第2章 心を通して №175

宇宙のあらゆる物質から波動が出ていますから、宇宙のあらゆる物質は、波動によって相互に結びついていることになります。その波動は時間と空間を越えて無限のかなたにまで広がり、宇宙のある部分と、それ以外のすべての部分とを結び付けています。
ハル・パソフというアメリカの物理学者は、物質の安定状態、つまり安定して存在していられることそのものが、原子内粒子とそれを支える真空とのダイナミックな相互作用によることを示しました。
彼は真空をエーテルと呼ぶ変わりに、「ゼロ・ポイント・フィールド」と呼んでいます。パソフは物理学上の計算によって、ゼロ・ポイント・フィールドの波動が原子内粒子の運動をもたらすと同時に、反対に、宇宙の粒子のあらゆる運動のすべてがゼロ・ポイント・フィールドを生成していることを示しました。
宇宙自身がたえずみずからを更新しながら、なんらかの方法で乱されない限り、一定に保たれています。私たち自身や、宇宙のあらゆる物質が、極めて大きな拡がりを持つゼロ・ポイント・フィールドの波動を通じて、宇宙の隅々にまで拡がり結びついていることになります。
波の最も重要な特性の一つは、情報を暗号化して伝達できることです。二つの波の山を重ね合わせると、専門的には「干渉」と呼ばれる状態となり、合成されてできた波の振幅は個別の波よりも大きくなります。これにより、信号は強くなり、情報の刷り込みや交換に繋がります。また、一つの波の山ともう一つの波の谷が重なり合えば、互いに打ち消しあうことになり、いったん衝突した二つの波は、エネルギー暗号の形で、それぞれが持つ情報に加えて、相手に関する情報を新たに増やすことになります。こうして干渉パターンは情報を蓄積し続けることになりますから、波は無限の情報能力を持つことになります。
この世の中にあるすべての物質の原子が、周辺にあるエネルギー場と相互作用をし続けていて、真空内のすべての波動は、あらゆるものの情報を刻印し続けています。真空はすべてのものの波長や周波数を刻印した、あらゆる時代の宇宙を映していて、すべての時代に存在したあらゆるものを刻印した記録そのものであり、すべてのものの始まりでもあり、終わりでもあります。
自然界では、波動が組み合わさることによって、あらゆる現象を起こしています。時空間そのものが存在するのも、波動の組み合わせによります。すべては波動の組み合わせによって存在しており、波動の中にすべての情報が蓄積されています。
私たち自身も波動を受け取り、波動を創造して発している存在でもあります。このように私たち自身も、波動によって、宇宙全体と結びついています。私たち自身が、宇宙の波動そのものの一部でもあるのです。
№176につづく