今日も日経平均株価は下落中。
対策を打とうにも『弾』切れかな。
年金も郵政も使い果たした。あと何があるか。
再々度の日銀追加緩和か。
今日で年初来6日続落か。
さあアベシンゾー君、どうする。
1.貨幣
金融緩和で世界中がジャブジャブ状態。各国の中央銀行が輪転機をフル回転させ、紙幣を刷り続けている。アメリカが最初にQE1を始め、さらにQE2、QE3と3回も行った。
2014.10月にアメリカがこれをやめる代わりに、日本とEUが補完してジャブジャブマネーを続けている。余ったマネーはアメリカに吸い寄せられている。
つまり日本やEUが刷りまくった紙幣は、アメリカのために使われている。だからいくらお金を刷ってもインフレにならない。インフレターゲットというのは単なるお題目である。
インフレになるためには、ジャブジャブマネーになるほかに、需要が高まり、供給が減少しなければならない。しかし今の日本はものがあふれかえっている。
その反面、国民の間に格差が広がり、低所得層が増えている。だから需要が高まらない。
これではいくらお金を刷ってもインフレにはならない。
だから余ったマネーは株や不動産の投機に向かうしかない。
デフレのなかの株高という現象がこうして起こる。
2.金利
貨幣がジャブジャブ状態で余っているから、貸出金利は落ちる一方。しかし頼んでも誰も借りてくれない。貸与は支給とは違う。借りた金は返さねばならない。国民は最低限の生活を保障され、企業は設備投資過剰である。だから誰も借りようとしない。結果として、低金利・ゼロ金利状態。
昨年末、約10年ぶりにアメリカが利上げを決定。恐る恐ると。すると年初から世界中の株価が下落した。
アメリカの雇用統計は改善していると報道されているが、アメリカのGDPが拡大しているかは疑問。なぜかアメリカのGDPは報道されない。
アメリカも国民の間に格差が広がり、所得水準は上昇していない。そんななかでGDPだけが拡大しているとは考えにくい。
3.為替
3年前から、ドル安(円高)からドル高(円安)に反転。理由は不透明。ただし日本がドルを買ったからという噂も。日本が買ったドルは米国債として積み上がる。ただしこれは返済されない。
しかしアメリカが昨年末に利上げをしてからは、なぜか足下は逆にドル安傾向。
アメリカの利上げはドル高要因だが、今のところそうなっていない。
アメリカはここ3年間のドル高で、輸出が低迷。貿易赤字が拡大。それはドルが売られるということ。つまりドル安要因になる。
そんな中で昨年末になぜ企業経営に不利な利上げをする必要があったのか、本当のところはわからない。
4.金
ドル高と逆相関。金価格低迷。資金は株に流れている。足下はドルが売られて、金が買われているが、まだまだ4500円台。現在1グラム=4580円。
ドルの基軸通貨体制の中で、ドルへの信用が低下しつつある。
各国はアメリカに預けていた金を自国で保管する動きにでている。
実はアメリカは他国から預かった金をすでに使い果たしているという噂も。
各国が金を現物で買う動きは高まりつつある。(ただし日本は例外)
5.株
ジャブジャブマネーの向かう先は、株と不動産。株高が続いている。ものの値段が上がらない中で株だけが高騰している。
昨年末、約10年ぶりにアメリカが利上げを決定。年初から世界中の株価が下落している。日本では、大発会からの5日続落は戦後初の異常事態。日経平均株価は現在17697円。
6.国債
ジャブジャブマネーの中で、国債価格は上昇。逆に金利は下落。
各国の中央銀行が自国の国債を買っている。いわゆるたこの足食い状態。
このことによって各国はジャブジャブマネーを作り出している。
金融緩和を続けるためには各国は国債を発行し続けなければならない。
無限にこういうことを続けた場合、通貨の信用が落ちる危険あり。
紙幣の代わりに何か他のものが価値の基準になる可能性あり。
7.原油
アメリカのシェールオイル開発で供給過剰状態。価格は低迷。1バレル=33ドル。
産油国マネー減少。株へのオイルマネーの投資額も減少。株安要因。
日本にとってはメリット大。原油輸入額減少。貿易赤字減少。円安の歯止め要因にも。
8.中国
中国は成長が鈍っている。供給過剰である。この国も所得格差は大きい。供給過剰のなかで、国内の需要は高くない。輸出も伸びていない。多くの在庫を抱えている。この在庫を処分するには、自ら国外に出ていって、在庫を消費するしかない。
そのための資金源がアジアインフラ投資銀行(AIIB)である。その力はいまだ未知数である。
