アナザースカイ エジプト

もうひとつの故郷のように感じるエジプト。たびたび訪れるエジプトのフォト旅行記をご覧下さい。

エル・フィシャウィー・カフェ

2011年09月29日 | 旅行

 

 

 

          

 

 

エル・フィシャウィー・カフェは、ハン・ハリーリで一番賑わうカフェ。

私達は「ミラーのカフェ」と呼んでいる。

店の内外に大きな鏡が掛けられ、不思議な空間をかもし出す。

夜のカフェは居酒屋のように賑わっているが、革命前と比べると空席が目立つ。

 

 

              

 

 

今日は「苺のコクティール」をオーダーしてみよう。

しばらくすると、グラスにびっしり詰まった苺のシロップがけが運ばれてきた。

きらきら光った真紅の苺が美しい。

 

  

 

 

娘と仲が良いへナのタトゥー師が、声を掛けてきた。

しばらく娘と話をして、立ち去ろうとしたので「タトゥーやってもらったら。」と娘二人に勧める。

この女性の描くタトゥーテクニックは、ハン・ハリーリ界隈では一番。

客のリクエストを聞き、魔法のような手際で強弱をつけたアラビアン文様をサラサラと描いていく。

 

   

 

 

   

 

 

今度は幼い数人の子ども達がテーブルにやってきた。

驚くことに夜の9時過ぎである!

カフェの客達に、ティッシュ、花の首飾り、落花生…を売って歩いている。

一人の可愛い少女が嫁を気に入り、傍から離れない。

他の子ども達が来ると「私の友達だから、来てはだめ!!」と威嚇する。

一見屈託がなく明るい子ども達だが、目の奥には悲しい色が宿る。

 

   

 

教育を受けられない、満足な食事が与えられない、幼い頃から労働力の一端を担っている、

世界には、そんな子ども達が多く存在することは知っていた。

しかし、こんな少女を目の当たりにすると、不条理に腹が立ち、やるせない気分になってくる。

 

              

 

非力な私達の頬に何度もくれた、別れの可愛いキスの温かさが忘れられない。

私達はここから立ち去ってしまうが、この少女は逃れることが出来ないのだ。

明日も、明後日も花の首飾りを売って歩くのだろう。

いつか、目覚め 逆境を跳ね返し 自立の道を歩いてほしいと心から思う。

 

 

       

 

今宵も、エル・フィッシャウィー・カフェの大きな鏡たちは、人々のいろいろな人生を映し出しているのだろうか。

 

 

 

 

 

  

 


夜の散歩 ハン・ハリーリ

2011年09月24日 | 旅行

 

 

           

 

夜のハン・ハリーリ界隈は、昼とは違った魅力を見せてくれる。

 

  

 

 生まれた町でもないのに、ノスタルジーを感じてしまうのはなぜだろう。

幼い日の賑やかな縁日の思い出に通じるからなのか、店から溢れ出る温かい白熱灯の光のせいなのか。

確かにいつかどこかで、目にした光景なのだ。

 

   

 

不思議な感覚がとりまき、ざわめくこの町を歩くのが好きだ。

路地裏も、故郷名古屋の中村大門の「のんべえ横丁」に似ている。

三輪車で駆け回っている幼い私が、ふと角から現れそうである。

 

          

 

夜のモスクは、宗教を超え神の存在を信じたくなるほど美しい。

 

                 

          

 

魔術にかかったか、タイムスリップしたかのような 夜の町ハン・ハリーリで頭をよぎるのは

亡くなった父の面影。

 

          

  

 

この町を父と腕を組んで歩いてみたかった。

「ほー!大門に似ているなぁー。」と、きっとつぶやいたに違いない。

 

  

 

 

 

そんなことを考えて、ふと横を見れば 愛しい若い娘達が微笑んでいる。

時は過ぎ去ったのだ…。

                  

 

 

 

 

 

 

 

 


スフィンクスのカフェテリア

2011年09月15日 | 旅行

 

 

砂漠ツアーを終えると、必ず訪れるお気に入りのカフェテリアがここ!

