赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

憲法記念日の翌日に思うこと コラム(414)

2022-05-04 12:37:06 | 政治見解



コラム(414):憲法記念日の翌日に思うこと

日本共産党がなぜロシアのウクライナ侵略を激しく批判するのか、その理由がわかりました。

ウクライナの悲劇によって日本国内に防衛と改憲議論が高まることを恐れて、その原因をつくったロシアを糾弾することで、改憲世論の盛り上げを阻もうとする狙いがあるからです。つまり、改憲を阻止するためにロシア批判をしているだけで、ウクライナのことはちっとも心配していないのです。

いつもの共産党らしい欺瞞行為です。


改憲を阻止したいNHK

5月3日の憲法記念日、世の人びとはコロナ規制から解放された連休を楽しんでおり、政治に強い関心がある人だけが憲法記念日を様々な立場から意見を述べているように見えました。

それでも世論はウクライナの悲劇をきっかけに防衛と改憲はセットで必要だと感じはじめています。しかし、この機運に火消しを図りたいのはメディア関係者です。ウクライナの悲劇が世論を動かしており、彼らの「世論を動かすのは俺たちだ」という自尊心はへし折られてしまいました。

なかでも、最大の危機感を抱いているのがNHKです。もし改憲されれば、次に来るのはNHKの分割あるいは民営化の可能性です。一度、抜本的な法制度の改革が起きれば、必然的に関連する法案は変更を余儀なくされ、放送法なども俎上にあげられる可能性も十分に考えられるわけです。その結果、現状での生活維持ができなくなることを予測し、改憲はNHKにとっても阻止しなければならない大問題になっています。

したがって、改憲阻止のためには、改憲論議が盛り上がっていないことを証明しなければなりません。
事実、5月3日に発表したNHKの世論調査では・・・
 憲法   :「改正する必要があると思う」が35%、「改正する必要はないと思う」が19%
 憲法9条 :「改正する必要があると思う」が31%、「改正する必要はないと思う」が30%
 去年の同じ時期に行った調査では「改正する必要はない」が「改正する必要がある」をやや上回っていましたが、今回は同程度となりました。

と報じ、改憲派と護憲派の専門家がともに、「国民は冷静」と分析させていました。

でも、この世論調査の数字、直感的に見て誰もがおかしいと感ずるはずです。私には「改正する必要がある」から少なくとも20ポイントを引いて、「わからない」に入れたと感じます。

ちなみに、読売新聞社では・・・。
 憲法を「改正する方がよい」は60%(昨年調査56%)と、郵送方式となった2015年以降で最も高かった。ロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮のミサイル発射などによる安全保障への関心の高まりを反映した。

護憲派の代表、朝日新聞社でさえも・・・。
 いまの憲法を変える必要があるかを聞くと、「変える必要がある」が56%(昨年調査は45%)で、
「変える必要はない」37%(同44%)を上回った。2013年に郵送調査を始めて以降、改憲必要派は最多


右寄りと見られる産経新聞は、左寄りの共同通信の世論調査を用いていますが・・・。
 9条改正の必要性は「ある」50%、「ない」48%。昨年の同時期は、必要51%、不要45%だった。

以上の通り、NHKの数値は明らかに操作しています。彼らにとって、現状を維持することが第一義で、そのためには世論調差でも、報道でも改憲阻止のためには何でもやる構えとみて差し支えないと思います。


護憲は政党幹部の生活を維持するため

立憲民主党や共産党の幹部にもNHKと同様の考え方が見られます。国際情勢とか国内の事情とは無関係に、「憲法を守れ」ということが彼ら幹部の生活の支えになっているからです。

なぜなら、彼らはカルト宗教の教祖や幹部と同じで、信者である下部成員に「戦後70年以上、平和な日本が続いてきたのは、憲法があるからだ。ウクライナで起きていることを見て戦争の恐ろしさを痛感するはずだ。戦争に巻き込まれる危険性をはらむ9条を変えることは許されない」という教義を信じ込ませることに成功したからです。

普通の人なら憲法9条が「侵略を可能にする条文」であるとわかるのに、護憲派の下部構成員は「憲法9条のあるおかげで戦争に巻き込まれない」と錯覚しているのです。そして、「憲法9条を守るために頑張っている護憲派幹部をしっかりと支えていれば改憲はできない」と刷り込んでいるわけです。これは、カルト宗教が、最初に恐怖心を与え、十分に震え上がらせ、「そこから救済されるためには献金と奉仕を積めばいい」という手口と何ら変わりはありません。

それゆえ、護憲派集会では「ロシアより許せないのが今の与党だ。国民をだまそうとしている」などと言ってみたり(立憲民主党の奥野総一郎氏)、「ロシアのウクライナ侵略に乗じた、火事場泥棒的な憲法9条破壊、大軍拡は許されません」と主張する日本共産党のようにいつも「改憲は悪」であると論じ、「護憲は正義」を繰り返し刷り込んでいます。いったん、洗脳に成功すれば、信者である下部構成員は思想的奴隷となります。

結局、護憲派の幹部にとっての護憲とは彼らの特権的生活を維持するための手段にすぎなくなってきており、護憲を言うのをやめると生活基盤が失われてしまうことを意味しています。だから護憲はやめられないのです。


ウクライナの悲劇を今一度見つめなおす

護憲派幹部の生活維持のための護憲ではなく、私たちが生存するために憲法の意味を改めて問うべき時がいまだと思います。それをウクライナの人びとが身をもって教えてくれました。

彼らは、圧倒的に不利な環境にあってもロシアに抵抗しつづけます。ロシアの軍門に下れば、侵略戦争で起きている以上の悲惨な運命が待ち構えていることを知っているからにほかなりません。自由を奪われて奴隷のように生きるよりも、自由のために戦う道を選ぶしか選択肢はなかったのです。この厳然たる事実を私たちは直視しなければなりません。それがウクライナの人びとと連帯する真の意味だと思います。

めいろまさんのツイートにこういうものがありました。

ウクライナで起きていることを日本に置き換えると…
・京都と奈良が空襲で廃墟に
・東京湾沖に機雷撒きまくり
・横浜、名古屋、大阪、福岡全滅
・北海道から人口半分が拉致され強制移住
・藤沢市が廃墟になり数百名が処刑
日本はロシアの隣でアメリカやヨーロッパからの支援は遠いから大変


実に端的な表現だと思います。この引用させていただいたツィートを今日の結論にしたいと思います。



  お問い合わせ先 akaminekaz@gmail.com【コピペしてください】
  FBは https://www.facebook.com/akaminekaz

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする