ひょうきちの疑問

新聞・テレビ報道はおかしい。
2020年のアメリカ大統領選以後はムチャクチャ

マイナス金利という異常さ 2

2016-01-31 09:34:32 | 国際金融

本来銀行の信用創造は、拡大再生産を目指すものだ。その信用創造を促進するために預金に金利がつく。
しかしその預金金利がマイナスになるということは、信用創造が失われ、社会の経済規模は縮小することになる。
にもかかわらず日銀はマイナス金利を導入することによって、社会の経済規模を拡大しようとしている。
短期の利益にとらわれて、やっていることが逆なのだ。

こういうことは企業の経営者が自分の給料アップを目指して、短期の企業業績のアップを目指し、長期的な経営戦略を見失っていることと同じことだろう。

アメリカ企業が次々と倒産している中で、その倒産企業トップの所得のみが何十億ドルもに跳ね上がっているのと構造は同じだ。
要は企業トップの利益のために、企業そのものがつぶされていくのだ。

アベノミクのインフレ率2%達成のために、日本経済がガタガタになっていく。


マイナス金利という異常さ

2016-01-31 06:47:59 | 国際金融

1/31(日)

健康になるためのブログ より
http://健康法.jp/archives/12252


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【私のコメント】

先週1月29日(金)、日銀はマイナス金利導入を発表し、さらなる金融緩和が実施されることになった。マイナス金利はすでに欧州中央銀行(ECB)が導入しているが、それが日本にも導入されることになった。
これは日銀にある市中銀行の当座預金に-0.1%のマイナス金利をつけるものだ。つまり市中銀行は日銀に資金を預ければ預けるほど損をすることになる。
日銀はこれによって、市中銀行の当座預金額を減らし、その分を民間企業への貸し出しに回そうとするものだ。
民間企業にとっては銀行からの借金を増やさせようとするものだ。
しかし民間企業には資金需要がない。
借りる必要がないものを誰が借りるのだろうか。日銀の当座預金がマイナス金利になったからといって、市中銀行が民間企業に貸し付ける資金がマイナス金利になるわけではない。当然、民間企業は市中銀行に利息を払うことになる。
金利は低下するかもしれないが、不用なお金をわざわざ金利を払ってまで借りる企業はない。
にもかかわらず日銀は半ば強制的に市中銀行から民間企業への貸付金を増やそうとしている。
これは企業側からいえば債務額を増やそうとするものだ。

民間企業の債務額が増えれば、景気がよくなる、ということがあり得るのだろうか。
そもそも民間企業には資金需要がないのだ。設備投資をして、それを成功させる展望が開けないのだ。
それにもかかわらず日銀は債務者を増やそうとしている。

利息というのは資本主義以前からあるものだ。その金利がマイナスになったことは今までない。
100万円のお金を貸して、それが99万円で戻ってくるということがあるのだろうか。
逆にいえば、100万円のお金を借りて、99万円返済すればいいということになる。借りる側が1万円の儲けになる。
常識ではあり得ないことだ。

これは資本主義が機能しなくなっているというよりも、社会の機能そのものがおかしくなっているということだ。

利息を取らない社会というものはイスラム社会などにあるが、その利息がマイナスになる社会というのは聞いたことがない。
日銀はデフレを脱却することが絶対的な善だという立場に立っているが、社会はインフレの時もあればデフレの時もある。
インフレが絶対的な善で、デフレが絶対的な悪だとする発想はどこか狂っているのではなかろうか。
インフレ率2%達成のために、日銀の当座預金にマイナス金利を導入するということは、社会そのもののシステムを破壊することにつながる恐れがある。

借金はあるよりもない方がいい。しかし日銀がやっていることは債務者を減らそうとするのではなく、逆に債務者を増やそうとするものだ。それが健全な社会だとは思えない。
これは紙幣というものの悪用だと思える。
紙幣を印刷するのはタダでできる。イザとなったら紙幣を印刷すればよい。
そんな法外な楽観論が見え隠れする。
日銀の通貨の番人としての役割は壊れている。日銀の黒田東彦の頭の中は異常な妄想にとりつかれているとしか思えない。
紙幣を刷るだけで経済をどうにでもできるという異常な思想にとりつかれているのではないか。
自分が目標として掲げたインフレ率2%達成のためなら、健全な社会の常識を壊してもかまわないとでも思っているようだ。

欧州中央銀行(ECB)もすでにマイナス金利をしているではないかというかもしれないが、EUは国家が独自で金融政策をできないという異常な社会である。EUの通貨発行権は各国の中央銀行にあるのではなく、国家の枠を越えた欧州中央銀行が握っている。だからEU内の国は国独自の金融政策を打つことができない。

100万円借りたなら100万円返すというのは当たり前である。通常はそこに利息が発生する。
利息は通貨の使用料である。それがマイナスになるということは、通貨の使用に価値がないどころか、マイナスの価値しかないことになる。
これは通貨、特に紙幣そのものの存在価値がなくなるということではなかろうか。
利息を取らない社会というものはあっても、その利息がマイナスになるということはなかった。
日銀の黒田東彦はそういうことを行った。

おかげで日経平均株価は高騰し、為替は121円の円安になったが、それでいいのだろうか。

通貨、特に紙幣そのものの意味が根本から崩れているのではなかろうか。

1990年代以降、アメリカが製造業を捨てて金融立国を目指してから、世界の金融は変調を来している。アメリカは株価や為替を激しく乱高下させ、その利ざやで儲けている。デリバティブやサブプライムローンの証券化など、異常な金融取引が激しさを増している。
その異常さの終着点が今回のマイナス金利ではなかろうか。
この続きがどうなるか、はっきりしたことはまだ誰にもわからない。
自分の目標達成のためには手段を選ばず、無責任きわまりない。