アナザースカイ エジプト

もうひとつの故郷のように感じるエジプト。たびたび訪れるエジプトのフォト旅行記をご覧下さい。

ルクソールの散歩道

2010年05月29日 | 旅行




娘と二人でナイル川沿いを散歩する。

カイロとは、うって変わって静かな落ち着いた町である。




                     




穏やかに流れるナイル川に白い三角帆のファルーカ(帆船)がのんびりと浮かんでいる。

ハワード・カーターのスポンサー、カーナボン卿やアガサ・クリスティーが定宿にした

憧れのホテル ウィンターパレスもこの地にある。




                      




向うからカツカツと蹄鉄を響かせて、馬車が近づいてきた。

歩き疲れたので、その馬車に乗ってみる。

馬がうつむき気味に頭を上下させ、けなげに走る。たてがみが風と共にサラサラなびく。

ひづめの音と震動が心地良い。

優雅なセレブ気分をしばし味わう。




                      




が!それも束の間。御者さんがやっぱり陽気なエジプシャン。

セレブ気分は吹っ飛んで、愉快な爆笑馬車ツアーとなった。




                      






ヘナタトゥー

2010年05月26日 | 旅行




タトゥーといってもペインティングである。




            




ハン・ハリーリでお茶をしていると、ヘナでタトゥーをしてくれる女性に遭遇する。

見本の冊子を見せながら、外国人観光客に「どーお?」と言いながら歩いて回る。

花やつる草などのアラベスク模様をサラサラと描いていく。




       




たまに腕のいい人に当ると、筆先で書道のように強弱のタッチをつけながら、見事に描いていく。



                                 




地元エジプトでは結婚式やハレの日に着飾ってタトゥーをする。

腕や手の甲などに描いてもらい、大体10日ぐらいは残っている。

帰国してエジプトの生活から日本の日常に戻る頃、へナはゆっくりと名残惜しそうに消えていく。




                   






エジプト考古学博物館

2010年05月22日 | 旅行




にぎやかなタハリール広場の中でテラコッタ色の建物がひときわ目を引く。

この博物館は歌劇「アイーダ」の作者でもあり、初代館長でもあるオーギュスト・マリエットによって、

国外へ貴重な発掘品等の流出を防ぐことを目的に設立された。




                      




中へ入ると、膨大な発掘品が目に飛び込んでくる。




      




遥か いにしえより時が止まったまま静かにたたずむファラオ達を見る。




           




この素晴らしいクオリティの像を、誰が、何のために、いつ、どこで作ったのか、

その年にはどんな事があったのか、季節は何だったのかを思い巡らすと、残像のように作り手の姿が浮かんでくる。

何千年もの昔、名も無いアーティストが、のみを持ちコツコツと作品を作り上げていく。




                        




そして時は流れる…。

気の遠くなるような長い時を待って、砂漠の中から目覚めた作品が、今私達の前に確かに存在している。

この巡り合いの不思議さに感動を覚える。







ファラオ村

2010年05月20日 | 旅行



ここを訪れればカイロにいながらエジプトの世界遺産めぐりができるというテーマパークである。



                    
                    




まずは遊覧船に乗る。

船はゆっくりとナイル川に見たてた池を巡り始め、次々と有名なファラオ達の彫像が、水辺に現れる。




                     




次に古代エジプト人達の生活様式のデモンストレーションが始まる。

エキストラの暑さにやられてやる気のない演技が、なんとも笑える。




   




   




ツタンカーメンの黄金のマスクやカーター発見当時の王墓を再現した部屋もある。

ここは巧妙に作られていて見ごたえがある。




                    




日本の3倍の国土をもつエジプトを2時間ほどで巡る旅。

忙しいあなたには、お勧めかもしれない。






王家の谷

2010年05月17日 | 旅行




王家の谷にやってきた。

薄い山吹色の岩山が四方に連なる。決して高い岩山ではないが威圧感がある。




                         




どこにも生命の気配を感じられない無機質な景色は、別の惑星のようにも感じられる。

ただ太陽だけが強烈に光を放ち、白い岩山や大地に反射して異様に明るい。

木々のざわめきも鳥の姿も見当たらないこの谷は、

観光客がいなければ恐ろしいほどの静寂に包まれているのだろう。




  




この地に立ってみて確信した。

まさしく ここは王家の谷にふさわしい場所であったと。




                         






マタァマムⅡ(レストラン)

2010年05月15日 | 旅行




前回のジャングルレストランで意表をつかれたテーブルクロスの数々をご紹介!




    




テーブルクロスとしてではなく、トートバッグやエプロンにしたら素敵なのに…

このテーブルクロスの上にサービス満点のボリュームある料理が並べられる。

料理の色彩など、吹き飛ぶ勢いでテーブルクロスが主張してくる。




    




カエルの上にステーキ    ゾウの上にサラダ    カメレオンの上にデザート

でもこの国では、そんなことは気にしない。

ここはジャングルだもの。

ここはエジプトだもの。

こんなシュールさも、私は気に入っている。


                     



                    


マタァアム(レストラン)

2010年05月13日 | 旅行




巨大ショッピングモールのシティスターズの中に変わったレストランがある。





                           




レストランがジャングルの中にあり、ワニやゴリラ、鹿、狐などの動物もいる。

もちろんギミックである。

驚くことにスコールが降る。

食事の最中、急に店内が暗くなる。大きな音で雷が鳴ったと思うとザーッと雨が降ってくる。

といっても土砂降りの中で食事をとるわけではない。

雨はレストランの中央、客の被害が及ばないスペースに本当に降る。




    




