ひょうきちの疑問

新聞・テレビ報道はおかしい。
2020年のアメリカ大統領選以後はムチャクチャ

官と民の違い

2009-10-22 22:52:48 | 理念

財政改革のためにいまだに民間からの委員が登用されているが、
官と民の違いは、官は、
① お金を作れるということ、
② 利潤追求を目的としないこと、
③ 法律を作れるということ、
この3つが根本的に違う。

官に富を集中させることが目的ではなく、富を生み出すための条件整備をすることである。
集めた富を自分のものにすることではなく、社会に還元することである。

極論すれば、
お金がなければお金を印刷すればいいし、
拡大再生産をやめたければやめても良い。
最大多数のために法律を作ることも変えることもできる。

このようなことは民の発想にはないことである。

『民間では考えられないこと』、
そういって官はよく批判されるが、
そのことは良い場合もあれば悪い場合もある。

最も恐いことは、官が民と同じ発想で仕事をすることである。

アメリカが欲しいのは郵貯・簡保のカネ それを守れ斎藤新社長

2009-10-22 20:14:21 | 労働者派遣、郵政民営化、地方分権

 

新ベンチャー革命 2009年10月21日 No.38
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/2255643.html

タイトル: 案の定、日本郵政新社長は官僚(元)に内定


1.日本郵政西川社長後任に斎藤元大蔵事務次官内定

 2009年10月21日、日本郵政(JP)の社長の交代が決まりました。
三井住友銀行出身の西川善文氏が辞任し、元大蔵省官僚(事務次官)の斎藤次郎氏に決まりました。

 筆者は、次期JP社長は意外にも民間人ではなく、官僚系人物ではないかと予測していたので、やっぱりそうかと納得すると同時に、
日銀、郵貯という日本の二大国営銀行における闇権力の支配権抗争に一応、決着がついたと判断しています。
ちなみに、亀井郵政・金融担当大臣もポスト西川の官僚経験者就任の可能性を否定していませんでした。
彼のロジックからすれば、日本の郵政事業は元の公営に戻す考えなので当然です。

 歴代大蔵事務次官の中でも、ピカ一のキレ者といわれた斎藤氏は
95年、住専問題の責任をとって大蔵事務次官を任期途中で辞任しています。
同氏は非自民の細川政権時代に小沢寄りの姿勢をとっていたため、
その後長い間、自民党政権から干されてきたのが、
政権交代の幸運に恵まれ、10数年後にようやく報われた(捲土重来)ということです。

 大蔵省時代の斎藤氏は、
91年、小沢氏が自民党幹事長時代、湾岸戦争復興支援の名目で、都合130億ドルの対米拠出(名目上は多国籍軍支援)を行ったとき、
大蔵省官房長として小沢氏および米国政府(戦争屋=CIA系パパ・ブッシュ政権)に大貢献しています。
つまり小沢氏と戦争屋=CIAの両方に信認の厚い人物(ここが重要ポイント)です。
今回の人事は亀井郵政・金融担当大臣の意向ではなく、
小沢氏の意向が強く働いたことは明白です。


2.日本郵政新社長人事が元大蔵官僚とは意外か

 2005年以来、郵政民営化と言っておきながら、ここにきて、JP新社長が、あろうことか元大蔵官僚とは?多くの日本国民は首をかしげるでしょう。
大手マスコミは郵政民営化の後戻りととらえているようで、
これまでの大手マスコミの小泉ヨイショを全否定する(?)結果です。
その意味でこの人事は大手マスコミのメンツ丸つぶれのように見えます。
2009年10月21日付け朝日新聞に至っては、
あの竹中平蔵氏(郵政民営化の推進者だった)を登場させ、
民主党批判の大キャンペーンを繰り広げています。
過半の国民は彼の売国性を見抜いているというのに・・・。


3.日本郵政新社長に親米官僚が天下ることはある程度予測できた

 筆者はJPがいずれ親・戦争屋=CIAの官僚(郵政系)支配になるのではないかと危惧していました(注1)。
今回、それが郵政官僚ダイレクトではなく、ワンクッション置いて元大蔵官僚だったということです。
2001年以前、大蔵省時代の日本では、郵貯・簡保資産を郵政省から運用委託されていたのが大蔵省でしたから。


