11月18日、大規模な抗議デモが発端となり、今エジプトは危機的状況にある。
デモはエジプト革命後も続いていたが、来る28日に迫る人民議会選挙を前に
第二のエジプト革命ともいえるほどの治安部隊とデモ隊との衝突が起きた。
(エジプト風刺画・それぞれの思惑でエジプトを描く、今のエジプトの状況を上手く表現している)
エジプト革命と違う点は、民衆側に立っていたエジプト軍も治安部隊に加わったことだ。
一連の衝突の大きな原因は、ムバラク政権の崩壊後に全権を握ったエジプト軍最高評議会が
新憲法に軍の権益を維持する原則を導入しようしたことだ。
治安部隊は、ゴム弾を装填した散弾銃、催涙ガス、果ては実弾まで使って鎮圧を図ろうとしている。
今回の催涙ガスは、CR催涙ガスだと言われている。
革命時のCSガスより6-10倍強力で、窒息死で亡くなる人が多数出ている。
毒ガスと言っても過言ではない。
強力な催涙ガスが準備されていたのが、不可思議だ。
あからさまに、民衆に銃口を向けるフォトも多くアップされている。
信じられない光景だ。
民衆は、それでも抵抗を続けている。
催涙ガスを、投げ返そうとしている民衆もいる。
3日目に突入時点で、負傷者は1000人を超え、33人の死亡が確認されていた。
今この時も増え続けているだろう。
少年の絶望的な表情には、言葉がない。
ゴム弾の散弾銃で目を負傷した人が多い。失明の危険性が高いといわれている。
強力な催涙ガスは、お年寄りまでも苦しめている。
今回もコプト教徒が、イスラム教徒の礼拝の時間を人間の鎖で守った。
こんなシーンの多くのフォトを見て、革命後起こったコプトへの暴力事件は、一般民衆の仕業ではないと確信を持った。
まだまだ、デモ隊は沈静化する気配をまったく見せていない。
あり合わせの物で防具を作ったり、逞しい女性が催涙ガスの缶を運んだり、
マジンガーZらしき者をタハリールに登場させたり…。
こんなエジプト人の逞しさやユーモアに触れると、少し光が見えた気がする。
国民に銃口を向ける政権を許すことなく、革命を発起した若者達の声をしっかり聞いて
生みの苦しみであえぐ「アラブの春」を完遂させてほしい。
*エジプト情勢を詳しくお知りになりたい方は下記をご覧下さい。
nofrillsさんのブログ「エジプトでは、何が起きているのか」
http://nofrills.seesaa.net/article/236738449.html