ただこのことでイギリスが中国と組んだことの意味は大きい。
そのことは『世界の工場』である中国が、世界の金融の中心地(イギリスのシティ)に乗り込んでいき、世界金融の中心に躍り出ようとしていることである。
日本はアメリカとともにAIIBへの参加を見送り、このことを傍観している。
ヤフーニュース より
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ryouchida/20160110-00053274/
「部活週2休」有名無実化 文科省の指針
内田良 | 名古屋大学大学院教育発達科学研究科・准教授
2016年1月10日 7時30分配信
■運動部 週に2日以上の休みを
・中学校は週に2日以上の休養日を
・高校は週に1日以上の休養日を
・長期休業中はまとまった休養日を
・平日は2~3時間まで、土日は3~4時間まで
これらはすべて、文部科学省がかつて運動部活動に関する報告書のなかで示した、運動部の適切な活動量(休養のあり方)である。
中学校では週に「2日以上」、高校でも週に「1日以上」の休みが要請されている。
■生徒のQOLを重視
上記の指針が、文部科学省(旧文部省)の「運動部活動の在り方に関する調査研究報告書」において提示されたのは、1997年のことである。
同指針はそれ以降、とくに撤回されることもなく、ここ数年でも複数の教育委員会が部活動指導のガイドライン作成において参照している[注1]。
報告書では
「これまでの運動部活動では、活動日数等が多ければ多いほど積極的に部活動が行われているとの考えも一部に見られた」ことが反省され、
「スポーツ障害やバーンアウトの予防の観点、生徒のバランスのとれた生活と成長の確保の観点などを踏まえると、行き過ぎた活動は望ましくなく、適切な休養日等が確保される」べきと主張されている。
■現実は指針に逆行
ベネッセの第1回・第2回「子ども生活実態基本調査」をもとに筆者が作成しかしながら、なぜ20年も前の指針を、教育委員会が引用するのか。
その答えはまさに、「いまだにそれが実現していないから」ということに尽きる。
いや、それどころか状況はもっと悪くなっているとさえ言える。
上記指針の「2日以上の休養日」、「平日は3時間まで」を一つの基準として全国調査を見てみると、図に示したとおり、
一週あたり6日以上、一日あたり3時間以上の活動が現在おこなわれていて、
さらにその割合が2004年と比較して2009年でいっそう大きくなっているのである[注2]。
文科省の規制方針に逆行するかたちで、日数も時間数も増加している。
もはや「文科省の指針は有名無実化してきた」と言うべきであろう。
■週3休養日の実践例
「ゆとり部活動」を実践する、現役中学校教員の藤野悠介さん。
その「生徒の心に火をつけるためのブログ」によると、指導を担当するソフトテニス部は、
「火曜日完全オフ+土日はほぼやらない(生徒から大好評)」というかたちで週に約3日の休養日を設けている。
それでも県大会上位まで勝ち進んでいる。
もちろん、休養日を設けることが勝利につながる保証はないし、そもそも勝利を目指す必要はないのかもしれない。
私たちが藤野先生の取り組みから学ぶべきは、
毎日休みなく練習し続ける以外にも、運動部の実践方法がありうるということである。
そして、そのことは、すでに20年も前の国の指針に明記されている。
[注1]
たとえば、大阪市教育委員会「大阪市部活動指針―プレイヤーズファースト」(2013年9月)や、
長崎県教育委員会「運動部活動指導の手引」(2014年1月)などがある。
なお、文部省「運動部活動の在り方に関する調査研究報告書」に記載されている推奨例の詳細は、下記のとおりである。
〔運動部における休養日等の設定例〕(参考)
中学校の運動部では、学期中は週当たり2日以上の休養日を設定。
高等学校の運動部では、学期中は週当たり1日以上の休養日を設定。
練習試合や大会への参加など休業土曜日や日曜日に活動する必要がある場合は、休養日を他の曜日で確保。
休業土曜日や日曜日の活動については、子供の[ゆとり]を確保し、家族や部員以外の友達、地域の人々などとより触れ合えるようにするという学校週5日制の趣旨に適切に配慮。
長期休業中の活動については、上記の学期中の休養日の設定に準じた扱いを行うとともに、ある程度長期のまとまった休養日を設け、生徒に十分な休養を与える。
なお、効率的な練習を行い、長くても平日は2~3時間程度以内、休業土曜日や日曜日に実施する場合でも3~4時間程度以内で練習を終えることを目処とする。