 

 

  

 

 

真正面ではスフィンクスが微笑み

テント屋根の下では、冷たい飲み物を涼やかな風と共に飲み干す。

ピラミッド内部探訪とラクダ乗りの過酷さを思い出しながら、ボーッとするのが好きだ。

 

 

  

 

 

この日は、季節外れのハムシーンが吹いた。

娘2人はパウダー状の砂まみれになった顔のお手入れに大わらわ。

その上にまたパウダーをはたいている。なら、そのままでいいのに。

 

 

    

 

 

顔なじみのギャルソンが「やあ!また会ったね!」と注文を聞きにくる。

彼はヌビアの血を引くハンサム君。カイロっ子と比べると、シャイなところが新鮮だ。

 

 

   

 

 

そこへ、商魂たくましいギザのちびっこがやってきた。お土産品のツタンカーメンを買って欲しいらしい。

自分のお小遣いになるのか、家のためなのか、一生懸命アピールする。

可愛い!

「買ってもいいよ。」と言ったら、ぱっと明るい表情になる。 観光客は押し売りと嫌がるが、店で買うより安いことが多い。

 

 

          

 

 

カフェを出て、トイレへ行く私達についてくる。「もう、いらないよ。」と言っても、ついてくる。

二人の長い化粧直しの末、ちびっこのこともすっかり忘れて、やっとトイレを後にした。

ところが、なんと!彼は辛抱強く待っていた。少しはにかみながら。

ジーンときた私は「友達のお土産にするよ。」と今度はピラミッドのオブジェを買った。

彼はニコニコ「ショクラーーン!」と手を振って、瞬く間に去っていった。

観光客も減っていて必死だったのだろう。

生きる力を持ったエジプトの子どもはたくましく健気だ。

 

 

          

 

 

後日、エジプト考古学博物館の特設コーナーの展示写真を見て驚いた!

あの少年が、ピラミッドエリアで働く大人たちに混じって、写真に納まっていたのだ。

あの時の無邪気な顔とは、別人のように大人びて、しっかりと前を見据えてたたずんでいた。

 

 

 

 


シティスターズ2

2011年09月09日 | 旅行

 

 

シティスターズの探訪はまだまだ続く。

 カフェで少しブレイクタイム。

 

   

 

 独身と人妻の二人はこのカフェのギャルソンの中に、目ざとくイケメンを見つけた!

「写真を一緒に撮りた~い♪」というので、図々しさでは一番の私が声をかけると

そこはフレンドリーな国民性、ちょっとテレながらも快諾してくれる。

仲間もワラワラ集まってきてくれて、仲良くパチリ!

 

                 

 

さーて、この中で どのギャルソンがお目当てだったのでしょ~か?(正解は最後に) 

 

 

    

 

 シティスターズは今バーゲン真っ只中。

フェイクファーのベストを買ったら、なんと日本円で1500円ほど。ラッキー♪

接客してくれたショップ店員さんが、エジプト人にしてはとてもシャイで、うるさい私の相手を一生懸命してくれた。

記念に一枚と思ったら、ここでもまたショップ店員さんたち全員集合!

モード系のおしゃれなメンズばかり。

 

 

  

 

この店は高級感ただよう食器のお店。

以前エジプト人の友人と来た時、娘が結婚する時は、この店の食器を揃えてやることが夢だと語っていた。

母の気持ちは万国共通だ。

 

  

 

 

カルバン・クラインの店のこのディスプレイは、マネキンが座っている!

ジーンズのストレッチ性を強調したいのか。

フロアーの吹き抜けに、こんなアラブらしい美しい装飾があった。

 

 

  

 

 玩具屋でアバヤのバービー風ドールを見つけてご機嫌な嫁。ここもセールでお買い得。

微妙にアバヤの刺繍が違うので、どのドールにしようか迷っている。

 

 

   

 

シナボンのお菓子はとても美味しい。人気があって賑わっている。

革命後まもなくだったので、革命グッズが多かった。

そこで、こんなお洒落なブレスレットをゲット!

