赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

ゴーン氏逮捕の裏側 コラム(286)

2018-11-24 18:00:00 | 政治見解




コラム(286):ゴーン氏逮捕の裏側

ゴーン氏の逮捕の真相は、日産をルノーの完全子会社化させたいフランス政府と日本の企業として存続させたい日本政府の綱引きで生じた事件です。検察による極秘裏の捜査と素早い逮捕が、国策捜査であることを物語っています。

ルノーはフランス政府が15%の株式を保有する半国策会社です。

ルノーは会社の規模や利益が圧倒的に上回る日産の株を43.4%保有し、事実上の支配権を獲得しています。また、ルノーは三菱自動車を事実上の傘下に収めています。

フランスはかねてより、自国産業の振興や雇用増が目的のためにルノーに日産を吸収させたいとの思惑をもっていました。一方、自動車産業を奪われまいとする日本政府の思惑がある中でゴーン氏の逮捕劇があったと言えます。

ゴーン氏逮捕後の11月22日、訪仏中の世耕経産相はフランスの財務相と会談した際、「日産ルノー連合 強く支持」と述べましたが、これは建前にすぎません。フランスやEU諸国の間では、今回の事件を政治的な案件ととらえ日本政府への批判報道が高まりつつあります。


日産の企業体質

日産は国内で第二位に位置しますが、古くからゴーン氏の欲望を助長させる社内風土がありました。ゴーン氏の就任前には幹部役員が会社を私物化してきた歴史があります。

経営危機の元凶となった人物は川又克二氏です。プリンス自動車との合併を経て日本第二の自動車メーカーへと成長させた反面、社内の労働運動に対処するために自動車総連会長の塩路一郎氏と結託しました。

塩路一郎氏は労組のトップでありながら日産の会社運営に君臨、彼の同意がなければ人事や経営方針が決められないほどの影響力を行使していました。当時、労働貴族と言われた塩路氏は「銀座で飲み、ヨットで遊んで何が悪い」と開き直ったことで失脚しましたが、社内では「塩路天皇」と恐れられるほどの権力を握っていました。

その後、塩路氏追放の立役者となった石原俊氏は会社規模に不釣り合いな広告宣伝費や無謀な海外プロジェクトに走りました。その結果、順調だった東村山工場閉鎖の原因をつくるなど経営上の大きな判断ミスを繰り返しました。

この局面で、ルノーからカルロス・ゴーンが新社長として就任し、思い切ったコストカットと従業員の大量解雇を推し進めました。

日産の歴史はという会社は、ゴーン氏を含め無能で強欲な幹部役員によって食い物にされ続けていたのです。


今後の展開について

日仏間の衝突にまで発展しそうな雲行きですが、現在の状況を詳しく知る友人に意見を求めました。



ゴーン氏逮捕で幕引きがはかられるというわけではありません。
また、日本の検察の思惑通りに進むかは疑問です。

フランス、EU、そのほかの先進国は最初から日本政府と日産が組んで仕掛けたことだと思っています。
世話になったルノーを、日産の業績がちょっと良くなった途端に切り捨てようとしていると見ているわけです。

要は日本はずるい国だと思われています。

日産は、もともと権謀術数のようなことで労使が水面下で駆け引きをするような会社です。
その過程で「労働貴族」を生みだしたような不良会社なわけです。

昨年から繰り返された日産によるデータ不正事件では現在も全く自浄作用が効いていません。
そもそも、西川(さいかわ)社長やゴ―ン会長が記者会見場に顔も見せていません。
まさに反社会的企業と言わざるを得ません。

現場ではいまだに不正行為が続き、どうやって隠そうかとばかり考えています。
他社の最新技術のパクリも行っているようです。

今の日産には自社で新技術の開発をするかつての情熱はありません。
役員の精神性はトヨタに比べると雲泥の差です。

役員は企業人としての社会性がゼロに等しく、
自分たちの利得のことばかりで社員や関連企業のことなど誰も考えていません。

結論的にはこの会社は日本から無くなっても誰も困りません。
ホンダなどの企業が買収しても良いかもしれません。




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