中東情勢で、アメリカは今度はサウジアラビア(スンニ派)とイラン(シーア派)の関係悪化工作に向けて動き出した。
きっかけはサウジ政府による、同国シーア派の指導者ニムル師の処刑である。
サウジアラビアは親米国家である。イランはイラン革命以来の反米国家である。
これを受け、1月4日、サウジアラビアとイランは国交を断絶した。
また昨年末には、日本と韓国との間で、従軍慰安婦問題に対して急きょ合意がまとまった。
ここにもアメリカの関与がある。
アメリカは中国に走りつつある韓国を再度アメリカサイドに取り戻したいのだ。
アベシンゾーは何の証拠もないまま、慰安婦に対する政府の関与を一部認める声明を発表した。
これはアベシンゾーの英断ではなく、アメリカの圧力である。
韓国が日米側にすり寄ったことをみて、それに危機感を覚えた北朝鮮は1月6日に突然、水爆実験を行った。
日本はすぐさまこれを非難した。
アメリカは今、イランや北朝鮮など反米国家の危機感をあおろうとしている。
そしてそれをみた親米国家の危機感もあおろうとしている。
アメリカが裏で支援しているイスラム国は、シリアとイラクでの活動地域のほかに、アフリカのリビアでの活動を拡大している。
リビアのカダフィ大佐殺害の裏には実はアメリカがいる。
40年続いたカダフィ政権が崩壊した後、今もリビアの混乱は続いている。
そこにイスラム国が入り込んでいるわけだ。
イスラム国はもともとイラクから発生した。
イラクは、アメリカのイラク戦争によってフセイン政権が倒された国である。
その混乱の中から生まれたのがイスラム国である。
イスラム国に一部占拠されたシリアをイランは支援しているから、イスラム国とイランは敵対関係にある。
彼らイスラム国はフセイン政権の残党ともいわれるが、スンニ派であり、同じスンニ派のサウジアラビアと近い関係にある。
そのサウジアラビアが、反米主義で反イスラム国のイランと国交を断絶した。
このようにアメリカは同盟国を使って、反米国家の危機感をあおることを本気で行っている。
昨年、憲法違反のまま法制化された集団的自衛権の行使を認めた日本は、このようなアメリカの動きをきちんと見定めなければならない。
そうでないとアメリカのいいように使われてしまう。
アベシンゾーはそういう男だ。
下には強いが、上にはめっきり弱い。
そのくせ戦争が好きだ。