アナザースカイ エジプト

もうひとつの故郷のように感じるエジプト。たびたび訪れるエジプトのフォト旅行記をご覧下さい。

11.エジプトで一番好きな場所 娘のJICAレポート

2017年06月21日 | 日記


2013年4月15日 記す

エジプトには、少しの滞在では巡ることが出来ないほど多くの観光スポットがあります。

圧倒的迫力で存在しつづけるギザのピラミッド、遥か何千年もの歴史を持つ壮大な遺跡の数々、果てしなく広がる砂漠、真っ青に透き通る紅海、

エジプトは世界中の観光客を魅了し続けています。


                      


そんなエジプトの中でも、何年経っても一番好きな場所、それはハーンハリーリです。

ふと気がつくと、足が勝手に向かってしまうほど心魅かれるハーンハリーリ。

エジプトを離れる前日の夜は名残惜しくて、やっぱりここを訪れます。

                 

ハーンハリーリは、世紀後半から続く、中東最大のスーク(市場)です。

歴史あるモスクが立ち並ぶイスラーム地区の一角に、ひしめき合うように、多くの店が軒を連ねます。

古代エジプトの神々の置物、金や銀のアクセサリー、ストール、パピルス、ガラスの香水瓶、香辛料、ベリーダンスのコスチュームなど、

エジプト土産がぎっしり詰まった場所です。

                      

タクシーに乗り、ハーンハリーリが近づいてくると、まるで遊園地に行く時のように気分が高揚してきます。

喧噪のハーンハリーリでも、朝はまだ静寂が立ち込めています。

出勤した店員さんたちが、黙々と店先に商品を飾り、床や通りを丁寧に掃除し、お客さんたちを迎える準備をします。

昼になると、各国からのゲストが続々と姿を現し、店員さんたちも徐々にテンションを上げていき、お客さんを呼び込む声にもエネルギーが増していきます。

こうしてハーンハリーリは本来の活気のある顔に変わっていくのです。


                         

        

そして夕暮れになると、店先の銀細工のランプに明かりが灯り、スークは幻想的な光に包まれます。

                 

夜のハーンハリーリは、昼とは違った魅力を見せてくれます。

スークの店先に溢れる光の洪水、アラブのお香のエキゾチックな香り、喫茶店から漂う水たばこの甘い匂い、

買い物や散歩に繰り出す人で溢れ、夜遅くまで賑やかなハーンハリーリ、私にとってのエジプトの象徴が、一気に感じられる時間です。

                    


       

いつも行く度に、店から出てきて「お帰り!」と満面の笑みで声を掛けてくれる友人たちと挨拶を交わし、

大好きなエジプト土産に囲まれ、お店でお茶をご馳走になりながら、みんなと話をする時間が最高に幸せです。

お客さんの呼び込みのために、簡単な各国の言葉を話せる人も沢山いますが、中には私の友人たちの様に、それぞれ自分の好きな国の言葉を熱心に勉強し、

仕事に活かせるように努力している人もいます。

そんな彼らのガッツを見ていると、私も見習わなければと気合が入ります。

                  

                            

幼い頃の日本の夏祭りや、年末年始の買出しのような、わくわくする賑やかさがここにはあるのだと思います。

今日もそんなハーンハリーリの店先で、陽気でおしゃべり好きな店員さんたちが、エジプトの楽しいお土産とともに、お客さんに喜んでもらおうと待っています。

       

 

 

 


10.エジプトものづくり 娘のJICAレポート

2017年06月21日 | 日記


2013年2月22日 記す

エジプトには、ものづくりに携わる隊員が多数います。

私が所属する施設の活動目的は、エジプトにある伝統工芸品・技術の保持と、

女性たちが手工芸品を製作する技術を身に付け、継続的に現金収入を得られるようにすることです。

私たちが、製作者である職人や女性たちの代わりにカイロで開催されるバザーに参加し、販売しています。

                     

現在カイロの都心部では、外に働きに出る女性も増えてきましたが、まだカイロ郊外や、地方の町や村には

「女性は家にいるべき」という概念が根強く残っています。

しかし、一家を守り、子どもたちの健康や教育を一番に考えている母親たちが、少しでも現金収入を得られれば、それが子どもたちのために使われ、

子どもたちの育成に重要な環境が改善されます。

そして、技術を身に付け、活き活きと仕事をする母親の姿が、きっと家族みんなを明るくする影響力を持つと思います。

                                

 

広大な砂漠にあるバハレイヤオアシスや、紅海にある小さな町ハルガダでは、実際に隊員たちが女性たちに技術指導にあたり、

商品開発、品質向上、販路開拓を行っています。

                                                                                       

 

                                                                              

また、カイロにある別の施設では、聴覚障害のある人たちがものを作る技術を学び、働く機会を得られるように、

彼らに技術指導し、一緒に商品を作っている隊員がいます。

アレキサンドリアとカイロには、障がいのある子どもたちに、ものを作る楽しさを知ってもらえるよう、陶芸を教えている隊員もいます。

その隊員たちは、子どもの活動や、施設の運営資金の足しにするため、子どもたちや施設の人たちと作った商品を販売しています。

                     

 

                                                                


私たちが販売するひとつひとつの商品には異なる背景があり、売上がそれぞれ製作者の人たちの幸せに繋がります。

私たちは、自分たちの活動と並行して、「エジプトものづくりチーム」として分科会活動をしています。

                                                                   

                           

Egyptian Handicraftsというブランドとして、カイロで開催されるバサーに参加し、販売、活動のPRに力を注いでいます。

私たち「ものづくり隊員」と一言でいっても、村落開発普及員、デザイン、養護、陶磁器、作業療法士、服飾、

青少年活動、美術、手工芸、プログラムオフィサーと、職種も専門も様々、活動内容もそれぞれ違います。

                                                                      

ものづくり隊員が一同に集まると、多くのアイデアや意見が得られるので、刺激的、建設的なミーティングになります。

ミーティングは定期的に行い、情報交換、勉強会を通して、自分たちの活動に活かせるようにしています。


                       

 

                     


個性豊かなメンバー、このチームだからこそ出来る活動は無限大です。

今後益々お互いを高め合いながら、それぞれが持つ特技を最大限駆使して、エジプトに貢献出来る活動を行っていけるように皆で努力していきます。


                                                               


                                                               

これまでも多くの先輩隊員たちが、長い時間を費やし努力を重ね、エジプト各地で現地の人たちと共に、多くの商品を作り上げてきました。

私たち隊員は、任期満了になれば帰国しなければなりませんが、エジプトの人たちに、その技術と心をしっかりと引き継ぎ、販売していってもらいたいと思っています。

そして、それがエジプトの女性たちの支援になり、子どもたちの幸せへのステップになることを心から願っています。