Schreib mal wieder!

自分の感じるままに...それがクレームと言われても

レール

2005-05-09 22:29:04 | Thoughts
人生のレールをただ進んでいくだけ...などとレールは決められた道をなぞらえる代名詞によく利用される。だから僕はときどき電車の運転台をながめながら、

「この仕事っておもしろくないだろうな」

と失礼ながら思ったりしていた。区間ごとに事細かに出る最高速度の指示、数多くの信号、とはいえ与えられた権限はアクセルとブレーキだけ。どんなに複雑なポイントがあってもハンドルがあるわけでもなく、自分で行く先を選ぶことはできない。まさにレールの上を走っている。

だから今度のJR西日本での事故には本当に驚いた。障害物に衝突したり、地震などの外的な力によるのならともかく、自分単体で電車が脱線「できる」なんて夢にも思っていなかったらだ。旧式のATSなど特殊な要因もあるのだろうが、「電車って暴走できるんだ」っというのが最初の感想だった。

今回のことで、オーバーランなどの軽微な事故がクローズアップされるようになった。確かにプロだからできて当たり前だろうけど、レールの上を正確に走るということも決して簡単なことではないだろう。まして首都圏の過密ダイヤであればなおさらだ。

社会にはさまざまな役割がある。もっと注目されるべき、あるいは感謝されるべき人たちもたくさんいるのではなかろうか。僕は少なくとも今度のことをとおして、日々正確に運転してくれている運転士の方々に対する見方は大きく変わった。もちろん、これはすべての役割に共通のことでもあるんだろうが。

今日も窓の外には、ときおり武蔵野線がレールの上を正確に走っていくのが見える...。普段の風景のひとつ。