
③日本人が知らない米メディアの実態 :240216情報
一昨日、昨日からの続きです。
■5.メディアが火をつけた架空の「ロシア共謀疑惑」
あった事を報道しないのとちょうど逆に、なかった事を報道する事もニューヨーク・タイムズ紙は行っています。
2016年の大統領選挙で、民主党のヒラリー・クリントン陣営の指示で、イギリスの元諜報部員クリストファー・スティールがトランプ候補の醜聞を探り出そうと調査を始めました。スティールはトランプ陣営が選挙中にロシア政府と積極的に共同したという疑惑を、文書にまとめました。
スティールの文書はクリントン陣営からFBIの手に渡り、民主党の両院議員は刑法上の要件がないにもかかわらず、特別検察官の任命を求め、民主党系のメディアも後押ししました。
その結果、特別検察官ロバート・モラーが任命され、捜査が始まったのです。こうした流れを受けて、メディアは、トランプ大統領が法律に違反していた可能性があると盛んに報道しました。
トランプは起訴されるだろう、いやすでに秘密裏に起訴されているのかもしれない、息子のドナルド・トランプ・ジュニアが起訴されるだろう、とさまざまな推測報道が飛び交ったのです。
■6.「口シアに関する記事をたくさん書いたが、後悔してはいない。」
モラー特別検察官は、19人の弁護士、約40人のFBI捜査官、情報アナリストなどの専門スタッフの補佐を受け、2800本以上の召喚状を出し、約500本の捜索令状を執行し、230件以上の通信記録を押収し、約500人の証人を聴取する徹底的な調査をしました。
その結果は「トランプ陣営の関係者が選挙への介入についてロシア政府と共謀や協力をしたとは証明されなかった」と結論しました。2年以上大騒ぎして、その結果は作り話だったと判明したのです。
その間、ニューヨーク・タイムズ紙とワシントン・ポスト紙は「ドナルド・トランプの大統領選挙とロシアの関係についてスクープし、2016年の選挙に対して特別検察官が実施中の捜査に注目する報道をした」として、ピューリッツァー賞を受賞しています。
この賞の選考も偏向しているようで、前述のデュランティも受賞しており、その後、賞を剥奪しようという運動まで起こされています。
モラー特別検察官の報告書が出てから、ニューヨーク・タイムズ紙のディーン・P・バケット編集長は、こう語っています。
「私たちは口シアに関する記事をたくさん書いたが、後悔してはいない。違法性があったかどうかを決めるのは、私たちの仕事ではない」[レヴィン、2307]。
しかし、違法性がない可能性も十分あるのに、さも真実らしく2年以上もニュースとして流し続けるというのは、真のジャーナリストなら反省すべきことでしょう。自分の仕事がトランプ打倒のためのプロパガンダを流すことだという確信犯の言葉のように聞こえます。
■7.メディアは「社会を良い方向に動かしていく運動家」か?
朝日新聞の「従軍慰安婦」報道は、この「ロシア共謀疑惑」報道とよく似ていますが、自らタネを蒔いたという意味では、一歩上手です。元朝日新聞記者の植村隆氏はかつて自身が書いた「従軍慰安婦」の記事を櫻井よしこ氏に「捏造」と決めつけられ、名誉毀損による損害賠償を求める訴訟を平成27年2月に起こしました。
百数十人もの大弁護団を擁しての一大訴訟でしたが、1審、2審とも敗訴となり、この11月18日、最高裁は植村氏の上告を退ける決定をし、1、2審判決が確定しました。植村氏の記事は「捏造」と言われても名誉毀損にはあたらない、と司法は判断したのです。
そもそも朝日新聞社が設置した慰安婦報道をめぐる第三者検証委員会での結論でも、「植村は、記事で取り上げる女性は、(JOG注: 義父に連れて行かれて)『だまされた』事例であることを(JOG注:本人の証言)テープ聴取により明確に認識していたにもかかわらず、同記事の前文に、『「女子挺身隊」の名で戦場に連行され(後略)」と記述した」とされています。[阿比留]
「従軍慰安婦」問題が国際的なスキャンダルに発展したのは、こうした「捏造」記事からです。
ケヴィン氏は「自分たちが運動を通じて社会をいい方向に動かしていくべきと考えている」ことが「現代メディアの本質である」と述べています[ケヴィン、3783]。
この結論は、ニューヨーク・タイムズ紙にも、朝日新聞にもあてはまります。問題は、主権をもつ国民が、そんなマスメディアを「社会を動かす運動家」として選んでいるかどうか、です。
こうしたメディアは民間企業なので、消費者の購買がその支持票にあたります。朝日新聞はここ10年ほどで、800万部から300万部も落ち込み、55年ぶりに500万部を切りました。単体での営業利益は昨年度上期9億6200万円の黒字から、今期上期は3億3900万円の赤字に転落しました。
45歳以上の社員300人規模の希望退職を検討していることも報道されています。
「運動家」気どりの朝日新聞など不要、と多くの国民は判断しているようです。
(おわり)
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