長期休業中の練習についても、これに準ずる。
[注2]
詳しくは、ベネッセによる第1回・第2回「子ども生活実態基本調査」を参照。
この調査には運動部にくわえて文化部の生徒も含まれている。
なお、一日あたりの時間数については、元の質問紙では
「1時間未満/1時間くらい/1時間30分くらい/2時間くらい/2時間30分くらい/3時間くらい/3時間30分くらい/4時間くらい/4時間以上」
と選択肢があったものを、本記事では便宜的に
「2時間30分くらい」までを「3時間未満」、
「3時間くらい」以上を「3時間以上」に分類し図示している。
学校リスク(スポーツ事故、組体操事故、転落事故、「体罰」、「2分の1成人式」、教員の部活動負担など)の事例やデータを収集し、隠れた実態を明らかにすべく、研究をおこなっています。
個別事案や学校現場との接点も多く、また啓発活動として教員研修等の場において直接に情報を提供しています。
専門は教育社会学。博士(教育学)。
ヤフーオーサーアワード2015受賞。
教育社会学会理事、日本子ども安全学会理事。
著書に『教育という病』(光文社新書)、『柔道事故』(河出書房新社)、『「児童虐待」へのまなざし』(世界思想社、日本教育社会学会奨励賞受賞)。
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【私のコメント】
中学でも高校でも今、部活動は過剰になっている。
勉強にしろ、スポーツにしろ、過剰に行うことは、子供にとって害がある。
過剰に勉強をさせる学校がある一方で、過剰に部活動をさせる学校がある。
過剰な受験勉強が子供にとって害があるように、過剰な部活動も子供にとって害がある。
ところが、過剰な受験勉強に対する批判はあるが、過剰な部活動に対する批判はない。
平日は4時から9時まで5時間、土日は朝から晩まで10時間。
こんな部活動が当たり前になりつつある。
こんな部活動を強いられる子供たちにとって、授業時間は休息の時間で、部活動の時間こそが本業になっている。
子供だけではない。親たちもそれに巻き込まれている。練習試合の送迎はもちろんのこと、部活動によっては毎日の夜食の準備まで親が駆り出されている。
それに対応できる家庭ならばよいが、すべての家庭がそういうことをできるわけではない。
親の協力姿勢が、部活動での子供の評価につながることも多い。
親が協力できない家庭の子供は肩身の狭い思いをする。
全国大会が全国でテレビ中継される部活動ほどその傾向がある。
その際足るものが○球であり、○ッカーである。
プロを育てることが学校の部活動本来のあり方ではないはずだが、
一部の脚光を浴びる選手たちの裏で、全国の学校の部活動そのものがますます過剰になっている。
今の学校は過剰に勉強させるか、過剰に部活動をさせるかのどちらかになっていて、
その中間にたって勉強と部活動の両立を目指す場がなくなっている。
その結果どちらにも属せない無気力な生徒を多く生んでいる。
中東情勢で、アメリカは今度はサウジアラビア(スンニ派)とイラン(シーア派)の関係悪化工作に向けて動き出した。
きっかけはサウジ政府による、同国シーア派の指導者ニムル師の処刑である。
サウジアラビアは親米国家である。イランはイラン革命以来の反米国家である。
これを受け、1月4日、サウジアラビアとイランは国交を断絶した。
また昨年末には、日本と韓国との間で、従軍慰安婦問題に対して急きょ合意がまとまった。
ここにもアメリカの関与がある。
アメリカは中国に走りつつある韓国を再度アメリカサイドに取り戻したいのだ。
アベシンゾーは何の証拠もないまま、慰安婦に対する政府の関与を一部認める声明を発表した。
これはアベシンゾーの英断ではなく、アメリカの圧力である。
韓国が日米側にすり寄ったことをみて、それに危機感を覚えた北朝鮮は1月6日に突然、水爆実験を行った。
日本はすぐさまこれを非難した。
アメリカは今、イランや北朝鮮など反米国家の危機感をあおろうとしている。
そしてそれをみた親米国家の危機感もあおろうとしている。
アメリカが裏で支援しているイスラム国は、シリアとイラクでの活動地域のほかに、アフリカのリビアでの活動を拡大している。
リビアのカダフィ大佐殺害の裏には実はアメリカがいる。
40年続いたカダフィ政権が崩壊した後、今もリビアの混乱は続いている。
そこにイスラム国が入り込んでいるわけだ。
イスラム国はもともとイラクから発生した。
