赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

トランプ外交の見方 コラム(262)

2018-06-05 19:42:20 | 政治見解



コラム(262):トランプ外交の見方


メディアや評論家らは、執拗にトランプ外交を批判し、暗に失敗さえ期待する声が見受けられます。


既存の価値観をこえているトランプ大統領の世界

既存の政治的価値観や政治の慣習にとらわれている人たちには、トランプ大統領の外交手法が奇異に見えて仕方がないようです。

しかし、彼らは、安全な場所の上に立ちながら、変化を嫌うので、彼らの思考を超えたトランプ大統領の行動を理解することはできません。トランプ批判の殆どは、自分たちの主張を受け入れてくれないトランプ大統領への怨嗟に基づくものです。

一方、米メディアがトランプ大統領を批判する理由には、中国マネーで汚染されたメディアの存在があります。対中強硬路線をとるトランプ大統領に対し妨害工作を行っているのです。人格攻撃をし、世論を反トランプに誘導をしているのはそのためです。

しかし、その効果は薄く、米国民の意識はトランプ大統領の独特で型破りなスタイルに戸惑いを見せているだけのことなのです。日本のメディアは、バイアスのかかった米メディア報道の受け売りをしているので、実態とは大きな乖離があるのです。


トランプ大統領の行動原理

トランプ大統領が「型破り」と評される理由は、自分の考えを貫き通す意思の強さにあります。彼の特徴は、「新しい秩序を形成するために既成の秩序を破壊すること」が自分の使命だと考えていることです。

時代の潮流や人々の政治意識が大きく変わる時代の前には、必ず変革者が現れ、古い秩序を破壊し、新しい秩序の構築をはかっています。そうした人物にトランプ大統領は自らを重ね合わせて見ているようです。

たとえば、ヘレニズム文明の礎を築いたアレクサンダー大王、中国大陸を統一して中央集権国家の形態をつくった秦の始皇帝、ローマ帝政の基礎を構築したジュリアス・シーザー、そして、アンシャンレジュームを崩壊させ、政治を市民の手に届くところまでもたらせたナポレオンなどなど・・・。

彼らが旧来の秩序を破壊したことで没後に新しい世界が現出しています。

トランプ大統領は彼らと同じことをしています。激しい批判の中でも、ことを成し遂げようとしているのはそのためです。


トランプ外交を論じるにあたっては、バイアスのかかったメディア情報を排除し、トランプ大統領自身が発するツイッターを見て、何を考えているのか判断することが何よりも大切だと思います。その際、トランプ大統領の考え方の基本には、安倍総理の「自由で開かれたインド太平洋戦略」があるので、安倍総理の外交発言を確認することも大切になってきます。

トランプ大統領は、既存のシステムを壊し、新時代の秩序をつくる意思を強く持っているので、皮相的な評論を無視し、本質を見極めた方がよさそうです。

トランプ大統領の言動のあとに、国際社会の大きな変化がやってくることを決して見逃してはなりません。




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