アナザースカイ エジプト

もうひとつの故郷のように感じるエジプト。たびたび訪れるエジプトのフォト旅行記をご覧下さい。

モハメド・アリ・ムスクの元気玉!

2014年03月26日 | 旅行

                                

 

 

                                                                           

 

イスラムの寺院 モハメド・アリ・モスクにやってきた。

青い空の中、そびえ立つモスクの円形の屋根が太陽に反射して銀色に輝く。

                                                                    

 

 

                      

 

その圧倒的な大きさと美しさに、思わず見上げてシャッターを切るメンバー。

美しいといえば、中庭に入るとそれは美しい女性が目に入った。

 

 

                       

 

ガイドのムハンマドさんによれば、その女性はアナウンサーとのこと。 何か番組を撮っている。

男性陣がウッヒョ~と喜んで写真を撮っていたら、スタッフの男性が近づいてきた。

ディレクターらしい。アラビア語が出来るということで、娘にインタビューしたいと言ってきた。

少し時間がかかるので、御一行に聞いたら「いいよ、待つよ。」と言ってくれた。

 

 

                                             

 

そして、ご覧のとおり彫像になり、待ってくれている。

娘がエジプト滞在中、このような路上インタビューに2,3度 出くわし、テレビでも流れたらしい。

エジプト人の友人が、「Chiaki!テレビに出てるよ。早く見て見て!」と電話で教えてくれた時もあったようだが、本人は一度も見ることが出来ていない。

なぜなら、娘の下宿のテレビは映らない。テレビは見ないので、大家さんに修理も頼んでいないとのこと。。。。。

しかし、こんな時は残念だ。私もエジプトのテレビでの娘、見たかった。

 

 

                                         

 

インタビューが始まり、エジプト人スタッフが時々なぜか笑っている。

娘にあとから内容を聞いたら「エジプトがいかに大好きかをいっぱい話した♪」らしい。 

 

 

                      

 

回廊の大理石の床に座ってラフな感じで始まったインタビューも終わり、別れの握手をしようと立ちあがった娘は、足が痺れてしまっていたようだ。

 

 

                                      

 

やっと太陽が降りそそぐ中庭から、モスクの中に入った御一行は、その美しさに息をのむ。

ほの暗い中、ランプシャンデリアがまばゆい宝石のように輝いている。

 

 

                             

 

ムハンマドさんのイスラムの話を絨毯に座って聞いていると、メンバーの一人が、この心地よい場所にずっと座っていたい気分になってくると言う。

イスラム教徒ではないのに。

この美しいモスクは、宗教を超越して安らぐ空間なのかもしれない。

そしてツアー最後の観光地。エジプトから離れたくないと思う心も、そのように感じさせているのだろうか。

 

 

 

                                                                                     

 

少し短いパンツだったので、モスクに入る時に貸りたガラベイアが良く似合う嫁。

二人で歩いていると、どこかの国の皇族とお付きの女官みたいだ。

 

 

 

                                                           

 

 

ドラゴンボール世代の30代半ばの息子ともうすぐ20代とおさらばする娘。

ピラミッドでも「フュージョン!」と歳を忘れてはしゃいでいたが、今度は回廊のランプで「元気玉だー!!」

幼いうちは、どこへ行くにも面倒くさい妹を連れていった人のよい息子。

そんな息子に多大なる影響を受け、兄のマネばかりして、ついて歩いた負けん気な娘。

ケンカもしたが仲良し兄妹だった。

 

 

 

                           

                                            

 

実は協力隊は一時期、息子の夢でもあった。娘の記憶にはその頃の兄の夢がインプットされていたのだろう。

娘にとって、5歳年上の息子は常に先をいくリスペクトの対象であり、最高の遊び友だちでもあった。

別の道を進んだ息子は、エジプトでの妹を見て「こういう生き方もあったなぁ。」と、思い出したように呟いた。

しかし息子も中学の時、ボーイスカウトとしてアメリカにホームスティ、大学では1年休学してバックパッカーの旅を経験している。

あの時の様々な経験は、きっと今の息子に活きていると確信する。

かわいい子には旅させよ、である。

息子と娘の人生、今後も波に乗る時、また苦しい時もあるだろう。が、自身の選んだ道を信じて悔いなく進むべし。

 

 

                                         

 

 

久しぶりの再会で、はしゃいで、しかし万感の思いで作っただろう兄妹のエジプト元気玉!

昔と変わらぬ行動をとる息子と娘。

様子を見て呆れながらも、それぞれ元気にやっていくだろうと、なぜか安心感に包まれた。

エジプト元気玉を忘れるなー!

