送信from Y.Yoshizmi:夕方頃、珍しく屋根に登っていた隣人と机の横の窓を開けて、長い時間おしゃべりをした。事務所の並びの民家だが、今は72歳になる男性の一人暮らしだ。
毎日、長い間勤めている職場に、今でも時間給で通っているという。飲食店をやっていた奥さんは、彼が55歳のとき52歳で肺の病気で亡くなったという。17年前だから、私が事務所を開いた後のことだ。
そういえば、隣人の不幸だからと、お通夜に出かけた覚えがある。誰の葬儀だったという記憶はないが、今日聞けば、彼の妻だったのだ。通夜に顔を出した頃は、彼の母親というのが元気で、口うるさいというか、しつこく「聖教新聞」を取ってくれとせがまれて、仕方無しに承諾し、「金だけ払うから新聞は要らない」と半年か、1年顔を立てた覚えがある。
その後も、時折しつこくせがまれたが、断り続けて嫌な思いが残っている。で、そのバーさんが亡くなったという話を聞いたときは、もうお通夜にも行かなかった。隣人としてしゃべることさえなかったからだ。
彼の長男はすぐ近くの同じ町内で建売住宅を買って、家族で住んでいて孫もいるというが、「お盆でも顔さえ出さない。」という。
「一人暮らしは気楽だけど、さみしい。」と彼は何度も「さみしい」と言う。午後8時には寝てしまって、一人暮らしでは月に10万円もあれば十分暮らせるし、年金を16万円ほど貰っているので、働く必要はないのだが、仕事に来てくれというし、職場で若い人と話をするだけで気晴らしになるという。
ただ、朝起きて、仕事に行くのもなかなか大変だと思うことも多く、仕事が少ないときは早く帰るようにしている。「金などちっとも欲しくないし....」
「こんなに長く人と話したことはない、ありがとう。」と言って、家の2階の窓の中に消えた。
お墓の話もしたし、両親や兄弟の話もした。老化とは孤独との戦いなのだ。
毎日、長い間勤めている職場に、今でも時間給で通っているという。飲食店をやっていた奥さんは、彼が55歳のとき52歳で肺の病気で亡くなったという。17年前だから、私が事務所を開いた後のことだ。
そういえば、隣人の不幸だからと、お通夜に出かけた覚えがある。誰の葬儀だったという記憶はないが、今日聞けば、彼の妻だったのだ。通夜に顔を出した頃は、彼の母親というのが元気で、口うるさいというか、しつこく「聖教新聞」を取ってくれとせがまれて、仕方無しに承諾し、「金だけ払うから新聞は要らない」と半年か、1年顔を立てた覚えがある。
その後も、時折しつこくせがまれたが、断り続けて嫌な思いが残っている。で、そのバーさんが亡くなったという話を聞いたときは、もうお通夜にも行かなかった。隣人としてしゃべることさえなかったからだ。
彼の長男はすぐ近くの同じ町内で建売住宅を買って、家族で住んでいて孫もいるというが、「お盆でも顔さえ出さない。」という。
「一人暮らしは気楽だけど、さみしい。」と彼は何度も「さみしい」と言う。午後8時には寝てしまって、一人暮らしでは月に10万円もあれば十分暮らせるし、年金を16万円ほど貰っているので、働く必要はないのだが、仕事に来てくれというし、職場で若い人と話をするだけで気晴らしになるという。
ただ、朝起きて、仕事に行くのもなかなか大変だと思うことも多く、仕事が少ないときは早く帰るようにしている。「金などちっとも欲しくないし....」
「こんなに長く人と話したことはない、ありがとう。」と言って、家の2階の窓の中に消えた。
お墓の話もしたし、両親や兄弟の話もした。老化とは孤独との戦いなのだ。