
浅草名画座が閉館しました。
浅草といえば、古きよき娯楽の街といったイメージもあり、こうして次々に昔ながらの娯楽施設が潰れていってしまうのは、なんとも悲しい思いがします。
と言っても、この映画館を知ったのはわたし自身つい最近で、去年1度だけ行ったのが初めてでした。
それから「いつかまた来よう、いつかまた来よう」と思っていた矢先に閉館の報を知りました。
隣り合う同系列の映画館、浅草新劇場・浅草中映劇場も同時に閉館しました。
わたしは名画座というか、昔の仁侠映画をスクリーンで観るのが大好きでありまして。
大阪に行くたびに、通天閣下の新世界東映という古い名画座でオッサンにまじって映画鑑賞するのが、何よりの楽しみとなっていました。
その後、観た映画をかみしめつつ、近くの串カツ屋で一杯やってドヤに戻る、というのが毎回のパターンです。
こんな映画館、東京にもあるもんかな、と調べてみたらここがそうでした。
「古いものは、なんとなくなくならないような気がする」という無意識はある日突然裏切られるのが常で、それは人の運命にも似ており・・・
今更後悔してもしかたなく、最後の日が近づいたある週末、お別れに行ってきました。


当日上映されていたのは『黒蜥蜴』『任侠列伝・男』『現代やくざ 人斬り与太』の3本立て。

『黒蜥蜴』は三島由紀夫の蝋人形演技が観たかったのでラッキーでした。
『現代やくざ 人斬り与太』は大阪で一度観たことがありました。深作欣二監督の名作で、荒々しいカメラワークと菅原文太さんのとことんアウトローに生きる男の演技が見もので、脇を固める安藤昇の異様な存在感も素晴らしく、また観たいと常々思っていた映画でした。
3本じっくり堪能し、ロビーの喫煙所で一服していました。


すると常連と思しきオッサンが声をかけてきました。
オッサン曰く、ここの客は殆ど正面の場外馬券売り場から流れてくる、とのこと。
昔は着順表もロビーに貼りだしており、モギリのおばちゃんに頼むと馬券も買ってきてくれたとか。
新宿コマ劇場の思い出話にも昔話が及び「こういう場所がどんどんなくなっていくなあ」と寂しそうにしておりました。
オッサンは年金暮らしということで、ここでボーっと映画を観ることが楽しみだったそう。
「ここがなくなったら、浅草で来るところなくなるわ。寂しいな」
オッサンと別れ、モギリのおばちゃんの許可をとり、ロビーを撮影させていただきました。









おばちゃんに御礼を言い、ここは閉館後何になるのか聞いてみました。しかし
「私たちも知らないのよー」と。
「そうですか。ありがとうございます。じゃあどうも」
「お元気で」
なんだか泣けてきました。
外に出ると、空には見事ないわし雲でした。

浅草といえば、古きよき娯楽の街といったイメージもあり、こうして次々に昔ながらの娯楽施設が潰れていってしまうのは、なんとも悲しい思いがします。
と言っても、この映画館を知ったのはわたし自身つい最近で、去年1度だけ行ったのが初めてでした。
それから「いつかまた来よう、いつかまた来よう」と思っていた矢先に閉館の報を知りました。
隣り合う同系列の映画館、浅草新劇場・浅草中映劇場も同時に閉館しました。
わたしは名画座というか、昔の仁侠映画をスクリーンで観るのが大好きでありまして。
大阪に行くたびに、通天閣下の新世界東映という古い名画座でオッサンにまじって映画鑑賞するのが、何よりの楽しみとなっていました。
その後、観た映画をかみしめつつ、近くの串カツ屋で一杯やってドヤに戻る、というのが毎回のパターンです。
こんな映画館、東京にもあるもんかな、と調べてみたらここがそうでした。
「古いものは、なんとなくなくならないような気がする」という無意識はある日突然裏切られるのが常で、それは人の運命にも似ており・・・
今更後悔してもしかたなく、最後の日が近づいたある週末、お別れに行ってきました。


当日上映されていたのは『黒蜥蜴』『任侠列伝・男』『現代やくざ 人斬り与太』の3本立て。

『黒蜥蜴』は三島由紀夫の蝋人形演技が観たかったのでラッキーでした。
『現代やくざ 人斬り与太』は大阪で一度観たことがありました。深作欣二監督の名作で、荒々しいカメラワークと菅原文太さんのとことんアウトローに生きる男の演技が見もので、脇を固める安藤昇の異様な存在感も素晴らしく、また観たいと常々思っていた映画でした。
3本じっくり堪能し、ロビーの喫煙所で一服していました。


すると常連と思しきオッサンが声をかけてきました。
オッサン曰く、ここの客は殆ど正面の場外馬券売り場から流れてくる、とのこと。
昔は着順表もロビーに貼りだしており、モギリのおばちゃんに頼むと馬券も買ってきてくれたとか。
新宿コマ劇場の思い出話にも昔話が及び「こういう場所がどんどんなくなっていくなあ」と寂しそうにしておりました。
オッサンは年金暮らしということで、ここでボーっと映画を観ることが楽しみだったそう。
「ここがなくなったら、浅草で来るところなくなるわ。寂しいな」
オッサンと別れ、モギリのおばちゃんの許可をとり、ロビーを撮影させていただきました。









おばちゃんに御礼を言い、ここは閉館後何になるのか聞いてみました。しかし
「私たちも知らないのよー」と。
「そうですか。ありがとうございます。じゃあどうも」
「お元気で」
なんだか泣けてきました。
外に出ると、空には見事ないわし雲でした。

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