イラクは、アメリカのイラク戦争によってフセイン政権が倒された国である。
その混乱の中から生まれたのがイスラム国である。
イスラム国に一部占拠されたシリアをイランは支援しているから、イスラム国とイランは敵対関係にある。
彼らイスラム国はフセイン政権の残党ともいわれるが、スンニ派であり、同じスンニ派のサウジアラビアと近い関係にある。
そのサウジアラビアが、反米主義で反イスラム国のイランと国交を断絶した。
このようにアメリカは同盟国を使って、反米国家の危機感をあおることを本気で行っている。
昨年、憲法違反のまま法制化された集団的自衛権の行使を認めた日本は、このようなアメリカの動きをきちんと見定めなければならない。
そうでないとアメリカのいいように使われてしまう。
アベシンゾーはそういう男だ。
下には強いが、上にはめっきり弱い。
そのくせ戦争が好きだ。
今世界はデフレ状態である。
つまり需要不足である。
逆にいえば供給過剰である。
二大大国であるアメリカと中国でいえば、
アメリカは武器・弾薬の在庫があふれ、
中国はインフラ用の鉄やコンクリート資材の在庫を抱えている。
この両国ともいかにして国内にあふれかえる在庫の処分をするかに頭をひねっている。
そこでアメリカは武器・弾薬の需要を高めようとしている。それは地域紛争や戦争を起こしたがっているということだ。イスラム国にアメリカが裏で武器を供給しているという噂はそれと符合する。
それに対し中国は、インフラ用の鉄やコンクリートなどの海外輸出をはかろうとしている。それがアジアインフラ投資銀行(AIIB)のねらいである。新シルクロード計画、つまり『一帯一路』計画の一環である。
戦争とインフラ整備、どちらがいいか。
戦争は破壊する。インフラは建設する。
同じ在庫処分でも、その方向は全く逆である。
アメリカは軍産複合体とネオコンがそれを望んでいる。
それに対し中国は高級官僚の息のかかった国有企業がそれを望んでいる。
公共事業は、極論すればピラミッドを造るだけでもいい。そこに雇用が生まれ、人々に賃金が支払われる。ピラミッドは生活の役には立たなくても、害にはならない。何かを破壊するわけではない。実際中国では人の住まない高層マンションがピラミッドのように林立している。
ところが武器・弾薬は、それが使用されれば人々の生活が破壊される。戦争によって軍需景気が起こりそれによって経済が活性化することはよく見られることだが、その後には破壊が行われ、人々の命が失われる。
日本のアベシンゾーは後者を選ぼうとしている。
アメリカの軍産複合体は戦争をしたくてうずうずしている。日本はその圧力に押され集団的自衛権を合法化した。
逆に中国のアジアインフラ投資銀行(AIIB)には参加しなかった。日本は中国の下につくことをよしとしなかった。
ではこのままアメリカの下についたままではどうなるか。
アメリカの武器の消費に協力するだけだ。
オスプレイや戦闘機などもアメリカから購入するだろう。
米軍基地の費用も負担するだろう。
そして何よりアメリカ国債を裏で購入し続けるだろう。
つまり日本はアメリカのための消費を続けることになる。これは国内産業の消費ではない。
今日本は竹中平蔵などの供給サイドの経済学によって、供給過剰に陥っている。
日本だけではない。新自由主義によって世界中が供給過剰に陥っている。
それが株や土地などのバブルの原因であり、その反面での実需経済のデフレ現象を引き起こしている。
その対策として今世界中が金融緩和を行って、実物経済の需要を高めようとしているが、
有り余った資金は実物経済には向かわず、投機マネーとして、株や土地のバブルを生んでいる。
デフレ下のバブルという異常な現象がこうして起こっている。先進国のほとんどがこういう状態に陥っている。
供給過剰の経済からどうやって抜け出すか。
一見戦争とは関係ないように見えるが、アメリカと日本はかなり危険な道に進もうとしている。
日米同盟はかなり危険なことをしようとしている。
田中宇の国際ニュース解説 より
http://tanakanews.com/160104japan.htm
日韓和解なぜ今? 2016年1月4日 田中 宇
昨年12月28日、日本と韓国が従軍慰安婦問題で和解した。
日韓はなぜこのタイミングで、慰安婦問題を最終的・不可逆的に解決したのか。
日韓の国交正常化50周年である昨年のうちに何としても解決したかったから、とか、
1年以上にわたる双方の外交努力がようやく実ったから、といった説明がされている。
