「ドラムって疲れるでしょ?」っていう質問に「跳ね返る力を利用してるからそんなこともないよ」と村上ポン太が雑誌のインタビューで答えているのを見たのを今でも憶えている。中学の頃の話だからもう20年以上前のこと。
最近自分はそれに近いことをやっていることに気付いた。それは相手の力を跳ね返して利用してるということ。
チームメンバーやマネージャー、他の部署のヘッドやらが、入れ替わり立代わりやってきては、相談やら、文句やら愚痴を言いに来るけれど、僕はそれを聴いているだけ。もちろんそれは心を込めて真摯に聴いて、心から同意する。そして、相手がしゃべり終わったらすかさず、「じゃぁどうしたらいいと思う?」「それは困りましたよね」「じゃぁ、僕がどうしたらいい?」「どうしましょうか?」と質問する。大抵の場合、相手が答えを持ってることがほとんどなので、「じゃぁそうしようよ、そうするためにはどうしたらいい?」ってさらに訊いて、道筋ができたころには、そのまま気分良く帰って行ってくれる。
別に自分のアイデアや意見を伝えているわけじゃ全然ない...そもそもそれぞれに自分の意見を言えるほど多岐にわたる専門知識なんて持ち合わせていない。もちろん、他の部署との交渉やらマネジメントに掛け合う必要があるところは立場上必要なことは自分がするけれど、それもそんなに多くはない。
いきつくところ、自分の仕事って「よろず相談」なんだなと思った。去年から散々悩んだけれど、こそこそが僕が今食えている源泉であることにやっと気付いた。
これは触媒にはなるけど、儲かるビジネスモデルを作り出せるスキルではない。そりゃぁコンサルとか、コーチとかそういう手もあるけれど、やっぱりこれだけで食うのは難しい。
それでも、これが僕の強みである以上、この関連で食えるならその道もいいなと思う。だから今の仕事を続けながら、その方面で食える力を磨いていって、だんだんそういう方向にシフトしていけたらいいなと思った。
飲んだり飯を食いながら、こういう話ができる友人がいることにあらためて感謝したい。
そして、デールで学んだこと、トーストマスターズで学んだこと、コーチングで学んだこと、審判を通して学んだこと、すべてがミックスされて自然に自分のスキルになっている。関わったものすべてに感謝したい。