「シャバーブ アッタハリール」 国民の解放 と言う意味のアラビア語が彫金されている。

 

 

   

 

 大胆なデザインのジュエリーたち。ターコイズ、トルマリン、白蝶貝、アメシスト、オニキスなど美しい。

イスラムの国ならではの、コーランの一節をアラビア装飾文字で描いた壁掛けもあった。

 

 

   

 

スタイリッシュなファッションの数々。先進国や日本のファッションのトレンドと遜色ない。

世界の流行発信のスピードは時差がなくなったようだ。

欲しい物は多かったが、難点はサイズが大きいものしかない事。

スカート、パンツはなかなかサイズがなかったが、それでも娘二人はTシャツやカットソーなどを買ってご満悦だった。

 

 

                 

 

長いシティスターズ買い物ツアーも、どうやら やっと終わるようだ。やれやれ…。

世界中どこにでもあるスタバで、お茶にする。

テーブルの上のピザのような物は、なんと大きなクッキー!三人で美味しくいただいた。

富裕層や観光客をターゲットにした巨大ショッピングモール。

初めて訪れた時は、本当に驚いた。

多くの人が誤解をしているように、遺跡と砂漠の国だと思っていたからだ。

おなじみのショップがあり、カフェがある。寿司屋もあれば韓国料理も食べられる。

世界の距離が縮まっていると強く感じた。

 

 

                                  (右から2番目のギャルソンでした♪) 

 

 

 

 


シティスターズ

2011年09月02日 | 旅行

 

 

 

エジプトの巨大ショッピングモール「シティスターズ」にやって来た。

革命前、日本人観光客のツアーにハン・ハリーリのかわりに

シティスターズがコースに組まれることが 流行り始めていた。

 

 

  

定価が明記してあり高級感漂うので、買い物が安心して出来るからだろう。

確かに限られた時間の中、ハン・ハリーリで買い物をしようとすると大変だ。

エジプト人とのふれあいや町のたたずまいを楽しむのが、エジプトの醍醐味なのだが

値切り交渉に入ると時間が足りなくなり、思ったように購入できないからだ。

 

 

     

 

ハン・ハリーリ派の娘だが、シティスターズにもお気に入りの店がある。

皮と真鍮を扱ったバッグやアクセサリー、インテリアの「サーミー・アミン」という店だ。

 

 

           

 

 

           

 

日本にはない、アバンギャルドなデザインの品が並ぶ。

案の定、嫁のハートもわしづかみにしたようだ。 

もうこうなると二人はかるく1時間は、この狭い店を動かないだろう。

つき合いきれない私は、他の店のウィンドウショッピングにでも出かけよう!

 

 

           

 

やはり買い物客が驚くほど少ない。

ここのフロアーは「ニュー・ハン・ハリーリ」と呼ばれていて、民芸品の店が多い。

 

 

            

 

ガラス細工の香水瓶や花瓶、水差し、ランプが並ぶ。

繊細な細工が美しい。

 

 

 

 

民族衣装をアレンジしたようなコスチューム。色彩が美しい。原色で大胆な柄はエジプト人に良く似合う。

私も着てみたいが、夫が驚くのでやめておこう…。

陶器や小物の店。クオリティが高い。不思議なことに和を感じるような品が並ぶ。

 

 

 

 

モロッコ発祥のタジン鍋もアフリカンな絵付けが施されている。アラビアンドールも面白い。

ドールの後ろのランプは細かい細工から光がこぼれて、夜灯すと幻想的で素敵。

以前購入し、我が家の夜をアラビアンナイトに演出してくれている。おすすめ!

 

 

            

 

絵皿やテキスタイルの店。あ~欲しいなぁ~。

色の組み合わせとデザインに面白いものが多く、民族性の感性の違いを感じる。

 

 

           

 

 

やっと!買い物を済ませた二人と、次に向かったのは「ローリー」

ジェムストーンを金色の針金で美しく仕上げたオリジナル・コスチュームジュエリーの店♪

これは、ターコイズのコーナー。

ネックレス・ペンダント・ピアス・リング・ブレスレットとセットアップが可能だ。

そして何より嬉しいのは、とても安価なこと。でも、石は本物!

 

 

 

 

カーネリアンやラピスラズリ・ターコイズは、かのツタンカーメン黄金のマスクで使われているジェムストーン。

好きなデザインやサイズで、その場で作ってもらう事も可能だ。

三人でまた迷惑な長居をし、ワイワイ楽しみながら、それぞれのお気に入りを探した。

相手をしてくれたデザイナーは、疲れてグッタリのご様子だったが、写真にはニッコリ微笑んで写ってくれた。

まだまだ、疲れを知らない幸せ気分いっぱいの女三人のシティスターズ探訪は続く。