だが私から見ると、慰安婦問題による対立は、日韓双方にとって既存の国内権力構造の維持に好都合であり、政府間の解決への努力の多くは「努力するふりだけ」で、
よっぽど強い外部からの圧力がない限り、双方が解決に至ることはなかった。
(Japan, S.Korea diplomats meet ahead of ministerial talks on 'comfort women')
日韓双方の中枢で強い力を持つ「対米従属派」にとって、慰安婦問題を解決せず放置しておくことは、日韓の結束を阻み、日韓が別々に対米従属を続けることを可能にする便利な道具だった。
日韓が慰安婦問題を解決すると、阻まれていた日韓の直接の安保協調が強まり、米国は日本と韓国の駐留米軍を撤退しやすくなり、日韓両方の対米従属を終わりに近づける。
日韓の政府だけの意志で慰安婦問題が解決されることはなく、慰安婦問題の解決は、米国の差し金である可能性が高い。
外から日韓に強い圧力をかけられるのは米国だけだ。
慰安婦問題がなぜ今解決したのか、という問いは、オバマ政権がなぜ今日韓に和解しろと圧力をかけたのかという問いになる。
(Japan, South Korea Reach Agreement on 'Comfort Women')
先に私なりの答えを書いておくと、それは
「オバマは、任期最後の年である今年、北朝鮮の核開発問題を解決したいのでないか。そのためにまず、米国の力で最も簡単に解決できる日韓の和解を実現したのでないか」
ということだ。
米大統領が、軍産複合体やイスラエルの政治圧力を気にせず国際戦略を進められるのは、再選されて2期8年やれた場合の、もう先に選挙がない最後の2年間だけだ。
オバマは、最後の2年のうちの前半である昨年、中東に専念し、
イラン核問題を解決し、
シリアにロシア軍を呼び込み、
中東での露イランの影響力を急増させ、イスラエルをへこました。
残る今年の1年、北朝鮮問題の解決や、中国を強化するかたちで譲歩するニクソン的なやり方を進める可能性がある。
北朝鮮の核兵器廃棄を目標にする6カ国協議は2003年から07年まで断続的に開かれたが、09年の北の2回目の核実験以降、頓挫している。
だが中国と韓国は昨年11月下旬、協議の再開に向けて動いていくことで合意した。
(China, South Korea to Discuss Return to Six-Party Talks on North Korea) (世界多極化:ニクソン戦略の完成) (◆イランとオバマとプーチンの勝利) (シリアをロシアに任せる米国)
慰安婦問題の解決が米国の圧力で実現したとする分析は米国からも出ている。
「米国は、日韓を団結させて中国に対抗させる意味で、慰安婦問題の解決を歓迎している」とブルームバーグ通信は書いている。
しかし、これは全く間違いだ。
中国と韓国は昨秋、9月の韓国の朴槿恵大統領の訪中などの際に、中韓で日本を引っぱり込んで日中韓サミットを開催することや、日韓関係を改善すること、中国と韓国の海洋紛争(黄海にある蘇岩礁=イオドの領有紛争。おそらく中国側が譲歩する)の解決、それから北核6カ国協議の再開努力などを両国間で合意している。
(Landmark Japan-South Korea Deal Backs Obama's Asia Rebalance) (China has wider hopes for Seoul talks, say observers) (Why China would compromise in the Yellow Sea) (China Holds Bilateral Talks With South Korea, Japan)
これらから考えると、昨秋からの流れは、日韓が結束して中国と敵対する動きでなく、中韓が結束して日本を取り込む動きだ。
中韓は、日本を取り込んだ後、6カ国協議を再開して北朝鮮問題を解決していこうと考えている。
(China, Japan, South Korea to Hold Long-Delayed Trilateral Summit)
米国の外交戦略立案の奥の院であるシンクタンク外交問題評議会(CFR)は大晦日に、オバマ政権が最後の1年に入る今こそ米朝関係を改善して6カ国協議を再開し、北朝鮮の問題を解決する好機だとする分析を載せている。
それによると、米国は前回2012年に北核問題の解決をめざして北と交渉したが、先に北に核開発施設を破棄(破壊)させ、その上で6カ国協議を開くというシナリオだったため、北が警戒して実現しなかった。
