリームを禁止しても別に効果はないわけだ。まぁそんな感じ。

天下のNHKさんはまさかそこいらへんを勘違いしているのか?? と思うとどうもそうではないらしくて
「AIは、残念ながら因果関係は提示してくれません。このネットワーク構造を人間が読み解き議論することで、社会問題の背景を考え、解決の糸口を探ろうというのが番組の趣旨です。番組で紹介した"AIの提言"は、このような形で、AIが出してきた分析結果を人間が読み解き平易な言葉で表したものです。」

人間が「読み解き」って、結局のところNHKさんが勝手にセンセーショナルな言葉で因果関係方向にミスリードする提言をでっちあげただけじゃないすか。ほんと人騒がせな。上記のような断り書きを入れておいたからって免罪されると思ってんの?? 実際、番組中、東京都荒川区の行政担当者に取材して、40代ひとり暮らしを減らすにはどうしたらいいと思うかみたいなコメントを取ったりする映像を流せば、そりゃ変な誤解する人も大量発生するだろう…っていうか明らかに狙ってますよね?

論文なら査読があって、あんまりな展開だと突っ込まれるけれど、マスコミがこういうことやってもノーチェックで、どんだけの人が誤解しようが責任取らない。それにしても、NHKが風評を流すことになんの利益があるんだ。何がしたいのかわからん。番組がおもしろきゃいいのか?? そんな態度の癖に受信料で運営する意味あんの??

とにかく、世の中、統計を使ってもっともらしく人々をだまそうとしている人はゴマンといるので、やはりどうしても基本的なリテラシーとして、「相関関係と因果関係は違う」ってことくらいはよーくよーく理解しないと義務教育終わらないくらいにしてほしいものだ。

図書館で先日借りた本「がん検診の大罪」(岡田正彦)は、タイトルがなんかトンデモ本っぽい雰囲気だけど(^^;; 中身はすごくまじめな本だった。

まず最初の一章まるまる使って、統計で確かなことを言うためにはどう調査してどうまとめなきゃいけないか(というか、統計で人を騙す手口)について詳しく語り、そのあと「メタボ検診」「薬」「がん検診」の各章に入っていく。

そういった実際的な問題になると、上記のアイスクリームくらいの話よりもっとずっと複雑で、いろんな「嘘のつき方」が入り混じってくるのだけど、いろいろな論文の元のそのまた元に当たり、どの調査がどのくらいちゃんとしていたか丁寧に検討されていてたいへん興味深い。実際のところ、どのがん検診を受けるべきかとかは直接読んでいただくとして、なかなかややこしいなと思った事例をひとつご紹介。

うちの子たちが赤ん坊のときもあったけど「神経芽腫検診」って、おしっことって送るやつ。
簡便な検査だから検査そのものの害、というのはないけど2003年に中止になってます。

あれは幼い子どもがかかるがんで、これを手遅れにならずに見つけられるならイイ話。
大規模に検診をやってみたらば、推定されてた患者数の倍くらいの早期がんがみつかった。
なんで倍もみつかるんだ、といえば放置すると勝手に治ってしまい気づかれないものが混ざってる、と思えば別に不思議ではなく、その人たちに利益はないが、それでもほっとくと死ぬケースが助かるならいいよね。

ところがいくら検診をやってもなぜか死亡率は低下せず、いったいなぜ??

というと、神経芽腫を起こす遺伝子に二種類あり、
・片方は自然に治るタイプ
・片方は悪性度が高いタイプ
だが、尿中に異常な物質が出る(検査にかかる)タイプは前者だったという笑えないオチ。

うちの子たちはスクリーニングでひっかからず、おしっことる以外は何もしてないから問題なかったけど(ほとんどの人はこれ)、たまたまひっかかって不必要な検査や手術をした人には大きな害があった(病気では死なないのに手術で死ぬ場合も)。

つまり、何人に検査したら何人にがんが見つかったよ、というだけではその検査が役に立つとまでは言えず、特にその検査自体に害がある(放射線を浴びるなど)場合はちゃんと得がなくちゃ受けたくないわけで。

たとえば何か症状があって(高血圧とか何か)、それを抑える薬があって、確かにそれは効いている(血圧が下がるとか)けど、実は副作用もあって総死亡率が下がらないとか。

話が「薬」とかの場合は、前述のNHKとは違って明確に経済的動機があるので、「騙し」にもさらにリキが入ってきたりする。自分の身を守れるのは自分だけ。騙しのテクニックについてはしっかり勉強しておくのが吉です。しかしいちいち元論文にあたるとかやってるほど誰も暇じゃないんだよね…

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先生の言うことは聞くもんです。

2017年07月30日 | ピアノ
昨日は、「音楽の星座」一週間前、モーツァルト二台のピアノ(以下、「モツ煮」)のためのソナタ最終合わせでしたっ!!

