赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

"新生BRICS"が世界にどのような影響を与えるのか?

2023-08-30 00:00:00 | 政治見解



"新生BRICS"が世界にどのような影響を与えるのか?
——「金融」と「海」を支配する巨大組織の誕生か!?——:230830情報



ジェトロ(日本貿易振興機構)のビジネス短信は、
「BRICS首脳会議の議長を務めた南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は8月24日、会議の成果報告演説を行い、アルゼンチン、エジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)の6カ国がBRICSに新規加盟することを発表した。ラマポーザ大統領は加盟承認の具体的な手続きや基準については言及しなかったが、6カ国は2024年1月1日から正式な加盟国になるとした」
と報じています。

BRICS+になろうとしているに今、これに関する情報を検索していたら、以下のような情報が入ってきました。投資のことも書かれていますが、これはさておいて、BRICS+について興味深いレポートになっているため、情報の全文を掲載いたします。なお、これを見て投資を考える人は自己責任でお願いします。



加盟国の拡大が何を意味するのか?

8月22日から24日まで、南アフリカのサントン・コンベンション・センターでBRICS首脳会議が開催された。

BRICSは、金融、外交、環境、女性問題、スポーツ、その他多くのテーマに関する会議を年100以上も開いている。しかし、加盟国のトップが参加する会議は年に1回だけ。また首脳陣が一堂に会すのは、今回が初めてであった。

出席したのは以下、各国のリーダーたちである。

・中国の習近平国家主席
・ブラジルのルーラ・ダ・シルバ大統領
・南アフリカのシリル・ラマフォサ大統領
・インドのモディ首相
・ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣(ロシアのプーチン大統領は、国際刑事裁判所から逮捕状が出ているため、直接出席することはできなかった)

この会議は、2010年以来の「BRICS加盟国拡大」という重要な決定で幕を閉じた。以下、6カ国が2024年1月1日付で加盟することが決定。

・サウジアラビア
・アラブ首長国連邦
・エジプト
・アルゼンチン
・エチオピア
・イラン

ブラジルは当初、2つの理由からサウジアラビアの加盟を支持しなかった。

・BRICSにおけるブラジルの経済的影響力が弱まること(サウジアラビアは1兆ドルの経済規模を誇る)
・BRICSの中でブラジルの産油国としての重要性が低下すること(サウジアラビアは世界第2位の産油国、対してブラジルは第9位)

以上の2つである。インドはサウジアラビアの加盟には特に異論はなかったが、BRICSの新通貨の立ち上げは支持しなかった。なぜなら、同国は「ルピー」を貿易通貨として普及させようとしている。もし、BRICSの共通通貨が実現すれば、その努力が水の泡となるからだ。

そしてBRICS加盟国の拡大は、ペトロダラー時代の終わりが近づいていることを意味する。

特にサウジアラビアのBRICS加盟は、その大きな一歩だ。もしサウジアラビアがアメリカとのペトロダラー協定を破棄し、石油をドル以外の通貨で販売することを選択すれば、アメリカにとって大きな打撃となる。世界でのアメリカの影響力が弱まることになりかねないのだ。

そして、サウジアラビアのBRICS加盟は、BRICS新通貨にとっても大きな一歩となる。なぜなら、通貨同盟の規模を拡大することになるからだ。新通貨はより利用範囲が広がり、流動性のあるものになる可能性がある。

結局、インドとブラジルの反対はあったが、ロシアと中国が新たな国の加盟を押し通した。BRICSは、11の正会員を擁するBRICS+となり、より大きな政治力と新たな通貨統合への道を歩むこととなる。


BRICS+に残された2つの選択肢

加盟国の拡大により、BRICSの新通貨は来年には実際に使われるようになると予測している。というのも、現在のBRICS加盟国はもちろん、今後BRICSに加盟する予定の国々もまた、米ドルの武器化に苦しんでいるのだ。

近年ロシアで起こったように、ドル建ての外貨準備が米国によって凍結されるかもしれないという脅威にさらされている。個々の新興国が貿易において「自国通貨の使用を促進したい」と考えるのは当然のことだ。

だが、その努力は失敗に終わる運命にある。ただ貿易収支を記録する方法としては、ほぼすべての通貨を使うことができる。難しいのは「その通貨で何ができるか」だ。

米国、欧州、日本以外には、流動性の高い大規模な債券市場がない。そのため現時点における選択肢は、「ドルかユーロを使うか」(各国はこれを避けたい)あるいは「大きな通貨同盟を立ち上げるか」である。


海の支配を広げるBRICS+

BRICSの加盟国拡大が意味するのは、通貨同盟にとどまらない。
・サウジアラビア、イラン、アラブ首長国連邦が加わったことで、BRICSは事実上、ペルシャ湾を包囲することに。
・エジプトとサウジアラビアが加わったことで、BRICSは紅海とスエズ運河を実質支配することに。
・アルゼンチンが加わったことで、BRICSは大西洋から太平洋へのマゼラン海峡を支配することになる。

BRICSは、ハルフォード・マッキンダー(アジアを拠点とする世界島とハートランドの理論家)とアルフレッド・マハン(重要な海峡やその他の海上交通の要衝の支配を重視したシーパワーの理論家)の2つのビジョンに近づいている。

陸と海、両方の物理的支配を固めつつあるのだ。これはすべて、歴史にも時事問題にも無知なように見えるバイデン政権の目と鼻の先で起こっている。

新加盟国の加入と新通貨の発行は、切り離して考えることはできない。これらは共通のプロジェクトと言える。

加盟国の拡大こそが、新通貨の実現性を高めるのだ。BRICS+については、今後数日、数ヶ月のうちにさらなるニュースが発表されるだろう。

BRICS+の動向を注視し、新たな世界秩序とBRICSの新通貨について、あなたに一歩先をお伝えしていく。

通貨戦争が激化すればするほど、私たちはより多くの収益機会を得ることもできるだろう。そして、金とリンクする新しい通貨が開発されれば、金価格が高騰することが期待される。金鉱株の多くにとっては、素晴らしいニュースだ。


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