幼い子どもは大喜びするか、大泣きするかのどちらかだろう。

食事をするには、少し落ち着かないが、客を楽しませようとする心意気はかおうと思ったおかしなレストランである。




                       






マアバット・ハトシェブスート(ハトシェプスト葬祭殿)

2010年05月11日 | 旅行




王家の谷の近くにハトシェプスト葬祭殿がある。




                      




植物ひとつ生息しない岩山に囲まれたこの葬祭殿は、

見事な建築美の階段を持ち、野外の大舞台のような美しく気品がある遺跡である。


ハトシェプストはエジプト王朝史上唯一の女性のファラオであった。
        
当然ジェンダーのこの時代。彼女はファラオとしての権力を得るため、女性を捨て男装をして付け髭をつけた。



 
                   




彼女の行った政治はエジプト王朝の数あるファラオの中で最も平和的政策を用いたといわれている。

今まで行われてきた戦争による略奪の道ではなく、貿易という手段を用いて国を栄えさせた。

好戦的で人の命を軽んじる男性のファラオより、知的で有能な政治家であったといえる。




                    




現在、女王の功績を讃えた壁画などは、あまり残存していない。
         
なぜなら次の王トトメス3世が多くを削りとらせてしまったからである。


そして再び戦いによる愚かな政治がエジプト王朝の終末まで、らせんのようにくり返されていく。







散歩道

2010年05月10日 | 旅行


                 

娘のマンションを出て左へ行くと、お気に入りの散歩道に出る。




      




どこへ行っても人が多いなか、この界隈は異次元の世界に迷いこんだかと思うぐらい ほとんど人に出会わない。




    



 
エネルギー溢れるエジプトの町、その中で一時の涼やかな風のように、たまにはこんな道を歩いてみたくなる。







アルディ・ソートゥドー(音と光のショー)

2010年05月06日 | 旅行




ギザのピラミッド・スフィンクスエリアやルクソールのカルナック神殿、最南端のアブシンベル神殿で行われている。




    




あたりが暗くなると日中の暑さが嘘のように涼しくなる。

そして砂漠に優しい風が吹き渡る。



  
    




空を見上げれば、こんなに星があったのかと驚くほどの満天の星。

5000年前と同じであろう砂漠の大地と無数の星。穏やかな夜の風の匂いがする。




                  




周りの観客の姿が消え始め、夜の砂漠という闇の空間に1人ポツンと取り残される。

ただ あるのはほの暗い光に浮かび上がるピラミッドとスフィンクスだけ。

少し怖くなってくる。


私は5000年の過去へ遡ってしまったのであろうか。………………………




                   




「お母さん!!また寝ちゃったの!!もうショー終わっちゃったよ!」という娘の声で毎回、今世へ戻ってくる私である。






マアバット・カルナック(カルナック神殿)

2010年05月04日 | 旅行




エジプトの南、ルクソールにあるカルナック神殿を訪れた。

参道を通ってしばらく行くと列柱が立ち並ぶ箇所へ到着する。

この列柱はアガサ・クリスティーの「ナイル殺人事件」の映画の中で、印象的に登場する。




                     
    



恋人を親友に奪われたミア・ファロー扮するヒロインが、列柱の上から親友めがけて岩を落とすのである。

愛と憎しみに燃えたミア・ファローが親友に放った呪いの言葉。

それが列柱にこだまして恐ろしく響きわたったシーンが鮮烈によみがえってくる。




                





私は思わず上を見る。


しかしそこにはミア・ファローは存在せず、ただ見事なまでに青い空が広がっていた。







娘の親友

2010年05月03日 | 旅行




娘がエジプトでお世話になっている二つの家族にモニアとノハという女の子がいる。

いつも娘を支え続けてくれた。




                     




モニアの姉ジャスミン、兄カリーム、ノハの姉マイ、兄アムルも同様、
                          
そして全員アラビア語の教師でもある。




   




エジプトの家庭は、家族揃って食事をする。誕生日にはケーキを買って家族でお祝いする。

親のお客様にも挨拶をきちんとする。家族でよく話し合いをする。どこへ行くのも一緒である。




    




社会の基になる最小単位の家族をとても大切にしている。

かつて日本もそうだった。現在の日本で起きている家族間の悲惨な事件など、まったく皆無だった。

どこで間違ってしまったのか。エジプトの家族を見ていると、そう考えずにはいられない。







動物

2010年05月01日 | 旅行

                     カラスが一匹、草の上で何かを無心につついていた。
                     
                     エジプトのカラスは、小ぶりで胸のところだけ色が少し白い。

                  
                    




                     次はアリ。クフ王のピラミッドの前で見つけた。
                     
                     日本のアリより大きく胴が赤い。
                    
                     私の前を大急ぎで忙しそうに通り過ぎた。


                      




                     今度はハト。娘の部屋のベランダに時々遊びに来るらしい。
                    
                     暑いエジプトの空の下、一時の涼を求めてやってくるのかもしれない。 


                     

                最後は残念なお話。カイロ駅のプラットホームに、ごきぶりのような虫が現れた。

                あっという間にそばにいたエジプト人の老人が足でグシャとふみつぶした。

                そのペシャンコになった哀れな虫が、なんと「スカラベ」だったのである。

                その後、言うまでもなく「見たかったのに!!」と私たちに非難を浴びたその老人は、

                屈託なく「エヘッ!」と笑った。