アナザースカイ エジプト

もうひとつの故郷のように感じるエジプト。たびたび訪れるエジプトのフォト旅行記をご覧下さい。

パピルス

2010年11月30日 | 旅行

 

 

英語の「ペーパー」の語源となった「パピルス」はパピルス草で作られる紙である。

今から4000年程前から、古代エジプトで作られていた。

 

 

            

                      (ハトホル女神とネフェリタリ)

 

 

 

「死者の書」もパピルスに描かれ、今日現存している。ということは、史上最強の紙である。

 

 

                    

       (死者の書・オシリス、アヌビス、トト、イシスなどが描かれていて、死者の魂を計っているところ)

 

 

パピルス店のキュートな女性に、パピルスの作り方を教わった。

・作り方  材料 ・パピルスの茎 …数本   ・ナイルの水 …適宜   ・のり …少々  

           ・布 …数枚   ・ローラー …1台   ・木づち …1個

 

 

             

       

1・パピルスの茎を薄く削ぐ

2・ナイルの水に、のりを少々。その中に2日ほど漬ける

3・少し重ねて並べ、又その上に直交方向に同じように並べる

4・木づちで、ドンドンたたき組織をペチャンコにする

5・ローラーで脱水(昔の洗濯機が便利)

6・布を挟んで、日陰で乾燥

 

 

    

             (天の女神ヌトが産んだ太陽は昼の航海を終えて、ヌトの口に入り、夜の航海へ)

 

 

パピルスを実演で作って見せてくれる人たちの多くは、カイロ大学日本語学科の現役の学生である。

パピルス店で働きながら、日本人と接して日本語の上達を図っているそうだ。

そして夢は日本語ガイドになることだと言う。

彼らの使う日本語は、敬語もきちんと使いこなして美しい。

それを伝えると「お客さまにそう言っていただいて、光栄です。」と流暢に言われて、またまた驚いた。

 

 

 

                    

 

 

 

意欲的に真面目に、日本語修得に取り組む学生たちを見ていると、心打たれる。

人間にとって学ぶことや目標を持つことが、より良く生きるために いかに大切なことかを実感する。

日本の若い人たちにも「一度きりの自分の人生!時代や政のせいにせず、自力で頑張れ!」と心からエールを送りたい。

 

 

 

 

 

 


日本からの友人たち

2010年11月26日 | 旅行

 

 

娘がエジプトで生活するようになって、1年8ヶ月が経過した。

その間、多くの方々が娘を訪ねてくださった。

 

 

 

  

    

以前勤めていた職場の先輩と後輩のお二人。

 

 

 

    

4年間、アラビア語と戦って苦労をともにした アラビア語学学校の同志のMさんとHさん。

 

 

 

                    

小学校以来の親友。Rちゃん。新婚にもかかわらず、パートナーは快く送り出してくれたとか。

 

 

 

 

                    

小学校に入学したばかりの娘を、毎日手を引いて登校して下さったご近所のMちゃん。ハネムーンがエジプトとは素敵!

 

 

 

親友の娘のAちゃんとは、幼い頃からいとこ同士のように仲が良かった。

ガールスカウトで娘をリーダーに育ててくださった、男前な団委員長。

孫に会いたい一心でやってきた84歳の母。

 

                   

 

 

 

そして高校時代からの私の大切な親友3人。

4人一緒の初海外旅行にエジプトを選んでくれて、血の繋がった身内のように娘に会いに来てくれた。

娘を身びいきで、過分に褒めて励ましてくれた。

心のこもった日本食や、生活の足しにとカンパまでいただいた。

 

 

 

                    

 

 

 

過酷な地エジプトでの一人暮らし。

ここまでやってこられたのは、なつかしい日本の風を運んでくださった皆様のお陰だと、心から思う。

滞在中の友人の方々との写真は、どれを見てもいきいきと嬉しそうだ。

この時の娘の口癖は「エジプトに居るはずの無い人が、日本にいるように私の傍に居てくれている。」だった。

娘の大切な宝物である 友情 を再確認できたのも、エジプトの地での一人暮らしの賜物である。

 

 

 

 

 

 