 

 

今回のガールスカウトメンバーツアーはこれで終了。

最後のお土産を購入したいとのリクエストで、再びハン・ハリーリへ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 


オールドカイロ

2014年03月19日 | 旅行

 

 

 

4日目、終日エジプトで過ごせる日は今日で最後となった。

明日、午後には空港へ向かわなければならない。

御一行はこのとおり、疲れも見せず足取りも軽く、素敵な笑顔。

息子、二人の娘とエジプトの大地を踏みしめることが夢だった私も、心が弾む。

 

 

                                 

 

コプト教会(原始キリスト教会)とコプト教徒の住む町オールドカイロは、静かな佇まい。

ヨーロッパの古い町へ迷い込んだようだ。

640年アラブ軍が侵入するまでは、主な宗教はコプト教だったが、現在の信者は人口の1割ほど。

コプト教の人々は、手首内側に十字架のタトゥーを入れている。そして心なしか落ち着いた人が多い。

アッラーの意味が含まれる挨拶はしない。たとえば「アッサラーム・アレイコム」「インシャー・アッラー」など。

 

 

                                                                                        

 

 

ここエル・ムアラッカ教会は、塔門を利用してぶら下がるように建てられたために、ハンギング・チャーチとも呼ばれている。

静かな教会内で信者が一心に祈っていた。

天井から光が差し込み、神の啓示が降りてくるような空間だ。

 

 

                                        

 

 

コプト博物館、ベン・ズエラ・シナゴーグ、聖ジョージ修道院を巡る。

 

                                

 

 

 

2012年3月17日逝去したコプト教のトップ、シェヌーダ3世教皇が、時の人、ムバラク元大統領(左)、フセイン・タンターウィー(中央)、ムルシ元大統領(右)と、写真におさまっている。

タンターウィーという人物は、エジプト革命後、暫定政権下でムルシ政権が発足した2012年6月30日まで国家元首を代行した人物である。

 

                                              

 

 

コプト教会や同教徒の自宅などへの襲撃、放火が、6月30日政変以降 特に続発した。

焼き討ちにあったコプト教会は総数17にものぼり、アレキサンドリヤ図書館の一部も被害に遭ったとの情報が入ってきた。

 

                                   

 

 

 

しかし、何度も書いてきたが、庶民レベルでは、イスラムとコプトとの間に異宗教の壁があるようには思えない。

革命、政変ではムスリムの礼拝の時間を、コプト教徒たちが人間の鎖で守ってきた。

 

                                  

 

 

 

多くのムスリムの人々は、コプトへの襲撃について「イスラムの教えではこのようなことは許されない!」とフェイスブックでも厳しく批判していた。

 

                                          

 

 

 

カイロ、ハン・ハリーリに現れたサンタに、ムスリムの人々も大喜びだった。

娘が交流してきたエジプトボーイ、ガールスカウトは、コプト教会が運営していた。

 

  

                    

 

 

コプトもムスリムも同胞団も、すべてエジプト国民。本来はとても優しい国民性をもつ。

そんなエジプト人同士が争うのは、残念で悲しいことだ。

 

 

                                                 

 

そんな中2014年3月15日、明るいニュースが飛び込んできた。

キリスト教の一派コプト教徒のハーラ・シュクラッラー氏(59)が世俗主義の立憲党の党首に就任したとのこと。

女性、しかもコプト教徒が主要政党の党首に就くのは初めて。

クリスチャンでありながらムスリムと結婚、動画を見ると、ユーモアがあって知的な女性だ。

若い党員、支持者が多いとのこと。今後のエジプトに一石を投じるか、期待したい。

ハーラ氏の動画はこちら→http://www.youtube.com/watch?v=W28NboeB1CY&feature=share&list=PLblwmgOZDF8LT2s4ml1rvpz80R6Ozf5xu&index=2

 

 

     

                                             

 

町を散策すると、メンバーの大好きな露店のお土産屋さん。一斉にもう夢中。

町の壁面に、本や地図をディスプレイした本屋さんも面白い。

ボーイスカウトだった息子はカイロの地図をお買い上げ。

いつか、カイロの町を夜間ハイクでもするのだろうか。

 

 

 

                                                                              

 

 喧噪の町カイロにあるとは思えないほど静かな町並み。古都の様に落ち着いた美しい佇まいの町並みに心が休まる。

 

 

                                                                        

 

娘に「『ゼルダ』のカカリコ村のようだね。」と言ったら、

「お兄ちゃんと一緒のこと言ってる!お兄ちゃんもさっきそう言ってたよ。頭の中一緒だね。」と笑われた。

息子とはゲーマー仲間で、協力し合って数々のゲームを攻略してきたので、頭の中はそんなものだ。仕方ない(笑)

 

 

 

                                          

 

おしゃれなオールドカイロ男子にも遭遇、被写体におさまってもらった。

エジプト版スタンドバイミー?ゴーディとクリス!

