赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

コラム(47) サイレントマジョリティ論

2015-09-10 00:00:00 | 政治見解



コラム(47):サイレントマジョリティ論

日本人の多くは自分の考えを持っていても、あまり表立って意見を言うことはありません。サイレント・マジョリティとはこのような人を指します。一方、日本では少数ですが何事も大声で主張する人がいます。彼らをノイジー・マイノリティと呼びます。

ノイジー・マイノリティの存在

目立つのはノイジー・マイノリティのほうです。マスコミは彼らの発言や行動を追って報道するため、その存在があたかも社会の大勢のように見えることがあります。さらにマスコミは、彼らの意見が国民の大多数の考えであるように声高に報道します。

卑近な例では、安保法制反対の国会前集会を、「これがほとんどの国民の声だ」と新聞のトップ記事にするのもこの手法の一つです。しかし、ほとんどの国民に反対の意思は無く、安保法制容認であってもわざわざ声を上げずにいるのです。


サイレント・マジョリティの力

一方、サイレント・マジョリティは、ノイジー・マイノリティのように抗議の声を上げたり、積極的な活動をするわけではありません。しかし、静かに穏やかに意思表示をします。

例えば、家族でレストランに行き、料理やサービスに不満だったときに、お店の店長をわざわざ呼んでクレームを入れるよりも、二度とそのお店に行かなければ良いと思い、黙って店を出ます。その気持ちに良く似ていると思います。

これは日本人の自然な心情であろうと思います。また、独特の美学なのかも知れません。

実は、国家や政党や役人、そして企業も、このサイレント・マジョリティの心情を真摯に見つめていかなければ、大変危険なことになります。


凋落する本当の理由

典型的な事例を挙げてみます。

民主党は2012年の総選挙で大敗し政権を失いました。また、2013年の参議院選挙、2014年の衆議院選挙でも連続して惨敗しています。民主党政権時の能力の低さにほとほと不信感をもった国民が静かに支援をやめたのです。その結果、サイレント・マジョリティは投票しませんでした。

朝日新聞は購読者が激減しています。朝日新聞は国民の活字離れやネットの普及によって新聞を読む人が減少していると言いたいのでしょうが、実は悪質な記事内容や会社の隠ぺい体質が本当の理由です。読者は抗議や不買運動をせず、静かに購読を打ち切り去っていきました。

韓国の諸問題についても、韓国は円安による影響で日本人観光客が減ったと言いますが、日本人は反日発言の多い韓国に嫌悪感を感じ、観光に行く気がしないだけです。韓国からの輸入量が激減しているのも、スーパーで韓国海苔やキムチが売れないのも同じ理由です。決して円安だからではありません。韓国旅行や韓国製品の購入の、選択をやめただけなのです。

中国に対しても同じです。抗日を政治利用して国内の統一をはかりつつ、一方で強大な軍事力で日本に圧力をかけてくれば誰でも不快感を感じ、中国への関心が薄らいでいきます。するとサイレントマジョリティは黙って中国産の商品に背を向けるのです。


万人に宿る良心の声

ノイジー・マイノリティに気を取られ、サイレント・マジョリティを無視してはなりません。サイレント・マジョリティの思いが本当の世論なのです。

何も言わないから無関心層かと言えがそんなことはありません。彼らは嘘やねつ造を見抜いているのでごまかしは通用しません。

サイレント・マジョリティは日本の良識であり、良心を表しているのです。

したがって、政治家も役人も、マスコミも、企業も常にサイレント・マジョリティの意思がどこにあるのかを確認することが重要です。真実はそちらにあるからです。



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