アナザースカイ エジプト

もうひとつの故郷のように感じるエジプト。たびたび訪れるエジプトのフォト旅行記をご覧下さい。

ラクダに乗る

2011年07月29日 | 旅行

 

 

ワリードとカフラー王ピラミッドの前で、しばし待つ。

彼の大切なラクダのベブシとドリトスが友人の御者に連れられて

砂漠の向こうから、トコトコやって来た。

 

 

    

 

 

ラクダに乗るのも少し慣れてきたが、嫁は初ラクダなので、立ち上がる時と乗った時のあまりの高さに悲鳴をあげた。

さあ、ラクダでサハラツアーへ出発!!

 

 

   

 

 

のらりくらり歩くラクダに揺られながら、ラクダの高さから見るピラミッドビューをゆっくり満喫する。

視界の分量が増えて、巨大なピラミッドの石の色と、染みるような青い空、

地の果てまで広がる砂漠の色が目に飛び込んでくる。

 

 

                 

 

 

しばらくすると、ラクダの横揺れで鞍からお尻がずれてきた。

動物に乗ることに慣れていない私たちは、たまに気合を入れてお尻の位置をたて直さなければならない。

ラクダの高さから落っこちると、怪我ではすまないかもしれない。

 

 

                 

                 

 

と思っていたら、突然!硬い巨石の埋まった下りの坂道をドリトスが走り出した。

「キャーーーッ!」と叫んで、必死に手綱にしがみつく。

ワリードの友人が乗っている馬の耳を、ドリトスが かじったのだ。

馬が「イヤ~ン」と走り出し、追いつくと又かじろうとする。

怒られてやっと走るのをやめたが、も~~、ドリトスは腕白すぎる!!

 

 

   

 

 

UAEやカタールでは、ラクダレースがあるが、おっとりしたラクダも本気で走ると結構早い。

40分ほどのウキウキドキドキのツアーを終えて、ワリードとの別れの時が近づいてきた。

 

 

                 

 

 

エジプト革命直後の新聞で、客の減少によりラクダの餌に困っている御者の記事を読んだ。

愛するラクダを手放すより手段がなかった人もいたとのこと。

失礼だとは思ったが、少し余分に料金を払おうと手渡したが、

ワリードは「いつもどおりでいいから。」と絶対に受け取ってくれなかった。

しばらくワリードと会えない娘も淋しそうだ。

去っていくワリードとベブシを、ずっと見送っていたら、何度も立ち止まって手を振ってくれた。

 

 

   

                                                   (おっとりべブシくん)

 

ワリード、娘と仲良くしてくれてありがとう。

 でも又、必ず会いに来るから。

今度はドリトルはこりごり、私は絶対にベブシに乗ろうと固く心に誓っていた。

 

 

         

                          (マア・アッサラーマ…ワリード)

 

 

 

 

 

 


ピラミッド景

2011年07月22日 | 旅行

 

ピラミッドは町の中にある…。

西には砂漠が、東には町並みが広がっている。

 

 

 

    

 

 

ギザの町にいると、いろいろなポイントからピラミッドを見ることができる。

初めて訪れた人は、広大な砂漠の中に立っているイメージがあるので、

突然現れる巨大建造物に驚くことだろう。

 

 

     

 

 

革命後のピラミッドエリアで、東洋人はまったく見かけなかった。

いつも、何台ものバスで混み合っているチケット売り場辺りも閑散としている。

こんなに人が少なく広々と感じるピラミッドエリアは、初めての経験だ。

 

 

    

 

 

ピラミッドを見上げつつ、ゆっくり人間ウォッチング。

カラフルな装いの若い女性たちがおしゃべり。エジプト人かな?

 

 

                 

 

 

モデルのように美しい人も。

まるでアガサの「ナイル殺人事件」に登場するようなアンティークコスチューム。

白い肌が、日に焼けますよ。

 

 

                 

 

 

カメラを構えていると「ヘーーイ!俺も撮ってくれよー!」

と声が掛かり、仕方が無いのでパチリ!

満足そうに「ショックラーーン♪」と叫んで去っていった。

現像したフォトが欲しい訳ではないらしい。

エジプトの蟻君も現れた。

 

 

          

 

 

私たちもテンション上げて、ピラミッドでEXILE?   

 

 

       

 

                             

少し風があるので、エリアでゆっくり過ごしても心地良い。

ワリードが一生懸命、ナイスポイントで撮影してくれている。

 

 

   

 

  

さあ、次はいよいよ ラクダに乗ろう!

ワリードの愛ラクダのべブシ(ペプシ)は元気だろうか。

 

 

                  

 

 

 

 

 

 


ピラミッドへ行こう!

2011年07月19日 | 旅行

 

 

乗り合いバスを降りると、ピラミッドが迫ってきていた。

ピラミッドエリア入り口まで歩いていく。

 

 

   

 

 

近づいてくるそびえ立つピラミッドを見て「ウワァー!本物だ!信じられない!」

と、ピラミッドデビューを果たした嫁は興奮する。

わかる、わかる!空と溶け込んだ、あまりに巨大なピラミッドは絵のように実体感がない。

 

 

   

 

  

チケットを買いに行く娘が「カフラーでいい?」と聞く。

若い二人が寝坊してくれたお陰で、10時過ぎにクフ王のピラミッドには入れそうにない。

午前8時から150人、午後1時から150人と入場制限があるからだ。

しばらくしてチケットを手にした娘が「クフ王買えちゃったよ。観光客少ないんだ。」と戻ってきた。

やっぱり…と複雑な気持ちになる。

 

 

     

 

 

エリアに入ると「チアキーー!」と声をかけてきたのは、娘の友人ラクダ御者のワリードだった。

娘と約束して待っていてくれたのだ。

ピラミッドとワリードとの久しぶりの再会。

 

 

    

 

 

ピラミッドを目前に見上げると、娘の部屋から見る穏やかで優しげなピラミッドとは違い、

荒々しい素顔を見せて、そびえ立つ。

 

 

          

 

 

綿密に並べられた巨大な石の一つひとつを、どのような目的や宗教観で民衆が積み上げていったのだろうか。

そして実感する。

人間の結集したパワーはすごい能力を発揮し、これだけのものを作り上げるのだと。

 

 

    

 

 

過去からの時の流れの中に存在してきたピラミッドたちは、

今回の民衆が結集した出来事も、歴史の目撃者としてギザの台地から見つめていた。

時が流れ、無常な存在の私たちはやがて朽ちていくが、

ピラミッドたちはこの国の未来を、これからも静観し続けていくことだろう。

 

 

      

 

 

 

 

 

 


エジプト革命とガールスカウティング

2011年07月11日 | 日記

 

  

 ツイッターで情報を交換し、仲良くさせていただいている兵庫県のガールスカウトリーダーS.I さんから

嬉しい申し出をいただいた。

ガールスカウト全国機関誌「ガールスカウティング」でエジプト革命に遭遇した娘の体験を

記事にしていただけるとのこと。

 

                  

 

ガールスカウトにとっては、大変光栄なことなので、娘は張り切って原稿を書かせていただいた。

それを基に、エジプトで何が起きたのか?大規模デモの原因は?今のエジプトの現状は?

などのキーワードが提示され、平和な世界を築くために自分ができる行動を考えようと、

スカウトに提案がされるという素晴らしい記事にしていただいた。

S.I さんをはじめとする編集者の方々に深く感謝。

この記事で少女たちが世界に目を向け、考えるきっかけのひとつになってくれたら、娘の体験も活きてくる。

 

 

 

 

娘も私もガールスカウトに所属して約20年が経過した。

この間に多くのスカウトが旅立つのを見てきたが、

多感な少女時代にスカウト体験や世界情勢を知ることは

彼女たちのこれからの人生に何らかの指針を示してくれると信じている。

 

 

    

                      (エジプト革命を知る集会で話を聞くスカウトたち)

 

 

参考:スカウト出身の著名人

ヒラリー・クリントン、小池百合子、ナンシー・レーガン、キャサリン・D・サリバン、マドンナ、J・K・ローリング、

コンドリーザ・ライス、近藤春菜、ジョン・F・ケネディ、ロナルド・レーガン、ビル・ゲイツ、マイケル・ムーア、

スティーブン・スピルバーグ、ポール・マッカートニー、橋本龍太郎、与謝野馨、野口聡一、宮川大輔 等々…。

 

 

 

 

 

 

 


乗り合いバス

2011年07月05日 | 旅行

 

 

今日もエジプトは上機嫌。

細胞が活性化してくるような良い天気。

ベランダから見えるピラミッドが「おいで、おいで。」と言っている。

そうだ!「ヤッラ!アハラマート!」(ピラミッドへ行こう)

 

 

                 

 

 

マンションの前の通りで、乗り合いマイクロバスを探す。

何度乗っても、乗り方がわからない。

なぜなら時刻表もなければ、停車場所も行き先もわからない。

ほとんど地元民しか利用しない、この難解な乗り物をこなすには、度胸とコツが必要なようだ。

 

 

                              

 

 

胸のあたりで手で三角形を作れば「ピラミッドへ行きたい」との意思表示。

ピラミッド行きの乗り合いバスが通りかかれば、どこに立っていても止まってくれる。

そしてドライバーに声を掛ければ、どこでも降りることが可能だ。

 

 

                 

 

  

中に乗り込むと、アラビアン-POPがガンガン響いてくる。

私と嫁の隣りは、お洒落で美しいお嬢さん。

元気なドライバーに、アシスタントらしき人、後ろにはコーランを唱えている人もいる。

そのコーランが佳境にさしかかると、A-POPのボリュームを下げるという配慮をみせるドライバー。

 

 

                 

 

 

後ろに座った娘が、私の隣のお嬢さんに知り合いのように声を掛ける。

「三人分の運賃をドライバーに渡して。」と頼んでいる。

乗り合いバスの乗客たちは、みんなで助け合う。

娘も何人かの運賃を集計してドライバーに渡し、各々のおつりを配ることもよくあったらしい。

「外国人の私に頼むって、どういうこと?」と思ったが、コミュニケーションがとれて結構楽しかったとか。

 

 

                              

 

 

料金は50ピアストルから1ギニー。(7円~14円)

娘は日本円で3円ほどのおつりを、きっちり返してもらっていた。

一度おつりが返ってこないので請求したら、

「今、細かいのが無いんだ。でも外国人なのに、そんな少ないおつりが欲しいの?!」

とドライバーに大笑いされたから

「当たり前!お金は大事。」と笑って言い返したとか。

 

 

                              

 

 

沢山のアヒルと同席したり、子どもからお菓子をもらったり、おばさんがみんなに詰めるように命じて、席を作ってもらったり、

仲良くなった人に降りる時ハグされたり、女の子の一団とおしゃべりしたり、見ず知らずの人に運賃を払ってもらったり…。

タハリールの客待ちのドライバー達とも顔見知りになり、何も言わなくても行き先まで連れて行ってくれた。

なかには親切なドライバーがいて、マンションのまん前で降ろしてもらうこともあった。

 

  

   

 

 

乗っていた乗り合いバスが、急に始まった検問から逃げ出し、

ハリウッド映画のカーチェイスのように怖い思いをしたこともあったらしい。

一度、膝に手を置いてきた痴漢らしき男に遭遇。

その手を掴んで「おりろ!」と言ってその男をバスから降ろしたことも。

中の乗客、特に若い女の子達に拍手されたという武勇伝も聞いた。

 

 

                              

                                   

 

庶民の知恵が作り出した、庶民の味方のこのシステムに、娘はずいぶん恩恵を受けた。

苦学生の財布にも優しく、何より地元の人々との心温まるふれあいがあった。

エジプト人の人情の裸の姿があった。

その人情に娘は何度心を慰められただろう。

今日も定員オーバーの乗り合いバスは、A-POPをガンガン響かせながら、

明るく元気にトコトコ走り回っていることだろう。