赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

自民党の本当の危機 コラム(267)

2018-06-29 09:46:44 | 政治見解




コラム(267):自民党の本当の危機




国際社会では高い評価を得ている安倍総理ですが、決して未来が明るいわけではなく、むしろ様々な危機の兆しが見えています。

安倍総理の最大の危機は、モリトモやカケイ問題ではありません。それらの多くは朝日新聞や野党左派政党による虚構に過ぎないからです。

安倍政権にとっての本当の危機は、身内である自民党議員が、私利私欲のために存在していることにあります。

現在、国会で審議されている「カジノ法案」と「参院定数6増法案」はその典型で、これに「消費増税」を加えると、まさに国民の幸福とはほど遠い悪政が実施されることになるのです。

これらの法案は議員立法なので、党内の手続きを済ませ国会に提出すれば、たとえ安倍総理でも党議には従わざるを得ず、党内の利権派議員の数に支配されてしまうのです。


恥ずべきギャンブル大国

競馬、競輪、競艇、オートレース、パチンコと世界に類を見ないギャンブル大国である日本に、さらに、カジノが加わることが国民の幸福増進に役立つはずがありません。

名目は観光産業の振興ですが、実際は新しい利権作りをめざす議員たち(国際観光産業振興議員連盟)のためのものであることは明白です。

しかも、これに反対する野党議員はパチンコ産業を守るために異を唱えているだけで、両者はそれぞれの立場で、利権の争奪戦を展開しているのです。そこには国民が存在しません。

殆どの国民は自民党にも、野党にも愛想を尽かすことになります。


参院定数増は国民への背信行為

「参院定数6増法案」は自民党の党利党略で推し進めようとしているもので、国会改革の流れに逆行するものです。

この法案、選挙区の「徳島・高知」「鳥取・島根」の合区を維持し、候補者を擁立できなかった県の候補者を比例代表の拘束名簿式の特定枠で救済し、さらに議員1人当たりの有権者数が多い埼玉選挙区の定数は2増やすというものです。明らかに自民党の利益のための法案です。

そもそも参議院自体に存在価値は無く無用の長物です。実際、彼らの仕事ぶりは衆院議員の事務所なら1時間で済む内容を3ヶ月かけてやっています。やる気やスピードの差が天と地ほどもあるのです。ただでさえ暇な参議院議員をこれ以上増やして何をするつもりなのでしょうか。

国会議員の身分の保証が憲法第43条に定められている以上、定数増は憲法改正か国民投票で信を問うべき重要問題です。これを経ない定数増は憲法違反であり国民への背信行為に他なりません。


自民党の俗物議員

自民党議員の多くは、国家に奉仕するための改革志向というよりも、自分の名声や金銭欲を優先し現在の立場を守ることを以て保守であると勘違いしています。

名誉や権勢欲を満足させるために国会議員になった者が多く、国家や国民のことを真剣に考えている政治家がほとんどいないのが現状です。

彼らの多くは自分の政治能力や人格によって国会議員になっているわけではなく、安倍総理の傘のもとで当選してきただけの人たちなのです。

彼らは安倍総理の名前を利用して様々な利権を手に入れてきました。

自分たちの利権を守るために彼らは、党内で正当な議論や筋を通そうとする人に対しあらゆる手段を使って封じ込めを画策してきました。

彼らは自民党だけでなく日本の発展を妨げてきた張本人なのです。


今こそ重要な分岐点

自己保身と己の利益に走る自民党議員が本気で変わらなければ、彼らに未来はありません。

参院選のために定数増を画策し、カジノの利権推進を図り、さらに消費増税の実施で国民からの信頼は一気に失墜します。有権者は容赦なく自民党に決別することになるのです。

自民党は存続に関わる重要な分岐点に差し掛かっていることを認識すべきです。





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