エジプトで出合った物たちⅣ

2010年11月23日 | 旅行

 

ツアーで旅すると、立ち寄る店の一つに香水店がある。

店内に入ると、ガラスのショーケースに沢山の香水ビンが並んでいる。

 

 

 

                    

 

職人のデモンストレーションが始まり、鮮やかな手際で砂糖菓子細工のように、ビンが作られていく。

我が家の玄関に置いてあるビンたちは、光が当ると朝露のしずくのように輝いている。

 

 

 

                    

 

モザイークと呼ばれている象嵌細工の箱。

美しい貝殻のモザイクが、アラビアを感じさせている。

 

 

 

                    

 

ピラミッドづくし。

左から青い石・土・暗い所でボーッと光る石で出来ている。

 

 

                    

 

右のペーパーウエイトのピラミッドは、シティスターズにある「サーミー・アミー」で。

牛革と真鍮で出来ている。

 

 

 

                    

 

エジプト柄の扇。ハン・ハリーリでお茶を飲んでいたら、可愛い少年が一生懸命売り込んできたので…。

安価な割りにエジプトの絵柄が素敵なので、お土産におすすめ。

 

 

 

                    

 

ハン・ハリーリのスカーフ店で。

娘の友だちの店なので、申し訳ないくらい安くしてくれる。

美しい刺繍とビーズで彩られた手の込んだもの。日本で買ったら相当高価かも。

 

 

 

                    

                    

 

エジプトを訪ねると「記念だから…」「もう来られないかもしれないから」とか思って、増えていったエジプトグッズ。

家を見渡せば窓際に、キャビネットに、玄関に、夫や娘の部屋に、ひっそりとエジプト色を放って私にアピールする。

「ぼちぼちエジプトへおいでよ~。」って。

 

 

 

 

 

 


エル・マトバッハ(台所)

2010年11月19日 | 旅行

 

 

娘がいくらエジプト好きでも、やはり日本人。

滞在が長くなると、日本食が食べたくなるだろう。

友人4人とエジプトに訪れた際、チャンスとばかりに沢山の日本食材(調味料、乾物、缶詰)を運んでもらった。

 

 

   

 

 

台所で2人だけの日本食パーティの支度。

娘はルンルン上機嫌♪

とにかく食べることが好きな子で、こういうところは幼い頃から変わらない。

食べることは生きること。命を頂き 命を輝かせること。 けっこう けっこう!

 

 

      

        (泣くほど嬉しい母さんカレー♪)                           (散らし寿司~♪)

 

                     

そして日本では考えられなかったほど、テキパキ動く。

台所仕事は、ピアノの演奏のようにテンポ良く、歯切れ良く、かつ優雅に、時には荒々しく。

 

 

               

 

 

右脳と左脳、右手と左手を別々に動かし、先を読み、出来上がりをイメージし、

そこへ向って努力するという、段取り力が必要な高度な作業だと思う。

 

 

                    

 

 

私がやり残したことの一つに「子どもと一緒に食事を作ること」があった。

親が子に伝えたい、生きる知恵がつまった台所仕事を満足に教えられなかったことに、悔いが残っていた。

 

 

       

                                                    (お好み焼き~♪)

 

 

しかしエジプトの台所で、自力でテキパキ調理をしている娘を見て、胸のつかえがすっと消えていった。

エジプトを許して良かったと思える瞬間だった。

 

 

     

                                                     

 

 


ベリーダンス

2010年11月16日 | 旅行

 

 

友だちと勉強をしていて、飽きてくるとベリーダンス教室が始まる。

 

 

      

 

 

まだ小学生のモニアとノハも、見事に踊る。

 

 

                       

 

 

娘も踊らされるが、あまりの才能の無さに先生達は教えるのを諦める。そして最後はボクシングごっこになる。

 

 

      

 

                      

 

 

エジプトが伝承の地といわれているベリーダンスは、当初から市民権を得ていた訳ではない。

歴代のダンサーの大変な努力により技術や演技を向上させ、現在では正当な社会的地位を確立した。

そして、ベリーダンスはコアマッスルを鍛えるので、世界中はもとより日本でも大変注目されている。

 

 

                    

                           (ベリーダンサーを目指す友だち)

 

 

              

                         (ハン・ハリーリにはベリーダンスのコスチュームが並ぶ)

 

 

エジプトのベリーダンサーは、スレンダーより肉付きの良いほうが美的だとされている。

美術学校の裸婦デッサンやクロッキーの授業でも、少し太ったモデルさんの方が美しいと感じていた。

西洋絵画に登場する女性達も美しい曲線美を持つ。

ダンサーのそんな曲線の美しさと波打つ腹部を見ると、セクシーというよりも母の優しさのような心地良さを感じる。

 

 

                     

 

日本が誇るベリーダンスのトップダンサー・KASUMIさんも、韓国料理店「HANA」でモリモリ食事をされているのを

娘が目撃している。

 

                       

 

「そうだ!痩せてりゃいいってもんじゃない!健康的によく動き、よく食べる!これがベリーダンスの真髄なのかもしれない。」

と妙に安心、納得した私だった。

 

 

 

 

 

 

               


コム・オンボ神殿

2010年11月12日 | 旅行

 

 

コム・オンボ神殿は、ナイル川から数メートルのところに建つ。

ナイルクルーズ船で旅をしている観光客は、船を降りたらすぐに、神殿を訪れることができる。

 

                    

 

 

そのすぐ近くを流れるナイル川を、ゆったりと泳ぎ、たまに河辺にあがっては、

アーンと大きな口をあけて、千鳥に歯の掃除をさせていただろうワニが、この神殿の神様だ。

水や豊穣の神セべクと呼ばれている。

 

 

                   

 

 

                       

この神殿には、なんともう一人神がいた。 ご存知!隼のホルス神だ。

セべク・ホルス両神は、力、武力ともに強いので、オシリス王のSPでもあった。

 

 

 

             

 

 

 

そして、驚いたことにコム・オンボ神殿をルームシュアしていた。

でもプライバシーは守られていて、入口も至聖所も2つずつ作られていた。

主役級の神が同居するのは珍しいが、

日本でも法隆寺の金堂に、薬師、釈迦、阿弥陀の本尊が三体同居している例がある。

きっと神仏クラスになると、人間のように次元の低い争いにはならないのだろう。

 

 

 

                     

 

 

 

そろそろ夕暮れが近づいてきた。

ナイルの川面がキラキラと黄金色にきらめき始めた頃、コム・オンボ神殿も見事な夕焼け色に染まり始めた。

あー、今日もよく遊び、よく食べ、よくしゃべり、よく学んだ。

エジプトを感じた達成感とともに、このおおらかな赤い神殿に別れを告げた。

 

 

                    

 

 

 

 

 

 


フンドックⅣ(ホテル)

2010年11月09日 | 旅行

 

 

 

ルクソールのホテル、メリディアン・ルクソールでの出来事。

ホテルで繰りひろげられている夜のショーを、美味しいマンゴージュースを飲みながら楽しんでいた。

 

 

                     

 

 

 エジプトのジャニーズが華麗なダンスを披露し、次はガラベイヤのちょっと怪しげなおじさんが登場。 

彼が客席を回り始めた。

すると、女性観光客から「キャーー!」と歓声?悲鳴?があがった。

よく見ると、小さなヘビを見せて歩いている。悲鳴がだんだん近づいてきて、いよいよ私たちの席へ。

ウキウキ期待したおじさんが「ほれっ!!」って見せてくれた。

実は私たち親子は、申し訳なかったが、ヘビがまったく怖くない。

人に白い目で見られようが、怖くないものは怖くないのである。 

 

                           

 

 小さなヘビの平ぺったい頭をなでて、「この子の名前は?」と聞いたら

それまでご機嫌だったおじさんは、ガッカリした顔でボソッと「コブラ…」と答えた。

 

 

                                      

          (耳がピクピク動く支配人さん。私たちとすれちがうたびにウインクして耳を動かしてみせてくれた)

 

 

       

 

 

 

ルクソールでのもう一つのホテル。ルクソール・シュラトン。

散歩を楽しんで、ホテルのオープンカフェでお茶を飲んでいたら、フレンドリーなホテルスタッフが話しかけてきた。

 

                       

 

 

 

日傘に興味があるらしい。

おおらかなエジプト人は、傘というものをほとんど持たない。

日傘で楽しく遊んでいるところを、パチリ!