異次元のような空間で、一時の安らぎを得た私たちは、もう一つの宗教イスラムの寺院、銀色に輝くモスクへ向かう。

 

                                                    

 

                                                                             

 

 

 

 


カイロの車窓から

2014年03月14日 | 旅行

 

 

 

 

カイロ市内は相変わらずの渋滞。

もうすっかり慣れてしまって、イラつきも焦りもしない。

渋滞なんだから仕方ない。

いつか目的地に着くだろう。着かないのなら運が悪かった、縁がなかったと考えるようになり、心が軽くなった。

しかし、実際にカイロで生活をしている人々やツアー観光客にとって、時間のロスは苦痛でもある。

交通渋滞対策も今後のエジプトの大きな課題だ。

 

 

                                                     

 

 このような渋滞に はまると、いつも思い出す言葉がある。

「インシャー・アッラー」という有名なアラビア語のフレーズだ。

直訳すると「神の御心のままに」

誤解されて伝えられている場合もあるが、決していい加減な約束や仕事などの言い訳では使われていない。

努力して最善を尽くす。しかし、この世界ではそれでもどうしようもない不条理なことが起こる。

その時は慌てず騒がずその事態を受け入れよう、との意味があると私は解釈する。

エジプトの人々はこの言葉を大切にしている。

 

 

 

                                                                  

 

とにかくエジプトの人々はのびのび大らかだ。細かいことで、ギャアギャア騒がない。(しかし、おしゃべりはすごい!)

ところがこの道中、なんとギャアギャア騒ぐ人物が現れた!

 

 

  

              

 

渋滞の中を走行中のバス。

突然!若い男性がやってきて、すごい剣幕でバスのドアをたたき始めた。

ガンガンとガラスが割れるのではないかと思われるほどの勢いだ。

顔を見ると、なにか烈火のごとく怒っている。

何を言っているのかさっぱりわからない、マシンガントークのようなアラビア語をまくしたてている。

車内は騒然となった。一体何が起ったのか?

  

 

 

              

 

娘に通訳してもらおう。

「お前!なに俺を はねてんだ!!!お前のバスが俺を突き飛ばしたせいで、俺の身体はすごく痛いんだよ!!!どうしてくれるんだ!!」みたいなことをまくし立てているらしい。

渋滞で気がつかなかったが、はねたんだ!!

 ………… ドライバーは何も言わない………さて、どうする?!私たちは固唾を飲んだ。

 

ドライバーは、やっと口を開いて何かを言った。

怒髪天を突いていた若い男性はその言葉を聞いて、両手で心底呆れた!とリアクションをした!

そしてしばらく呆れたような顔をしていたが、諦めて去っていった???

 

ドライバーの言葉を、再び娘に通訳してもらおう。

「だって、あんたがいること、知らなかったし 見えなかったんだもん!!!」

娘の訳し方がヘンだが、そんなニュアンスだったらしい。

意外なる一件落着で、車中はドッと爆笑!

え~!あんなに怒っていたのに、こんな理由で納得する~?それでいいの?しかし男性は去っていった。

 

 

 

                 

 

しばらくするとこんな光景に出くわした。
 
若者たちが「平和的にデモを行おう!ムルシに反対なら車のクラクションを鳴らそう、レッドカードを掲げよう。」と道行く車に呼びかけていた。
 
この後6月30日より始まった反政府デモでも、随所に平和的に訴える工夫を草の根で行ってきたのは、若者たちだった。
 
若者扇動で始まったエジプト革命も、無血革命、スマート革命とネーミングされるほど当初は平和的なものだった。
 
人口の過半数は30歳以下の若者といわれているエジプト。彼らの若い知恵を利用するのも、今後のエジプトにとってたいへん重要なことだと感じた。
 
 
 
 

                                         

 

エジプトのスーパーやショッピングモールが見たいというメンバーの要望で、砂漠オアシスロード沿いのカルフールへ。

モールでアクセサリーや靴をお土産として購入したり、フードコートで一息ついたり、スーパーの食材やお菓子、雑貨などを興味津々で探訪してまわった。

パプニングがいろいろ起こった3日目のツアーは、こうしてやっと終了。

太陽の光が温かいオレンジ色に変わり、カルフールのガラス張りの壁面に差し込み始める頃、私たちはホテルへ戻った。

 

 

 

                                         

