赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

トランプ大統領が国連人権理事会を離脱した意味 コラム(266)

2018-06-23 00:00:00 | 政治見解




コラム(266):
トランプ大統領が国連人権理事会を離脱した意味


6月19日トランプ政権が国連人権理事会からの離脱を表明しました。昨年10月のユネスコ脱退表明に続いてのものです。トランプ大統領は国連のあり方そのものに疑問を持っているようです。

トランプ大統領は国連人権理事会の主要なメンバー国に中国があることに不満を感じています。世界で最も多くの人権問題を抱えている中国が理事国であること自体が矛盾した組織であると考えているのです。

また、国連関係者が人権問題を恣意的に取り上げたり、高額な運営資金を無駄に使ってきたことも背景にあります。


トランプ大統領の決断の背景

当ブログ『コラム(265):トランプ大統領の通り過ぎたあと』でお伝えしたように、トランプ大統領は、既成の概念や規範にとらわれずに行動をする人物です。トランプ大統領の今回の行動により、肥大化し機能マヒになった国連組織の実態がまた一つ明るみになろうとしています。

トランプ政権の実情に詳しい専門家は今回の離脱の理由を以下のように説明しています。


トランプ大統領が、国連人権理事会の離脱を表明しました。トランプ大統領による、既存の国際組織からの離脱はこれからも続きそうです。いずれは国連そのものを脱退するつもりでいます。

トランプ大統領の決定は、一見、国際社会の秩序を乱す反国際行為のように見られ、メディアから批判されています。しかし、世界の将来にとって、国連組織の在り方が今のままで良いわけではありません。国連の様々な機能がマヒしています。これからもあちこちで綻びが生じます。

トランプ大統領が投じた一石が大きな波紋を呼びますが、改革のためのスタートであることは間違いありません。



国連は必要か


国際連合は、第二次世界大戦の連合国の集合体が原型です。両者とも英語表記はUnited Nationsとなっています。したがって、最初から加盟諸国を平等に扱う精神はありません。「国際平和と安全の維持」とは連合国だけのための謳い文句に過ぎません。国連とは常任理事会を構成する五大国のエゴが絡み合って何も決められない組織なのです。

それにもかかわらず、わが国では「国連は国際平和をもたらす最高機関」との神話が出来上がっているため日本では、「外国からの侵略があっても国連軍が守ってくれる」という国連信仰が形成されました。筆者自身、そのような言説を小学校の授業で聞きました。

一方、共産党をはじめとする左翼政党の関係者は、国連に虚偽の情報を上げて国連の権威を使い日本政府への勧告を導き出そうとしています。事実、昨年に発表された217項目からなる対日勧告の中には、「旧日本軍の従軍慰安婦問題では中国と韓国が元慰安婦への誠意ある謝罪と補償、公正な歴史教育の実施」「特定秘密保護法による報道の自由の萎縮」などが盛り込まれています。

国連の実態を知る専門家は、次のような喩え話でトランプ大統領の意図を伝えています。


国連は政治の駆け引きの場になっているだけで何も解決していません。つまり、国連組織は世界の人々の役に立たない組織であって、実際にはNGOなどの働きに頼っているのが実状です。

卑近な例で言うと、たけし軍団が北野たけし氏自身を含めて、「オフィスたけし」から独立したことと同じです。後に残った森社長と役員スタッフは店じまいをするしかないわけです。これもたけし氏が知らぬ間に、自分たちが稼いだお金を実際にはたいした仕事をしない社長と役員スタッフが自分たちの高額な給料にしたことが原因です。

国連も同じです。何も成果を上げないのに国連職員の給料や関連する組織や企業に莫大な金が流れているわけです。




トランプ大統領の言動は一見、唐突に見えますが、共通していることとして機関、組織、政策などあらゆるものに対して、その理念と目的は何か、それが価値あるものとして存在しているのか、成果を上げているのかを厳しく問うていることがわかります。

既存の思考にとらわれず大胆な変革を試みるトランプ大統領の言動をこれまでの通念だけで批判するだけでは本質を見誤ることになるのかもしれません。





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