そのため、今後6カ国協議では、核施設の廃棄と6カ国協議を同時に進めるべきだとCFRは提唱している。
(Time for a New Approach in U.S.-North Korea Relations) (Launch the Perry Process 2)
これは、北が核施設を破壊するふりをするだけで、米朝関係の正常化など交渉の果実を得られる可能性を持ったシナリオだ。
この10年間、米国が北に提示するアメ(米朝正常化)とむち(核廃棄)は、むちが先でアメが後という軍産に有利な条件から、
アメが先でむちが後という北に有利な条件へと、しだいに動いている。
米国が提案する条件を北が容認し、6カ国協議が進展する可能性が高まっている。
(北朝鮮問題の解決が近い -2007年1月) (北朝鮮核交渉の停滞)
2012年に前回オバマが北核問題の解決に動いた時、それを阻止する動きとして出たのが、
慰安婦問題と竹島紛争での日韓の対立扇動(12年8月の李明博の竹島訪問など)と、
12年秋の尖閣国有化など尖閣を使った日中対立の扇動だった。
(李明博の竹島訪問と南北関係)
北核問題の解決は、03年に米国主導で6カ国協議の体制が組まれたときから、日韓が対米従属をやめて日中韓が協調を強める「東アジア新秩序」の創設と抱き合わせになっている。
日韓、日中の関係を好転させてからでないと、6カ国協議が進まない。
慰安婦問題を口実にした日韓対立は、東アジアの新秩序への移行を阻止する一要素となっている。
(6カ国協議にはもう一つ隠れた目的として「北を中国の属国としてしばりつけること」がある。これに金正恩が抵抗していることも、6カ国協議が頓挫している原因だ)。
(アジアのことをアジアに任せる) (北朝鮮の中国属国化で転換する東アジア安保)
北核の6カ国協議が提示してきたシナリオは、日韓、日中、米中、中韓の安定的な関係を前提に、北に核兵器を廃棄させ、南北、米朝が和解し、東アジアから国家間対立の構造をすべて除去し、
日韓から米軍が撤退し、代わりに日韓は中露朝と新たな安保体制を組み、
日韓朝中米露の6カ国で集団安保体制を作ることを最終目標としてきた。
前回6カ国協議が再開をめざしていた12年には、
日韓が「北への共同防衛」を口実に、諜報分野を皮切りに安保協定を締結する交渉が進んでいたか、
これは日韓が軍事的に対米自立する道の始まりを意味し、6カ国協議のシナリオの一部だった。
日韓安保協定は、米国の圧力で進められ、締結直前までいったが、慰安婦問題と竹島問題の扇動によって12年に日韓の関係が劇的に悪化した後、棚上げされたままになっている。
(日米安保から北東アジア安保へ) (ヤルタ体制の復活)
興味深いのは今回、日韓が慰安婦問題の和解と同時並行して、棚上げされていた諜報分野の安保協定について「北の脅威の増加」を口実に、15年10月から話し合いを再開していることだ。
慰安婦問題の扇動で12年に棚上げされた日韓安保協定締結が、慰安婦問題の解決とともに復活する流れになっている。
慰安婦問題の解決は、もっと奥深い日韓の対米従属からの脱皮や、東アジア新秩序の構築への作業の再開であると感じられる。
('Korea, US, Japan discussing role of Self-Defense Forces') (日中韓協調策に乗れない日本) (一線を越えて危うくなる日本) (転換前夜の東アジア)
対米従属派に洗脳されている日本人は「米国が、日韓をくっつけて対米従属から引き剥がしたいはずがない」と考えるかもしれないが、
日韓安保協定は間違いなく米国の差し金だ。
慰安婦問題の解決を受け、1月中にも、米国と日韓で「北朝鮮の脅威」を口実に、安保協調関係の強化が話し合われる。
北朝鮮は近く核実験を再開する見通しと報じられている。
日韓の安保協定は「米国の差し金」でなく「北の核の脅威」に対応するために日韓が米国と関係なく独自に進めるものという歪曲報道が出回りそうだ。
(North Korea could be preparing nuclear test, Seoul says)
6カ国協議は、これまで何度か進展の機会があったが、いずれも北の消極性が最大の原因で、頓挫している。
韓国が対米従属なので、北が米国と和解して米朝が対等な友好国になると、北は韓国より上位に立てる。
米国は、この展開を嫌い、6カ国協議を中国に主導させ、北が米国と和解すると同時に中国の傘下に入るように仕向け、中国が南北を仲裁する構図の中に北を落とし込もうとしてきた。
