イスラムの寺院 モハメド・アリ・モスクにやってきた。
青い空の中、そびえ立つモスクの円形の屋根が太陽に反射して銀色に輝く。
その圧倒的な大きさと美しさに、思わず見上げてシャッターを切るメンバー。
美しいといえば、中庭に入るとそれは美しい女性が目に入った。
ガイドのムハンマドさんによれば、その女性はアナウンサーとのこと。 何か番組を撮っている。
男性陣がウッヒョ~と喜んで写真を撮っていたら、スタッフの男性が近づいてきた。
ディレクターらしい。アラビア語が出来るということで、娘にインタビューしたいと言ってきた。
少し時間がかかるので、御一行に聞いたら「いいよ、待つよ。」と言ってくれた。
そして、ご覧のとおり彫像になり、待ってくれている。
娘がエジプト滞在中、このような路上インタビューに2,3度 出くわし、テレビでも流れたらしい。
エジプト人の友人が、「Chiaki!テレビに出てるよ。早く見て見て!」と電話で教えてくれた時もあったようだが、本人は一度も見ることが出来ていない。
なぜなら、娘の下宿のテレビは映らない。テレビは見ないので、大家さんに修理も頼んでいないとのこと。。。。。
しかし、こんな時は残念だ。私もエジプトのテレビでの娘、見たかった。
インタビューが始まり、エジプト人スタッフが時々なぜか笑っている。
娘にあとから内容を聞いたら「エジプトがいかに大好きかをいっぱい話した♪」らしい。
回廊の大理石の床に座ってラフな感じで始まったインタビューも終わり、別れの握手をしようと立ちあがった娘は、足が痺れてしまっていたようだ。
やっと太陽が降りそそぐ中庭から、モスクの中に入った御一行は、その美しさに息をのむ。
ほの暗い中、ランプシャンデリアがまばゆい宝石のように輝いている。
ムハンマドさんのイスラムの話を絨毯に座って聞いていると、メンバーの一人が、この心地よい場所にずっと座っていたい気分になってくると言う。
イスラム教徒ではないのに。
この美しいモスクは、宗教を超越して安らぐ空間なのかもしれない。
そしてツアー最後の観光地。エジプトから離れたくないと思う心も、そのように感じさせているのだろうか。
少し短いパンツだったので、モスクに入る時に貸りたガラベイアが良く似合う嫁。
二人で歩いていると、どこかの国の皇族とお付きの女官みたいだ。
ドラゴンボール世代の30代半ばの息子ともうすぐ20代とおさらばする娘。
ピラミッドでも「フュージョン!」と歳を忘れてはしゃいでいたが、今度は回廊のランプで「元気玉だー!!」
幼いうちは、どこへ行くにも面倒くさい妹を連れていった人のよい息子。
そんな息子に多大なる影響を受け、兄のマネばかりして、ついて歩いた負けん気な娘。
ケンカもしたが仲良し兄妹だった。
実は協力隊は一時期、息子の夢でもあった。娘の記憶にはその頃の兄の夢がインプットされていたのだろう。
娘にとって、5歳年上の息子は常に先をいくリスペクトの対象であり、最高の遊び友だちでもあった。
別の道を進んだ息子は、エジプトでの妹を見て「こういう生き方もあったなぁ。」と、思い出したように呟いた。
しかし息子も中学の時、ボーイスカウトとしてアメリカにホームスティ、大学では1年休学してバックパッカーの旅を経験している。
あの時の様々な経験は、きっと今の息子に活きていると確信する。
かわいい子には旅させよ、である。
息子と娘の人生、今後も波に乗る時、また苦しい時もあるだろう。が、自身の選んだ道を信じて悔いなく進むべし。
久しぶりの再会で、はしゃいで、しかし万感の思いで作っただろう兄妹のエジプト元気玉!
昔と変わらぬ行動をとる息子と娘。
様子を見て呆れながらも、それぞれ元気にやっていくだろうと、なぜか安心感に包まれた。
エジプト元気玉を忘れるなー!
今回のガールスカウトメンバーツアーはこれで終了。
最後のお土産を購入したいとのリクエストで、再びハン・ハリーリへ向かう。
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