予告編というのはしばしば人に間違ったイメージを与える。
地下鉄に乗って、駅のホームのスクリーンに映し出されるCMを見て、この娘可愛いなぁ、素敵な笑顔だなぁと思って検索して見つけたのが、新垣結衣が出ていたハナミズキ。浦和の映画館の上映スケジュールを毎日眺めながら、なんとなく気乗りせずにいたら、そのうちに終映になっていた。
今回は本を読むつもりでしこたま本を持って来ていたので、帰りの便で見ようかとは思ったものの、飯のときくらいはいいだろうと、配られたときにちょうど始まったのでついつい見てしまった。
高校生、大学生のころ。まだ携帯もない、留守番電話の時代。別に何というわけじゃないけど、胸が締め付けられるような思いで、目をそむけたくなった。不器用で、無知で...ドイツに向かうとき、東京駅の地下ホームで映画みたいに泣きながら別れたこと、里帰りしては帰るときに寂しい思いをしたことを思い出した。
ニューヨーク、予告編では「ケッ」って思ったけど、すごく丁寧に自然に日常を描いていた。北海道の自然もそう。カナダの海辺の街もそう。本当に丁寧に描かれていた。
久しぶりの国際線。半ば過ぎると機内の照明も落とされて数インチのスクリーンだけど、まるで映画館のようで、最後は恥ずかしげもなく、流れる涙をぬぐいながら観た。
Le Concert! のエンディングも心動かされたけれど、このベタな、一青窈の曲とともに流れる繊細なエンディングには涙が止まらなかった。
今の自分があるのは、今までの自分があるから。いろんな経験、体験が積み重なって今の自分がある。こうして飛行機に乗っていられることも、それは両親が与えてくれたもの、そして自分が積み重ねてきたことがあるから。今この自分が持つ力を生かしていかなければいけない。自分の幸せのために、家族の幸せのために、そしてそれが多くの人の幸せにつながるように...。
高校時代の大切な友達が「PDFがきれいに読み込めたのも『巡り合わせ』だよ」と言ってくれた言葉が頭をよぎった。AAの機内で、こうして「今」この映画を観る機会をもらったこと、そこには意味があるとしか思えない。
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