北がこれを拒否して核実験やミサイル発射を繰り替えし、6カ国協議が頓挫していた。
(世界の転換を止める北朝鮮) (中国の傘下で生き残る北朝鮮) (御しがたい北朝鮮)
もし今年、米国が6カ国協議の前哨戦として北との交渉を再開し、米国が北に譲歩するかたちで6カ国協議が開かれると、その落としどころは以前と同じ「北を中国の属国にする」ことだ。
北の金正恩がそれを了承するのか疑問だ。
しかし、もし6カ国協議が進展すると、それはほぼ確実に、日韓からの米軍撤退や、日韓の対米従属色の希薄化を引き起こす。
慰安婦問題の解決と並行して、米軍撤退に向かう道の始まりである日韓の安保協定の締結が、すでに現実的な話として交渉されている。
(中国と対立するなら露朝韓と組め) (東アジア新秩序の悪役にされる日本)
この話が進むと、沖縄の米海兵隊のグアム撤退の構想が再燃する可能性が増す。
海兵隊の普天間基地の代替になる辺野古の基地の建設が、沖縄県民の強い反対を受けている。
米政府は以前から何度か「日本政府が辺野古に基地を作れないなら、海兵隊をグアムに撤退するよ」と言っている。
世界で唯一の、米軍海兵隊の米国外の恒久駐留基地が日本にあることは、日本の対米従属(日米同盟)の象徴だ。
海兵隊の撤退は、日本の対米従属の減退を意味するので、日本の隠然独裁的な官僚機構は、海兵隊に出ていかれる前に、是が非でも、法規をねじ曲げても、急いで辺野古の代替基地を作らねばならないと考えている。
(再浮上した沖縄米軍グアム移転) (日本が忘れた普天間問題に取り組む米議会)
6カ国協議の進展は、海兵隊のグアム撤退を阻止(できるだけ長く先延ばし)したい日本の官僚機構にとって、新たな脅威の出現になる。
6カ国協議再開の先鞭となる、慰安婦問題解決や、日韓安保協定の交渉再開が驚きなのは、この点においてだ。
オバマ政権が日韓、特に日本政府に「核実験再開が近い北の脅威の増大」などを口実に、強い圧力をかけた結果、慰安婦問題が解決されたのだろう。
(日本の権力構造と在日米軍)
慰安婦問題で日韓の関係が悪化する直前の2011-12年にも、北核6カ国協議の再開、日韓安保協定の交渉、米海兵隊のグアム移転など「米国が東アジアから出ていく方向」の流れが起きていた。
だが12-13年にかけて、
慰安婦と竹島の問題での日韓関係の悪化、
日韓安保協定の棚上げ、
尖閣諸島国有化を皮切りとした日中敵対の激化、
北朝鮮の消極性による6カ国協議の頓挫、
北の中国の属国化拒否としての13年末の張成沢の処刑、
米軍グアム撤退の雲散霧消、辺野古基地建設をめぐる沖縄への異様な圧力などが起こり、
米国の東アジア覇権が存続するかたちで今に至っている。
(北朝鮮・張成沢の処刑をめぐる考察)
今回、米国からの圧力による慰安婦問題の解決、日韓安保協定の再交渉が始まったことは、11-12年の「米国が出ていく流れ」の再開になるかもしれない。
東シナ海紛争、南シナ海紛争への日本の介入、潜水艦受注に始まる日豪同盟の可能性(対米従属から日豪亜同盟への転換)などを含め、今年の展開が注目される。
(日豪は太平洋の第3極になるか)
毎日新聞 より
http://mainichi.jp/articles/20160105/ddm/001/020/161000c
東証 大発会、582円安 NY急落、中国で取引強制停止
毎日新聞2016年1月5日 東京朝刊
今年最初の取引となる大発会(だいはっかい)で東京株式市場は4日、
日経平均株価の終値が昨年最後の取引日(12月30日)と比べて582円73銭安の1万8450円98銭と、
約2カ月半ぶりの安値で取引を終えた。
大発会での日経平均の下落は3年連続。
この日はアジアや欧州、米国などの株式市場でも軒並み株価が下落し、
2016年は世界同時株安の様相で幕を開けた。
日経平均は昨年末の米株安を嫌気し、取引開始から売りが広がった。
午前に発表された中国製造業の景況感を表す指数が市場予想に反して悪化し、中国の代表的な株価指数である上海総合指数が急落すると、投資家の間に中国経済の先行きを警戒する雰囲気が再燃した。
日経平均も全面安の展開となり、下げ幅は一時、600円を超えた。
東京外国為替市場も安全資産とされる円を買う動きが広がり、
午後5時時点の円相場は昨年12月30日と比べ、1円44銭円高の1ドル=118円97銭まで上昇した。
上海証券取引所と深セン証券取引所ではこの日から、株価の急変を防止するため取引を強制的に中止する「サーキットブレーカー」制度が導入されたが、