4.なぜ、日本郵政新社長に元官僚就任が予測できたか

 なぜ、筆者が、官僚(郵政官僚あるいは郵貯・簡保運用経験のある元大蔵官僚)がJP社長に天下ることを予測できたか、
その論拠は、
2009年6月、戦争屋=CIA(米軍産複合体、デビッドRF系)のエージェント・読売ナベツネグループの豹変(注2)、
および2008年4月、アンチ戦争屋の銀行屋(国際金融資本オーナー、米中央銀行FRB主要株主、ジェイRF系)と親しい小沢氏の強引な日銀総裁人事への干渉、
すなわち日銀への財務省支配の完全遮断(注3)
という二つの事実から説明できます。


5.今年6月の鳩山邦vs 西川バトルでは銀行屋に軍配

 郵政民営化は元々、戦争屋(デビッドRF系)が仕掛け、
後から銀行屋(ジェイRF系)が悪乗りしてきたというのが筆者の持論ですが、
2008年後半より2009年初頭にかけての、米国における戦争屋から銀行屋への覇権交代(注4)に伴い、
郵政米営化利権争奪をめぐる戦争屋対銀行屋の抗争において、
銀行屋が優勢となったと分析しています。
その結果が、今年6月の鳩山邦夫総務大臣対西川JP社長のバトルの後、
銀行屋系の西川氏の社長居座りにつながったのです。

 ところが、その後も、戦争屋と銀行屋の日本郵政利権の争奪延長戦が闇で続き(注5)、
今回の人事が決まったと思われます。
簡単に言うと、戦争屋と銀行屋の棲み分け(妥協)が成立、
日銀の究極支配権を銀行屋(日銀の株主でもある)がもらう、
その代わりJPの究極支配権を戦争屋がもらうというような話で決着がついたのではないでしょうか。

 要するに、戦争屋も銀行屋も郵政民営化は単に口実です。
欲しいのは日本国民のカネ、カネ、カネそれだけです。
上記、郵政民営化を金科玉条のように考える日本の大手マスコミはなんてトンマなのでしょうか。


6.その後、戦争屋の巻き返しが奏功

 JPは今回、元大蔵官僚(親・戦争屋官僚か)経由にて戦争屋=CIAの手に落ちたということです。
拙稿(注2)に示す、今年6月、鳩山邦対西川バトルの際、
戦争屋=CIAエージェント・読売ナベツネの豹変から、
筆者は今回のような事態(JP社長に親米官僚天下り)をある程度、予測していました。
ただし、その時点では、総務省の親米郵政官僚がポスト西川のJP社長に天下ると読んでいましたが、
それでは、あまりにミエミエなので、たぶんワンクッションおいて親米と思われている元大蔵官僚(親・戦争屋か?)としてJP社長に就任したということです。


7.皮肉にも、小泉元首相の当初の悲願(郵政大蔵化)が実現

 ところで郵政民営化に血道を上げた小泉元首相は元々、大蔵族であり、
彼の郵政民営化の当初の真意は、
郵貯・簡保を民営化して、他の民間金融機関と同様、大蔵省の支配下に組み込むこと(郵政大蔵化)でした。
同氏は首相ポストをエサに、その思想を米国覇権主義者に利用されたにすぎませんが、
皮肉にも、今回のJP人事は、小泉氏の当初の狙い(郵政大蔵化)に沿った結果とみなせないこともありません(笑)。


8.小沢・亀井両氏は戦争屋=CIAに屈したのか

 小沢氏も亀井氏も、これまでの言動から、
小泉・竹中コンビのように、
米国ジャパンハンドラーの言いなりになるとは考えにくいわけです。
表向き、JP人事は斎藤氏という親米(?)元大蔵官僚を据え、
戦争屋=CIAの暗黙の合意を取って、
実は小沢氏は彼らの要求(郵貯・簡保資金を戦争屋の戦争資金に流用)を巧みにかわそうとしているのではないでしょうか。
なぜなら、斎藤氏は小沢氏とも懇意だからです。
しかしながら、この部分に限って、現時点では未知数です。