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もうこのあと修正する日がありませんよ~緊張します。
モツ煮の合わせがこんなに難しいと思わなかったよ。

ラフマの二台は合わせも難しかったですけど、
モツ様はね、そりゃ弾くのは(私にとって)めちゃ難しいですよ、でも合わせはね。ちゃんちゃんちゃんと進んでいくだけで変拍子とかもないし(笑)

ストラビンスキーの春祭じゃあるまいし。

…そう、数えるのが難しいところはありませんね。

しかし、落とし穴がありました。

私が、あるべき速度(120~?)でちゃんちゃんと弾けたらよかったんですけど、それはありえなくて、たとえば今の練習速度(104)で全部統一したらダレる。ということで、おゆき先生スペシャル妥協案、随時テンポ切り替え方式!!

これ、難しいです。

モツ煮の音階とかをササササと弾くのは勢い? うきうき感? ノリ?? そんなものが必要で
(あ、私の場合です。実力があれば別にいいんだろうけど)
たとえばずーっと一定でメトロノーム104なら弾けてたハズでも、
急に落としたときは弾けないんですよ、なんでだか。

104よりもっと落としてもそれはそれでもつれる。

それと、「その日の一回目は弾けない」が相まって、始めはエライコトになってました。

それが、だんだん慣れるとなんとかなってきて…

ただ、「いいのか? これでいいのか??」ってのが不安で、テンポ切り替えに自信が持てず
割り切りが足りないというか(^^;;

「大丈夫だから自分でしっかりベストなテンポに引っ張って!!」

このプランに信頼して乗っかるのに時間がかかりました…

けど、ようやくモーターのコイルがあったまってきてから録音したのをさきほど聞いてみましたら、
…良いですスゴク!! 楽しくて、うきうき~おかしくないです(^-^)

先生の言うことは聞くもんです。やっぱり。



そして帰り道。

おゆき先生がしみじみ「でもすごくよくなりました~がんばりましたね」といってくれたので
「ハイ!! 練習、するのは前もしてたんですけど、今回はうまくいかないところをちゃんと左手練習したら、だいぶ改善しましたよ。片手練習するとイイコトありますねっ」というと

「私がずっと前から言ってたじゃないですか…」とガックリ_| ̄|○ するおゆき先生

いやちゃんと聞いてたんですよ実行してなかっただけで。
聞いてたからちゃんと自分で必要を感じたとき実行できるわけで!!

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それでも音を合わせる喜び

2017年07月28日 | ピアノ
テレビ見てるときに、金スマで野田あすかさんの特集をやるという予告やってて、「あっこれ予約しとく」といったら、よしぞうが…

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「えー発達障害ピアニスト? なに、発達障害じゃないピアニストなんておるん?」(←暴言)

で、私は本(「発達障害のピアニストからの手紙 どうして、まわりとうまくいかないの?」)で野田あすかさんのことを読んだことがあったので
「いやいや、そういうレベルじゃなくてかなりキッツイらしいよ」といったのだが…

いや番組で見たら、本で読んでなんとなく思ってたのよりずっとキツかった(o_o)

「砂糖と塩、買ってきて」と頼まれてスーパーに行けば、
途中でいろいろ(チョウチョとかいちいち)横道に逸れるわ、
スーパーでもモニターでCM流してれば踊るし、
塩なり砂糖なりの棚見つけるのもたいへんだし、
見つけてもたくさん塩がある中のどれにするのか、スマホで撮ってきた写真と照らし合わせて「青い塩」は見つけられたものの、
お母さんが「赤いスプーンの絵のある砂糖」とか言っちゃったもんだから、それがなくてパニック。
途方に暮れてたらお母さんから電話があってやっと「赤いバラの絵のある砂糖」を買って帰宅。

えっらい時間も経ったし緊張の連続だから、家に帰ったら疲労のあまりソファーに倒れ込む。

それでも最近(35歳)、そうやって買い物とか、あるいは料理とか、少しずつ(ほんとに少しずつ)できるようになって両親としてはうれしいらしい。
望みはひとつ、「自立」ってことで。

まぁ親として気持ちはわかる(痛いほど)
しかしここまで苦手だと、苦手箇所がずれた人とパートナーになって補い合って暮らすほうがよさそうだけどどうなんだろう。

なんでもできるようになることが「自立」の必須条件なのか!?

苦手って全部克服しないとダメなの??


