博物館を出て、日本語学校に通うアハマド君に別れを告げ、
フェイスブックで友達になった智子さんとお会いするため、約束の場所へ向かう。
智子さんは長年の夢を叶えて憧れの地エジプトへ渡り、タハリールに居を構え旅行会社に勤務している。
ある日、死に掛けていた子猫を拾い育て始めた。
すると、予期せぬエジプト革命が勃発。
帰国しようと思ったが、子猫を連れて戻るには手続きに8ヶ月以上を要することがわかった。
彼女は目の前に起こっている争乱から逃れるよりも、子猫の命を思いタハリールに残る決心をした。
何日も外へ出ず、恐怖の中ひたすら沈静化を待ったようだ。
そんな彼女の気持ちが痛いように理解できる。私もきっと同じことをしただろう。
話を続けていくうちに、初対面にもかかわらず、娘との接点が多いことが判明。
娘が以前勤めていたサッカーラという旅行会社に、その後勤務していたこと。
滞在中の娘が風邪でダウンしていなければ、友達の紹介で対面のチャンスがあったこと。
また革命時、娘がお世話になった考古学者の河江さんのエジプトでの講演会、現場ツアーに参加したこと。
講演の素晴らしさにファンになったことなど。
考古学者宿舎に避難をさせていただいていた話をすると
「えーー!!千明さん!いいなー、いいなー!」と智子さんがいうので大笑いした。
世間は狭い。いやエジプトは狭い。
タハリール・タラアト・ハルブ通りのビルの谷間にあるオープンカフェでの
女4人の賑やかなおしゃべりは続く。
またたく間に時が過ぎ、気がつけば、辺りはすっかり暗くなっていた。
智子さんにお会いして、彼女の情熱と行動力に感服。
何より大好きな場所が同じだという同志のような彼女を応援したい気持ちでいっぱいになった。
一度きりの人生、自分の夢を実現しようと努力している若い彼女は、素晴らしい!羨ましい!
智子さん!またエジプトへ行ったら ぜひお会いしましょう!
お土産はもちろん!智子さんが大喜びしてくれたココ壱のカレーね!!