9.危ないのはむしろ、小泉・竹中コンビ

 戦争屋=CIAは、
今回のJP人事 で完全に小泉・竹中コンビから、
小沢・斎藤コンビに鞍替えすることになるでしょう。
そうなれば、小泉・竹中コンビは戦争屋=CIAからハシゴをはずされ、
窮地に追い込まれます。
これまで、小泉・竹中コンビをヨイショしてきた経団連(米国市場で生きてきた企業の経営者)、
大手マスコミ(=親・戦争屋の電通)も同じくハシゴをはずされます。
そこで彼らは泡食って、ブッシュ・ジュニア元大統領を来日させ、小泉とのツーショット演出、また上記の朝日新聞のように狂ったような竹中ヨイショの強行に突っ走っています。
このように大手マスコミ(特に政治論説委員)は完全に国民から遊離してしまいました。
彼らはもう狂っているとしか言いようがありません。

 近未来、小泉・竹中マンセー一派への対国民向け見せしめ・吊るしあげサプライズの予感があります。
戦争屋=CIAは謀略がばれそうになると、身代わりをでっちあげて自己防衛する、これは彼らのいつもの得意ワザです。
たとえば9.11事件をみれば、それは一目瞭然です。

注1:本ブログNo.23『亀井郵政・金融担当大臣:命がけの就任』2009年9月16日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/938730.html

注2:ベンチャー革命No.303『一転、鳩山応援:読売豹変のなぜ?』2009年6月15日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr303.htm

注3:ベンチャー革命No.257『小沢民主党:なぜこだわる日銀人事』2008年4月9日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr257.htm

注4:ベンチャー革命No.302『国民資産700兆円の対米債権:戦争屋より銀行屋に奪われたい!』2009年6月6日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr302.htm

注5:本ブログNo.15『日本郵政会長人事にみる米国覇権の暗闘』2009年8月29日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/489817.html


斉藤次郎元大蔵次官を日本郵政次期社長に・・・。

2009-10-22 17:30:46 | 労働者派遣、郵政民営化、地方分権

2009.10.22 山崎行太郎の政治ブログ より
http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20091022

■斉藤次郎元大蔵次官を日本郵政次期社長に・・・。


小沢一郎幹事長との関係が深い斉藤次郎元大蔵次官を、日本郵政次期社長に・・・。
これは、大方の予想を裏切る大胆な人事であって、亀井・小沢コンビが、この政権を実質的に支配していることを見せ付ける人事だ、といっていいだろう。
もし、この人事が亀井氏主導で決まったとすれば、亀井氏が、この政権の権力構造を正確に読んでいるということだろう。
これで、「政府は亀井、党は小沢」の磐石の体制がさらに強固なものになる。
鳩山側近や藤井某や原口某の出番はない。

ところで、二、三日前から、朝日新聞等を使って、さかんに今回の日本郵政人事に対して批判と扇動を繰り返している竹中平蔵氏だが、
今更、「手続き」がどうの「説明責任」かどうの、
あるいはまた「脱官僚」がどうのと、
何をいっても、所詮は権力闘争に敗れた「負け犬の遠吠え」であって、
都合が悪くなるとさっさと議員辞職し、権力闘争の最前線から逃げ出した男の「泣き言」にしか聞こえない。
こういうのを、「引かれ者の小唄」というのだろう。
稀代の詐欺師・竹中平蔵氏の「ヤワラちゃんスマイル」の顔はもう見たくないし、
その弁舌さわやかな詐欺師口調の「間違いだらけのトンンデモ経済学」なども聞きたくない。
それでも、自らが政治力を行使して連れてきた西川善文・日本郵政社長を弁護し、擁護したいのなら、
今更、女々しく泣き言等を言ってないで、悪行が暴露される前に、悪党は悪党らしく責任をとってさっさと腹を切れ。
というのは冗談だが、竹中さんよ、
必死なのはわかるが、これ以上、騒ぐと墓穴を掘ることになるよ。
詐欺師は詐欺師らしく、おとなしく片隅に引っ込んでいた方がいいのではあるまいか、
と思う、今日この頃であった。