野田さんはピアノを弾くことはできて、というかコンクールで入賞したりコンサートを開いて聞く人の感動を呼んだりしているけれど、
実はステージでソロピアノしかやったことはなかった。

だけど企画で、オケと合わせることになり、これがもぅ…

リハのとき、知らない人がいっぱいいる会場に入っていく段階で緊張のあまり既にプチパニック。
ぜんぜんオケや指揮者のほうを見られないで体ごと視線を背けている。
オケの音が始まると、もう耳を塞ぐしかなくて
「音が痛い…」と本格的なパニック。
(オケといっても弦楽だけ20人くらいなので一般的に言ってうるさいようなものではない)

弾くことができずリハ中断して、オケも指揮者も打つ手なし。

しばらく時間をとってなだめてもらって落ち着いて、
気を取り直して今度は自分から弾き始めた。オケでなく自分の音から流すことで他人の音による「痛さ」が緩和できるのかもしれない。

そうやってリハはなんとか済んだが、当日は大会場、大勢のお客さん、オケはお揃いの黒服だし(あすかさんは制服にトラウマがあってこれも苦手要因)、これで本番やれるんだろうか。

つらさ、しんどさが半端ないので、ここまでやらなきゃいけないのか? 一人でピアノを弾いてるだけじゃいけないのか??
なんか見てるだけで辛くて、こんなんで強行することにすごい疑問だったんだけど。

当日は、あすかさんがソロ曲を無事弾いて、客席に向かってマイクで話をしている間にソロソロとオケ登壇。

すんなりと演奏を始めることができて、弾いている間は生き生きと笑顔。
そして万雷の拍手。

舞台袖で、泣きながらぽつぽつと語ったこと:
「合わせられたときにオケの人たちとおしゃべりができた気がして感動した
人がいるから怖いって思ってたけど音楽でおしゃべりできるなら一人じゃない舞台もいい

いくら一生懸命気を遣って私が言葉をしゃべってもひとりの友達を作るのにすごく時間がかかってほとんどできなかったのに
オーケストラと合って音楽だったら一気に、気を使わなくても自分の心を素直にいったら
こんなに一気に友達ができるんだって感動したの
ピアノをやっててほんとうによかった」

で、「また挑戦したい」とのことで、
こんなにこんなに高いハードルを乗り越えて、それでも音を合わせる喜び。ってほんとすごい。もらい泣きしました。


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アウシュビッツと表裏一体の大罪

2017年07月27日 | 生活
某友人が今年、アウシュビッツを見に行くというので、つい先日読んだ
「ぼくはナチにさらわれた」(アロイズィ・トヴァルデツキ著)
という本を思い出しました。旅行の前にぜひ読んでおくよう推薦したく、下記に詳しく紹介します。

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* * *

ユダヤ人(など)大量虐殺については日本でもかなりよく知られているが、その発想と表裏一体ともいうべき「レーベンスボルン」政策についてはほとんど知られていないのではないだろうか。私も上記の本を読むまで知らなかったし、よしぞうも、それと(かなり世界史好きの)その友人も知らないと言っていた。

アウシュビッツなどの強制収容所については、もちろん亡くなった人の数からも殺し方からも、人類史上屈指の大罪だけれど、そもそもその虐殺に至る動機が許しがたくグロテスクなものだ。つまり、優れた人種と劣った人種…生きる価値がないどころか地上から抹殺したい人種に分ける考え方である。

たとえば昔、スペイン人が南アメリカの人々を虐殺したり支配したりしたとき、それは確かにそこの人々を自分たち(人間)と違う、価値のないものとみなしていて、だからこそ簡単に殺せたのだろうけれど、主目的は経済合理性であって、その人たちが地上からいなくなってほしいと強く願っていたわけではない。というか植民地で働く人がいなかったらむしろ困る。だからどうだというか、許されるわけはもちろんないけれど、発想の気持ち悪さはナチスのほうがずいぶんとうわてであるような気はする。

ユダヤ人大量虐殺は、地上から人類を滅ぼすことを目的としているわけでなく、彼らに代わってドイツ民族が繁栄することを目指していた。それがすなわち「レーベンスボルン(生命の泉)」というわけだ。

始めのうち、それは「産めよ殖やせよ」的な政策で、ドイツ人将校にたくさん子どもを作るように奨励(強制含む)したり、「人種的に正しい」けれど経済的に困窮した母子家庭の人が身を寄せられる施設を作ったりしていた。母子保護施設…ある意味人道的!? ただし人種限定の。

しかしそんなんじゃたいして捗らないので、今度は占領先のポーランドや北欧などから、「ドイツ人的な」容貌を持つ子どもを拉致してきてドイツ人として育てるという強硬手段に出た。発想がぶっとびすぎで、もはやどこから突っ込んでいいかわからないけれども、とにかくその数がすごくて、25万人とも。