 

 

                      

 

 

 

フィラエ島近くのイシスアイランドホテルのガーデンは、広大な土地に手入れの行き届いた植物が咲き乱れていた。

 

 

          

 

                    

庭師のおじさんが、もいでくれたライムが、その日の旅の間、ずっと優しい香りを漂わせていた。

 

 

                      

 

 

いろいろなホテルに泊まったが、いつもそこにはエジプトの人々とのふれあいと笑顔があった。

日本とはまた違ったもてなしと温かい心で、私たちを楽しませてくれた。

とても楽しかった。(アナ エンバサット アウイ)

心からありがとう。(シュックラン ギジーラン)

 

 

                      

                          

 

 

 

 

 

 


出発の日

2010年11月05日 | 旅行

今から遡ること、1年半前…。

娘がエジプトへ旅立つ日が近づいていた。

予防接種、留学保険、銀行、税金、年金などの準備や手続き、送別会などで、またたく間に時間が過ぎていった。





                    





勤務していた河合塾の皆様から、沢山のお餞別を頂いた。





                    





小学生の頃から所属していたガールスカウトでも、心温まる送別会を開いていただき

人前ではめったに涙を見せない娘が泣いた。





                    





カレンダーに記入した、日本での残日数がカウントダウンされていき、とうとう数字が0になった日、出発の朝を迎えた。

天気は晴れ。

セントレアで、しばらくは一緒にできないお茶を楽しんでいるうちに、とうとうチェックインの時間になった。

私たち夫婦は、娘の心を惑わせないよう、涙は見せずに見送ろうと約束していた。

にもかかわらず、娘にハグされて…夫は泣いた。






     





娘は夫を慰めて、笑って旅立っていった。

寂しさより、これから待ち構えている異国の一人暮らしに、期待と不安でいっぱいだったのだろう。





                    





家路につき、夫は会社へ出勤していった。

一人ぽつんと残された私は、娘の香りのする布団を片付けた時、やっぱり少し泣けてきた。

でも娘の決断は、何かの形で、人生の支えやきらめきになると信じて、涙を飲み込んだ。





                   









エジプトのジュエリー・アクセサリー

2010年11月02日 | 旅行

アラブでは結婚式当日に、離婚の可能性を考えて、財産の分配の契約書にサインをする。

結婚前にゴールドジュエリーを買ってもらって、離婚したらそれを売って生活にあてるとか。

そんなアラブの風習もあって、ドバイやエジプトでも多くのゴールドジュエリー店がある。






                    



カルトゥーシュのペンダントトップ。自分の名前をファラオのようにヒエログリフで彫ってくれる。

(カルトゥーシュとはファラオだけに許された記述法で楕円形の枠のこと)

ターコイズのスカラベ(ふんころがし)とウジャト(ホルス神の目)のペンダントトップ。





                    


アクエンアテンの妻で、エジプトでは最も美しいとの誉れ高いネフェルティティのペンダントトップとピアス。





シティスターズにある「LOULY」という店のアクセサリー。



                    



ラピスラズリのチョーカー・ピアス・リング。ゴールドコートなので、とても安価。





                    



イタリアで勉強したというデザイナーの作品。好みのものがなければ、その場でオーダーどおりに作ってくれる。





     


デザインの多いシルバージュエリーも、お手頃価格で楽しい。





ハン・ハリーリやホテルのジュエリーショップでは、ふんだんに石を使ったアンティークでアラビアンデザインの物もある。





                    





ペンダント・ネックレス・ピアスは、自分を飾るアイテムではあるが、人が眺めるためにつける。

リングやバングル・ブレスレットは手を飾るので、自分が見て楽しむことができる。





                    





指にはめたエジプトのリングを見るたびに、遠いエジプトの地の娘や友を想う。

いつも娘と友と一緒にいるような、励まして守ってくれているような気がしてくる。