■斉藤次郎氏記者会見動画。
http://www.youtube.com/watch?v=zpg6sy9giwM


■竹中平蔵氏の言い分
「脱官僚」に偽り=日本郵政人事を非難-竹中元総務相
時事通信  2009年10月21日(水)22:03

 竹中平蔵元総務相は21日、日本郵政の次期社長に元大蔵事務次官の斎藤次郎氏が内定したことについて、
「『脱官僚』を掲げる民主党の看板と大きく異なる。説明責任も果たしていない」
と政府を強く非難した。
 斎藤氏は旧大蔵省を退官後、東京金融先物取引所(現東京金融取引所)理事長に就任。
その後の日本郵政のトップ起用だけに、
竹中氏は
「政治主導で(天下りを繰り返す)『渡り』が行われた」
と指摘、民主党政権に対する国民の不信感が増すとの見方を示した。 


■時事通信「郵政見直しへ小沢人脈活用=斎藤氏への「負い目」に着目?-亀井氏」

郵政見直しへ小沢人脈活用=斎藤氏への「負い目」に着目?-亀井氏

 日本郵政社長に斎藤次郎元大蔵事務次官を充てる人事は、亀井静香郵政改革相(国民新党代表)が主導した。
民主党の小沢一郎幹事長と親しい斎藤氏の起用の背景には、国民新党が最も重視する郵政民営化見直しの推進に向けて、小沢氏の影響力を生かす思惑がありそうだ。
 「10年に1度の次官と言われた。統率力、実行力がある。豪胆だし見識がある」。
亀井氏は21日午後の記者会見で、斎藤氏を高く評価。基本政策閣僚委員会では
「いい人事だろ。驚いただろ」と胸を張った。
辞任表明した西川善文社長の後任は民間出身者との見方が大方だったからだ。
 会見に先立ち、亀井氏は小沢氏にも電話で報告。
小沢氏は「ほほう」と満足げだったという。
 斎藤氏は「大物次官」と言われながら、大蔵省退官後しばらく、小沢氏との関係が自民党から警戒され、天下り人事で不遇をかこった。
それでも斎藤氏と小沢氏は良好な関係を保っていたが、
「小沢氏は、自分のせいで斎藤氏が表舞台から遠ざけられてきたとの負い目を感じていた」(関係者)との見方もある。
 そこに亀井氏が目を付けたとみられる。
「小沢人脈を活用することで、民営化見直しをうまく軌道に乗せられる」。
斎藤氏起用の狙いを亀井氏周辺はこう解説した。(以下略)
時事通信(2009/10/21-20:59)
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【私のコメント】

ちなみに今日の全国紙の社説は、

読売……郵政次期社長 意外な大蔵次官OBの起用
朝日……郵政新社長―民から官へ、逆流ですか
毎日……郵政社長人事 「脱官僚」と矛盾しないか
産経……郵政新社長 「脱官僚」の看板は偽りか
日経……元次官に郵政託す「脱官僚」

「脱官僚」を楯に、批判ばかり。

民営化の行きすぎが今回の民主党の勝利をもたらした。
「民営化の見直し」と「脱官僚」は本来何の関係もないものだが、
言葉の使い方次第によっては相矛盾するものである。

「脱官僚」という言葉によって、「民営化見直し」反対の方向に世論を誘導することができる。

日本の全国各紙は「脱官僚」という言葉尻をとらえて、斉藤次郎元大蔵次官が日本郵政次期社長に就任することにそろいもそろって反対している。
硬直した思考である。
何かが日本のマスコミを動かしているように思えてならない。

もう一度世論を民営化の方向にもっていこうとする影の力が働いているように思える。

こんな単純で論理の麻痺した社説をそろいもそろって全国各紙が一斉に書き始めるということが異常である。

まだ小泉・竹中はマスコミへの影響力を失っていないのではないか。

郵政民営化見直し 全国紙がまた小泉売国路線を賛美し始めた

2009-10-22 07:02:30 | 労働者派遣、郵政民営化、地方分権

2009年10月21日 (水) 植草一秀の「知られざる真実」 より

鳩山政権の郵政改革本格始動と今後の課題
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-8466.html


鳩山新政権の郵政改革が本格的に動き始めた。

10月20日、日本郵政株式会社の西川善文社長は記者会見を開き、辞任の意向を正式に表明した。
「かんぽの宿」疑惑が表面化してレッドカードが突き付けられるなか、西川氏はこれまで日本郵政社長職にしがみついてきたが、鳩山新政権に退路を断たれ、ようやく辞職の決断を下した。
遅すぎる決断だった。

