最終日の朝がきた。
御一行が気になる私は、息子の部屋へ向かった。
「アラビア語はもちろん、英語もわからない人たち(私も含むが)だから、頼んだよ!無事日本まで連れて帰って。
もうツアーでわかっただろうけど、すぐどこかへ行っちゃう人もいるからね。」
と息子に伝えた。
息子は「えーーっ!!!」と叫んだが、まあ大丈夫だろう。
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息子と嫁の部屋で、おしゃべりをして過ごす。
これまで、忙しいスケジュールでゆっくり話が出来なかった。
しかし一度だけ、息子のおごりで、息子と嫁、娘で久しぶりに4人一緒の食事を楽しむことができたことは嬉しかった。
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息子が唐突に言った。
「母さん、Chiakiってしゃべり方や仕切り方が、母さんの若い頃にソックリになってきたな!母さんが子供会なんかやってた頃とソックリだ。びっくりした。」
そうか~、親子だもんな~、知らず知らずに似るんだな~(笑)
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お迎えのバスが到着、エジプトでの全員の最後の記念写真を。
とうとうエジプトにやられてしまって、お腹の調子が悪い元スカウトのYukiちゃんは、可哀想だがソファーでクタッとなっていた。
ママのⅠさんは肝っ玉看護師さんなので安心だ。
私も2,3度経験したが、半日ぐらいで治るだろう。
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前述したように、私の従兄弟のパートナーもこのツアーに参加していたが、ガールスカウトメンバーと、すぐに旧友のようにうちとけて楽しんでくれた。
後日、従兄弟から連絡が入り「エジプト旅行がよほど楽しかったのか、毎日のように今度は一緒に行こうってうるさい(笑)」と言ってきた。
良かった!なによりだった。
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と、突然、団委員のSさんが号泣。
エジプトの人々も、遺跡も、街歩きもあまりに楽しく素敵だったと。
そしてそれは、娘のお陰だと言ってくれている。
Sさんはずっとエジプトに憧れ続けてきた。新婚旅行で訪れるはずだったエジプト。
1997年に起きたルクソールの外国人観光客襲撃事件のため、エジプト行きを断念したと聞いた。
それから長い時が流れ、やっとご夫妻の夢が叶ったのだった。
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次は、嫁のぼやきが聞こえてきた。
「どうして私は帰らなくてはいけないの。。。もっとエジプトにいたい~~!」
笑ってしまったが、気持ちはとてもよく分かる。
2年前、嫁と私は、娘のエジプトのアパートに滞在したことがあり、女3人でエジプトを満喫していたからだ。
今回は自身の仕事があるため、仕方なく息子と帰国する。
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(2011年 娘のアパート) (エジプトの大切な家族と)
3人で訪れた革命直後のエジプトは、以前よりも少し元気をなくしてはいたが、変わらぬエジプトの友人達は、新しい家族の嫁を大歓迎してくれた。
温かい人々とふれあい、気ままにのんびり過ごした2週間ほどのエジプト生活は、私たちに、姑、嫁、小姑の垣根を越えた素敵な思い出を数々残した。
嫁は最後の最後まで渋り、ドナドナのようにバスに乗り込んでいった(笑)
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(ラクダの上ではじける嫁) (シティスターズのブティックの店員さん達と)
別れを惜しみつつ、ついにバスに乗り込んていく御一行。でも、みんな明るい表情をしている。
エジプトを知って、感じて、楽しんでもらえたようだ。
団委員長はハン・ハリーリで働く幼い子どものことを、しきりに気にかけていた。
他のメンバーもそれぞれの思いを胸に、もうすぐ終わるこの旅を惜しんでくれているだろう。
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遠くに暮らし しばらくは会えないだろう息子に、バスの外から声をかけようと思ったら、
皆が無事帰国出来るようにと頼んだからか、振り返ってメンバーの人数でも数えているようだ(笑)
声をかけるタイミングを逃したまま、バスは走り出してしまった。
娘と私は大きく手を振り、御一行もバスの窓から、それぞれ大きな声で「ありがと~~~」「Chiakiちゃん、頑張って!」と叫んでくれていた。
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バスは道路の砂埃を舞い上げながら、みるみる遠ざかり、多くの車の中に紛れ込んでわからなくなった。
御一行の嬉しそうなキラキラした顔が甦る。
そして、無理だと思っていた息子とのエジプトの旅が実現して夢のようだった。私の思い出の宝物となった。
仲が良い息子夫婦の姿も嬉しく、安堵した。良きパートナーとめぐり会った。
息子と娘の再会は、二人揃った姿を久しぶりに見ることができ、親として感無量だった。しかもエジプトの地で!
この旅を終えて、ガールスカウトメンバーとの心の繋がりが深まった気がするのは、私だけではないだろう。
エジプトは確実に私たちの心を魅了し、癒し、元気にしてくれた。
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後日、こんな写真が送られてきた。
最後のツアー「シティスターズ」に無事着いたようだ。
私は、これからいよいよ娘のアパートへ向かう。私の旅はもう少し続く。