テレビが全ての放送を中止して、2時間以上も「逃げろ!」津波警報の大騒ぎ中、その間、緊急地震速報が12回も流れるのだ。10分おきに家が揺れる。最初の揺れ、そして数分後の強力で長い時間の「元旦の大地震」(マグニチュード7.6 午後4時11分)の揺れでは、思わず窓の木枠を握り締めるほど、古い我が家の二階の屋根裏部屋は、小舟のように揺れ、次第に揺れが大きくなった。「思わず、家が壊れる!」と思ったほどだ。棚からカメラが落ち、ピース缶が落ちたが、眺めているしかなかった。ただ、部屋の石油ストーブが消えなかったので、すぐに手で消し、1階の食堂にいる娘たちにも、「ストーブ消せよ!」と大声で怒鳴った。
10分おきの地震で、いつでも家が揺れているように感じるばかり。そのうち、能登で震度5強が5回ある。そのたびに、震度3程度の揺れが、我が家を襲う。スマホが緊急地震速報を伝えるのだ。時間が長いせいか、75年生きて、これほどの「恐怖」を味わったのは、初めてのこと。DNAが持っている本能的な恐怖感かもしれない。
何という元旦になったのだろう!輪島市内の火災の発生は、さらなる大災害を予見する。輪島は壊滅状態になるかもしれない。消火活動の水は出るだろうか? 消防が動けるだろうか?
2時間以上経っても、心が落ち着かない。怖い、怖いと炬燵に潜り込んでいた孫も、あれほどの元気と食欲を失って、夕食の箸が進まない。それも、恐怖の時間が長いからだろう。
午後7時30分ごろ妹から電話が入って、「どうした?」と聞くと、小松空港に閉じ込められているのだという。(オット、また家が揺れた。10分、20分おきに地震が来る!震源地は能登。)千葉に戻ろうとする甥っ子家族を午後5時の飛行機に乗せようと、送って行って、飛行機は飛ばず、津波警報で、3時間近く、飛行場から出られないとか。
電話中に、「あ、出られそうだ!」と電話を切ったが、全員を乗せて、また、福井に戻ってくるのも、大仕事になりそうだ。
一番被害の大きい輪島の映像は、明日にならないと報道されないだろう。津波の被害より、地震の被害が大きいはずだ。報道は、津波警戒9割だが。