小泉竹中政治を礼賛してきた偏向マスメディア勢力は、西川氏辞任に際しても偏向報道を維持している。
その代表であるテレビ朝日は、
自民党大島理森幹事長、
山本一太参議院議員、
小泉政権御用コメンテーターの松原聡氏、
さらに竹中平蔵氏のコメントを紹介するとともに、
新たに開設された簡易郵便局の利用者が少ない事例と日本郵政の収益が改善したことだけを紹介した。

コメントを提供した4名は、すべて小泉竹中政治万歳の人々だ。
何をコメントするかは話を始める前に明らかだ。
この反対側に、郵政民営化の欺瞞(ぎまん)を指摘する多数の論者が存在するが、テレビ朝日はその声を一切報道しない。

日本郵政株式会社が発足して収益体質が改善したかのような報道がなされているが、事実誤認も甚だしい。
日本郵政公社は日本郵政株式会社へ引き継ぐ最後の決算である2007年9月決算で
1兆5800億円の特別損失を計上している。
新会社である日本郵政株式会社の決算計数の見栄えを良くするために、巨額損失をその前に計上しているのだ。

日本郵政はゆうちょ銀行に190兆円、
かんぽ生命に100兆円の資金を保持している。
ゆうちょ銀行の資金利鞘は0.8%であり、
ゆうちょ銀行の資金利鞘から発生する粗利益だけで年間1兆5200億円の収益が確保される。

300兆円弱の資金を抱えているのであるから、誰が経営者であっても利益を計上することは可能である。
そもそも郵政3事業は赤字事業ではない。
税金を投入せずに運営されてきた事業部門なのである。

小泉竹中政治万歳派は以下の点が郵政民営化の利点だとしてきた。

①民営化することによって経営の効率が上がる

②ゆうちょ、かんぽの資金が民間部門に還流して経済の発展に資する

③民営化によってサービスが向上する

しかし、現実にこのような結果は生まれていない。
収益については、2007年10月の日本郵政発足前に巨額損失を計上したために、日本郵政発足後の損益が見かけ上改善したが、経営が効率化されたわけではない。
日本郵政が計上している利益は従来の郵政公社の時代にも確保していたものである。

民営化するとこれまで財政投融資制度の下で政府部門にしか回らなかった資金が民間部門に還流すると説明されてきたが、
そのような事実はまったく観察されていない。

2009年3月末現在、
ゆうちょ銀行の総資産196兆円のうち、
有価証券が173兆円、
このなかの162兆円が公共債である。
貸出金は4兆円に過ぎない。

かんぽ生命では総資産107兆円のうち、
有価証券が83兆円、
このなかの74兆円が公共債である。
貸付金は18兆円あるが大半が機構貸付で一般貸付は2170億円に過ぎない。

つまり、民営化すると300兆円の資金が民間に還流して日本経済の発展に寄与するかのような話はまったくのでたらめだったのだ。

民営化された郵政では、全国一律の金融サービス提供義務が取り除かれた。
これまで郵便局職員は地域住民に対して極めてきめ細かいサービスを提供してきたが、
郵便、銀行、保険業務が明確に区分され、総合的なサービス提供が著しく縮小したことが指摘されている。

小泉竹中郵政民営化は外国資本に利益を提供するために仕組まれた売国政策であったと言わざるを得ない。
銀行、保険、郵便、郵便局に4分社化して持株会社として日本郵政を位置付けたのは、
日本国民の貴重な財産を外国勢力に安価で提供するための手法だったと考えられる。


日本郵政公社24万人の人員の配分には著しい偏りがある。

郵便事業   10.01万人
郵便局    12.07万人
ゆうちょ銀行  1.16万人
かんぽ生命   0.54万人

ゆうちょ銀行、かんぽ生命には最小の人員しか配分していない。
この2社の株式はすべて売却される予定とされた。
この株式の過半を取得すれば、300兆円の国民資金を丸取りできる。

日本郵政が保持する一等地不動産は郵便局会社、および持株会社の日本郵政が保有することとされた。
郵便事業会社と郵便局会社を傘下に持つ日本郵政株式会社株式の3分の2が売却される予定だった。