しかし息子と嫁にはまだツアーが残っていた。

娘のピラミッドエリアのすぐ近く、アブルホールストリートにある下宿先へのお泊りツアーだ。

滞在しているホテルから、歩いてでも行くことのできる距離。

あまり灯りの無い夜道を、ラクダ君たちの○○コを踏まずに歩くのがいかに大変だったかと話していた。

この言葉の意味は、私は娘の下宿へ行ってから理解することとなる。

久しぶりの兄妹、嫁の3人で深夜まで、食べたり飲んだり…語り明かしたようだった。

 

 

 

                 

 

翌朝、踊り場から見えるピラミッドに、はしゃぐ二人。 

息子がエジプトを去ってから、娘が気がついた。

玄関ドアの前の砂漠の砂が溜まったフロアに息子の靴跡が。「お兄ちゃんの置き土産だ!」と娘は笑った。

今回息子夫婦が、苦労してでも仕事の調整をしてやってきたエジプト。

エジプトでの妹が元気でいるのかを、自分の目で確かめたかったのかもしれない。

エジプトとうまくやっている、変わらない明るい妹の姿を見て安心したことだろう。

明日はいよいよ4日目。ラスマイ!一日観光は最後の日となる。静かな佇まいの町オールドカイロへ。

 

 

 

 

 

 

 

 


ガールスカウトの気まぐれツアー

2014年03月05日 | 旅行

 

 

 

ダハシュールの赤のピラミッドへ向かう。

 

エジプトに到着した日は遅くまでハン・ハリーリ。

2日目はクフ王ピラミッド入場とラクダ乗り体験、そのあと広い考古学博物館の中を沢山歩いた。

そして今日の午前中はあのハムシーン。

しかし私は「体験したくてもめった遭遇できるものではないスペシャルなハムシーン、皆さんはラッキーだった!」と説明した(笑)

まあまあの高齢者も混じる今回のメンバー。

今日あたり筋肉痛がきているだろうと、ツアー計画を立てる時点でふんでいた私は

赤のピラミッドは外から眺める見学のみの予定を立てていた。

 

 

 

                              

 

しかし、セラぺウムの中のアピスパワーですっかり元気を取り戻したらしいガールスカウト御一行、赤のピラミッドも中にも入りたいと言い出した。

まあまあ高齢のメンバーには「赤のピラミッドはいろいろな意味で一番きついピラミッドだから」とアドバイスしたが、言いだしたらきかない!

明日のことは考えず、アクティビティーには残らず果敢に挑戦したいらしい。

やっぱりガールスカウトは一筋縄ではいかない。「なんでもチャレンジ!」の精神が体に浸み込んでいる。

了解!!予定変更!!

 

 

 

                                 

 

クフ王の父スネフェル王が建設した赤のピラミッド。

ピラミッド史上初めて直線のラインを持ち、壁面が二等辺三角形になっている方錐形の真正ピラミッドだ。

元気いっぱいのメンバーはその赤のピラミッドの入り口に向かった。

 

 

 

                          

 

ロートルがピラミッド内部で悪戦苦闘しているであろう頃、ピラミッドは外から眺めるのが一番と体験から分かっている義姉妹は昔話に花が咲く。

息子の嫁と娘は小学校以来の仲良しの同級生。したがって嫁は息子よりも娘との付き合いの方が長い。

私も嫁の小学校時代を知っている。縁は異なもの味なものである。

 

 

 

                                  

 

次に向かったメンフィスの町では、巨大なラムセス2世像に「ハンサムだわ~~~❤」と見入る。

博物館のミイラ室で、同様に横たわっていたミイラのラムセス王と違いすぎるとの意見も(笑)

 

 

 

                                   

 

ラムセス2世の立像とアラバスター製のスフィンクスも見学。

アラバスターのスフィンクスは天気のせいもあったのかもしれないが、以前より涙のあとが増えているような気がした。

最近のエジプトの天候を考えると、貴重な遺物の野ざらしの展示を再考する時期にきているのかもしれない。

 

 

 

                                         

 

屋台のようなお土産屋は変わっていなかった。

全員がワラワラと一軒の店に集まって品定め。

エジプトの砂漠を描いた、素朴な生成りのタペストリーに人気が集中。

それがまたお安い!でもそこは、しっかり者の主婦軍団。そこからまた値切って、皆様ご購入。

お店の若者とのやりとりも楽しく、素敵な時間はサラサラとこぼれ落ちていく。

気まぐれに好きなところで、時間をとることが出来る自由なツアーを計画した。

観光客の、特に女性のニーズを掴んだ自分って偉い!と、ガールスカウトメンバーの楽しそうな顔を見て自己満足する私であった。

もちろん、気長に寛容に付き合ってくださった日本語ガイド ムハンマドさんと運転手さんに感謝。

私たちはこの後も、砂漠ロードのカルフールへ連れて行ってもらうという規格外のツアーを計画していた。