娘は2012年からエジプト派遣、2013年から2015年までスーダンの協力隊活動を終え、
一時帰国を除くと5年間の海外生活に、終止符を打ち帰国した。
スーダンでの約一年半の日々は、エジプト同様 忘れがたい友情の地となったようだ。
活動の思い出を、ここに記録しておきたい。
スーダンでは、女性に向けた職業訓練コースを充実させるための活動が主なものだったと聞いた。
職業訓練センターの先生方と共に授業の進め方を考え、提案もした。
料理上手なスーダン人は、目分量で代々の味を伝えてきたので、いわゆるレシピというものが存在していない。
分量を量って料理手順を記す、レシピ作りも提案。
家庭料理はレシピなど不要だが、料理や菓子などを商品化する場合は、均一な味や見たた目が求められると考えたからだ。
料理のレシピを作成する。手順を確認する先生達。
また、ほとんどの国がそうであるように、教室の掃除や器材の片付けを学生自身が行う習慣が無いため、その試みもしたようだ。
教室の片付け、掃除から始まり、道具を決められたところへ戻すだけで、限られたスペースが有効に使われるようになった。
主に担当した服飾科、食品加工科では、多くの道具や材料が教材として使われる。
始めの頃はそれらがよく散乱していた。
片づけることが、合理的で効率的だということを根気よく伝えていく。
なかなか理解されなかった提案も徐々に浸透し、知らぬ間に生徒達の中でリーダーが現れていた。
前向きで柔軟な彼女に、よく助けられ励まされた。
先生方、少女達との間に、忘れることの出来ない友情が芽生えていったようだ。
職業訓練センターのボスと先生は、父のように温かい愛で協力隊員をバックアップしてくださった。
別れがたいスーダンのお父さん達。
スーダンの風景も素晴らしかった。
新婚旅行で人気の町カッサラの風景。そしてタカ山。
娘には、第二、第三の忘れがたき故郷が増えつつある。
世界を知る。そこで生活を共にし、友として互いを認めあい尊重し愛していく。
世界が平和で争いが無くなり、共に生きる時代が来るとしたら、
こんなシンプルなことが最も大切なことなのかもしれないと、娘の活動を通して思った。
最後に
在エジプト日本大使館広報誌「あるやばん」に掲載された活動レポートを。
日本語訳はこちらから→http://amenmama.tumblr.com/post/93976232240
写真は エジプト、スーダン、日本のかしまし三人娘。
国籍の違う三人娘の奇跡の写真が撮れたのは、エジプトJICAに勤務する親友がスーダン出張となり、娘を訪ねてくれたから。
私はこの写真がとても気に入っている。
留学、協力隊を経て、娘が得た様々なもの、
そして エジプト、スーダン、日本の友情を象徴しているような一枚だからだ。