ここには、22万人の人員が配置されるから、売却される株式は低い価格になるだろう。
この株式全体の過半を獲得すると日本郵政の経営権を取得できる。
そののち、郵政事業を多数の人員とともに国営事業として国に返還してしまえば、日本最大級の不動産会社だけが残る。
外国資本は日本郵政が保有する巨大不動産に狙いをつけていたと考えられる。

4分社化は外国資本が日本の国民資産を収奪するためのスキームであった可能性が高い。
マスメディア報道は4年前の郵政民営化選挙で自民党が大勝し、郵政民営化が実現したことを強調するが、
今回の総選挙では民主、社民、国民の3党が郵政民営化見直しの方針を明確に公約に掲げた。
このなかで国民が民主党を圧勝させたのであり、郵政民営化の根本見直しは正当な施策である。

竹中氏は、政府が100%株式を保有している日本郵政について、「民営化した日本郵政に政府が口を出すべきでない」と述べていた。
つまり、株式を政府が100%保有している状態を「民営化」した姿と捉えていたのである。

この主張によるなら、鳩山新政権が日本郵政各社の株式売却を凍結しても「民営化」そのものを変えることにはならない。

地域住民がどこに住んでいても金融取引口座から排除されない状況を確保することは極めて重要なことである。
特定郵便局を地域の行政サービスの拠点として活用することは行政サービスの効率化、地方公共団体の統合を進める上で、極めて有効な手法である。

鳩山政権は、

①郵政4社株式売却を凍結する

②郵便貯金・簡易生命保険の基本的なサービスをユニバーサルサービスとするための法的措置を講じる

③郵便局ネットワークを「地域や生活弱者の権利を保障し格差を是正する拠点」と位置づけ、地域のワンストップ行政の拠点として活用する

④現在の持株会社・4分社化体制を見直し、経営形態を再編成する

⑤郵政事業を抜本的に見直す「郵政改革法案」(仮称)を次期通常国会に提出し、成立を目指す

ことを打ち出した。いずれも正しい対応である。

日本郵政の新社長に元大蔵省事務次官の斎藤次郎氏を起用することが示された。
民主党の小沢一郎幹事長との近い関係が背景にあると考えられる。
鳩山政権は「官僚主権」から「国民主権」への転換を訴えている。
「官僚主権」の中核を担ってきたのが旧大蔵省と検察・警察・司法権力である。

斎藤氏の起用を、「官権主義」を復活させる契機としないための取り組みが不可欠だ。
12月末に先送りした公的部門への天下り人事問題と併せ、鳩山政権は「官権主義」からの明確な脱却の方針を改めて明示する必要に迫られている。
民主党が「官権主義」から「民権主義」への転換公約を反故(ほご)にするなら、民主党に対する国民支持が急落することを肝に銘じなければならない。
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【私のコメント】

驚いたことに、郵政への斎藤新社長の就任を機に、示し合わせたかのように全国紙が一斉に批判をし始めた。

まるで小泉・竹中改革の負の遺産を忘れてしまったかのようである。

しかし上に上げた植草一秀氏のように、正しいことをきちんと指摘できる人がいる。植草氏はそのことによって痴漢冤罪事件に貶められてしまったが、氏の言うことはポイントを突いている。
マスコミは彼の言うことを全く取り上げないが、出版界やネット界では彼の言うことにきちんと耳を傾けている人が多い。

郵政民営化は疑獄事件である。そこまで発展する可能性がある。
それを怖れる勢力が今必死で妨害工作をやっているように思える。

そうでも考えなければ、名だたる全国の有力紙がそろいもそろってまるで口裏を合わせるように、郵政民営化批判の社説を発表するとは考えにくいのだ。

ちなみに昨日(10月21日)の社説は
読売……郵政改革方針 民営化路線を逆行させるな
朝日……郵政見直し―民営化の本旨を忘れるな
毎日……郵政見直し 「振り出しへ」では困る
産経……郵政新社長 「脱官僚」の看板は偽りか(10月22日)
日経……これは郵政改革の撤回ではないか
となっている。

今日の社説はさらにすごくなって、斎藤新社長への批判一色である。
郵政民営化には必ず疑獄事件が隠れている。

あまりにも異常な反応である。