さらってくるのは4歳から10歳くらいの子ども。金髪青い目であることは絶対条件で、その他骨格などから「ドイツ的」な条件があるらしい。拉致された子どもたちは名前を取り上げられドイツ人的な名前を付けられ、ドイツ人家庭に引き取られる。虐殺目的ではなくて優れてドイツ人的なドイツ人を育てようとしているわけだから、育ての親たちからはかわいがられ、学校教育も(それが偏っているのはともかく)しっかり受けさせられる。

それなら、子どもを突然さらわれた親のほうはたまったものではないが、子どものほうはその後すくすくとドイツ人として育ってそれぞれの幸せを…というわけにはやっぱりいかない。微妙な時期に無理やり母語を切り替えされられることも、親から引き離されることも、あれこれの絶大なマイナス影響があるため、エリートを育てるどころか、高等教育まで至らず、体格的にも標準未満ということが多かったようである。(というかうまくいくと思うほうがどうかしている)

そのためか、当事者の手記にはなかなかまとまったものがなく、断片的であったり曖昧だったりという状況だそうだ。

冒頭に挙げた本は、4歳のときにポーランドから拉致された男性の手記。結果として高校・大学にも進学し、これだけまとまった手記が書けるようになったのは、元々の素質はもちろん、さらわれた時期が早めだったため、ドイツ語を母語とする言語形成がうまくいったこともあるのだろう。

けれど、ドイツの中でもドイツ的に、それこそポーランド人を侮蔑するように育てられた彼が、戦後実は自分がポーランド人であることを知らされ、ポーランドの高校に転向するあたりのアイデンティティーの危機は、もうほんとに背筋が寒いどころではない。ポーランド語はわからない、回りはこれまで自分が全力でさげすんできたポーランド人ばかり、自分はずっとポーランドを苦しめてきたドイツ人のような容貌で、ドイツ語をしゃべり、でもポーランド人(o_o)

そんな怖すぎる状況にあってもポーランドの両親の元に戻ることを選んだ彼の心情は、実は手記を読んでもあまりよくわからないところがある。きっといろいろといろいろと、ありすぎるくらいあったのだろうけど、一部は自分でも言語化できなかったのかもしれないし、一部はポーランドで最初出版するときの検閲で削除されたまま散逸したものもあるようだ。そういう意味でも人間の罪深さがただただ痛い…

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その日の一回目にうまく弾くには?

2017年07月26日 | ピアノ
「音楽の星座」本番も刻々と迫ってきているので、モーツァルト二台のピアノのためのソナタ第一楽章を練習するにあたっては、最初からメトロノームをかけて練習することが多い。

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平日は時間もないし、ちゃきちゃきいかないとね。
(それにしても、今日こそびゅばーすと帰ってめるちゃん弾くわよ~と思った日に限って電車遅延となるのはどうしたわけか)

メトロノームを100に合わせたとする(これでも前回に比べると格段の進歩だ)。

それでつっかえたところを、ゆっくりで動きを確認したり、片手で弾いてみたりして、微修正を試みたのち、そこいらへんを通して弾いてみる。おぉいい感じ。

そうやって、短い練習の間にも、比較的安全に…安定して…通して弾けるようになる。すこーし、進捗があったような気がする。

ところが、寝て起きて会社行って帰ってきて、また100で弾いてみたときに…
「よし!! 100ならちゃんと弾けるな!!」と、すらっと弾けて、「次は一目盛り上げてみよう」
となれば話が早いのであるが、そうは問屋がおろさない。

あらかた昨日の一回目みたいな、やや混沌とした状況があり、それでまた、部分部分の確認や改善をしたのちスムーズに弾けるようになる。

「ようやくモーターのコイルがあったまってきたところだぜ」
ってな状況。

厳密にいえば「昨日の最初と同じ」ではないのかもしれない。一週間前よりは微妙にしかし確実に改善されている気はする。しかし、自分にとってこの曲が「自分はこれくらい弾けるはずイメージ」というものが一日の練習の最後のころのものであるからして、その日の一回目の状況というのはたいへん不満である。

しかるに、本番というのはその直前に「モーターのコイルをあっためて」おくことはできないものだし、とりわけ今度の星座では、二台ピアノを選択したため最後の部だ。ウォーミングアップからずいぶん経ったあとにいきなり弾けないと使い物にならない。

「その日の一回目にばっちり弾く」のは私にとってだけでなく、一般的に難しいものだとは思うんだけど、流れに乗れないままのモツ様はほんとに最悪なのでなんとかしたいものである。

前、誰だったかピアニストが寝起きにいきなりコンサートの曲弾いてみるとかいってたような…??

それぞれの日の最初に、いきなりテンション上げて軽やかに弾き始めるように「心がける」ことで練習になるものかどうか??

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