導入初日から制限幅を超えて下落し、制度を発動して取引を停止する事態となった。
株安はアジア、欧州などその後市場を開いた各国にも飛び火した。
4日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は、
昨年最後の取引日12月31日の終値から一時400ドル超下落し、1万7000ドルを割り込んだ。
サウジアラビアとイランの外交関係断絶が伝わったことで原油価格も先行き不透明感が強まっている。
三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは「国内の企業業績は堅調だが、日本株は今年も海外リスクに大きく影響されそうだ」と指摘する。
【土屋渓、北京・井出晋平、ワシントン清水憲司】
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【私のコメント】
実体経済の実力はこれぐらいだろうが、今年は選挙の年、政府は何か手を打つかもしれない。
日銀はなりふりかまわず第3弾の金融緩和をするかも。
でも長期的には株価は厳しい。
中国を始め不安材料は多い。
朝日新聞 より
http://www.asahi.com/articles/ASHDM73XDHDMUDCB00V.html
「氣志團」綾小路翔さん、表現の自由について思うこと
聞き手・湊彬子
2016年1月3日15時47分
――表現の自由について思うことは。
いっぱいありますね。
活動の中でNGが出ることも多々あります。
何でも自粛って感じで。
発言一つで干されてしまうことも往々にしてある。
特に我々のような職業の人間への風当たりは強いですよね。
これだけのインターネット社会だから、もう何かあればとことんたたかれますし。
でも自分は言いたいことは言うし、やりたいことはやるつもりです。
そこには必ずリスクと責任が伴うことを理解した上で。
もちろん、愉快痛快なことをです。
ただ、最近は何だか恐ろしいですよね。
ニュースまでも大事なことを言わなくなっちゃったりとか。
政治家の人たちは何でもキチンと国民に説明しなくちゃダメですね。
俺なんかが政治のことに口出しするなんてガラじゃないって思ってましたが、もうそうも言ってられないのかなって気もしています。
ただし、戦うなら戦うで勉強しなくちゃですね。
ちゃんと知識で武装もしたい。
素手では勝ち目なさそうですし、まずは礼儀としても。って風には思ってるんですけどね。
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〈あやのこうじ しょう〉 千葉県木更津市出身の「永遠の16歳」。ロックバンド「氣志團」の團長。先月に新曲「我ら思う、故に我ら在り」、今月27日にアルバム「不良品」を発売。2月から全国ツアーがある。
田中龍作ジャーナル より
http://tanakaryusaku.jp/2016/01/00012737
小沢代表 「このまま行けば自公と大阪維新で3分の2取る」
生活の党と山本太郎となかまたちの小沢一郎共同代表は、きょうの定例記者会見で
「このまま行けば自公とおおさか維新で3分の2を取る」との認識を示した。
改憲発議の条件となる議席の3分の2については、昨年末にも山口二郎・法政大学教授(政治学)が野党の地方議員の集会で同様の見解を示している。
理由は野党が結束していないことだ。
32ある1人区(改選121議席)で候補者調整ができた選挙区は数えるほどだ。
衆院選とのダブルともなれば、295ある小選挙区での調整は、今の野党にとっては至難の業となるだろう。
小沢代表や山口教授が指摘する「自公とおおさか維新で3分の2」は確かに合理的だ。
憲法改正で最も怖いのは9条ではない。
自民党改憲草案98、99条にある「緊急事態条項」だ。
内閣総理大臣の判断で基本的人権をも制限できる条項である。
戒厳令と言い換えてもいいだろう。
小沢共同代表は緊急事態条項について次のように危機感を示した―
「安保法制もそうだが、国民の生命、財産を守るんだという美名の下になんでもできる既成事実をつくるというやり方(中略)・・・今の極右的安倍政権の下では、運用やら解釈やらが捻じ曲げられて利用される可能性が非常に高い」。
山本太郎共同代表は「恣意的な運用をするに決まっているだろう」と喝破した。
この秋、日本は一気に戦前戦中の暗い時代に逆戻りするのだろうか。
~終わり~
2016年1月4日 戦争法廃止!安倍内閣退陣!1・4国会開会日総がかり行動 衆議院第2議員会館前